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インサイト、線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)融合遺伝子を有し、がん化学療法後に増悪した切除不能胆道がん患者の治療薬としてのペマジール(ペミガチニブ)が日本で承認されたと発表

米デラウェア州ウィルミントン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- (ビジネスワイヤ) -- インサイト(Nasdaq:INCY)は本日、厚生労働省が選択的な線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害薬のペマジール(Pemazyre®、ペミガチニブ)を、線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)融合遺伝子1を有し、がん化学療法後に増悪した切除不能胆道がん(BTC)患者の治療薬として承認したと発表しました。

インサイト・アジアのゼネラルマネジャーであるLothar Finke(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「厚生労働省によるペマジールの承認は、胆道がんコミュニティーにとって重要な節目となる成果であり、未充足の大きな医療ニーズを抱える患者さんのためのソリューションを発見し、提供するという当社の約束および実践を浮き彫りにするものです。胆道がんは稀な重篤疾患であり、当社は厚生労働省の支持により、世界中でより多くの患者さんに新しい標的治療薬を提供できることを誇りに思います。」

胆道がんは、胆管に形成される希少がんです。胆道がんのサブタイプである胆管がんは、その発生部位によって分類されます。肝内胆管がんは肝臓内の胆管で発生し、肝外胆管がんは肝臓外の胆管で発生します。胆道がんの患者は多くの場合、予後が不良な後期ないし進行期に診断されます2,3。FGFR2遺伝子の融合ないし再構成が発生するのは肝内胆管がんにほぼ限定され、日本人の胆道がん患者の少数で観察されます4,5,6,7

今回の承認はFIGHT-202試験から得たデータに基づいており、本試験は治療歴があり、FGF/FGFR遺伝子変異ステータスが確認された局所進行性/転移性胆管がんの成人患者で、ペミガチニブの安全性と有効性を評価するものです。FIGHT-202試験においては、FGFR2遺伝子の融合/再構成を持つ患者(コホートA)で、ペマジールによる単剤療法は36%の全奏功率(主要評価項目)、7.49カ月の奏功期間(DOR)中央値(副次評価項目)をもたらしました。最も頻度の高かった治療関連有害事象(TEAE)はグレード2以下の高リン血症(58.2%)でした。その他に頻度が高く、患者の30%以上で観察されたTEAE(あらゆるグレード)は、脱毛症、下痢、疲労、味覚障害、悪心、便秘、口内炎、口渇、食欲減退でした。これらTEAEの大半はグレード2以下でした。患者の10%以上で発生したグレード3以上のTEAEは低リン血症でした。

今回の承認に先立ち、厚生労働省はペマジールに対し希少疾病用医薬品の指定を与えています。この指定は、日本における患者数が5万人未満で、医療ニーズが高い希少疾病の治療を目的とした治験化合物に与えられます8。指定を受けた希少疾病用医薬品は、できるだけ早く臨床の場に届けられるよう、市販承認の優先審査の対象となります8

FIGHT-202について

第2相非盲検多施設試験FIGHT-202(NCT02924376)は、治療歴があり、FGF/FGFR遺伝子変異ステータスが確認された局所進行性/転移性胆管がんの成人患者(18歳以上)で、選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)1、2、3阻害剤ペミガチニブの安全性と有効性を評価する試験です。

患者は3つのコホート、すなわちコホートA(FGFR2融合/再構成)、コホートB(その他のFGF/FGFR遺伝子変異)、コホートC(FGF/FGFR遺伝子変異なし)のいずれかに組み入れました。患者は全員、21日のサイクル(2週間投薬、1週間休薬)にて13.5 mgのペミガチニブを1日1回(QD)、放射線画像診断による病勢進行または許容できない毒性が認められるまで経口投与を受けました。

FIGHT-202の主要評価項目は、RECIST v1.1による独立判定に基づくコホートAにおける全奏功率(ORR)としました。副次的評価項目には全コホートにおけるORR、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏功期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)、安全性を含めました。

FIGHT-202に関する詳細情報については、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02924376をご覧ください。

FIGHTについて

FIGHT(FIbroblast Growth factor receptor in oncology and Hematology Trials、腫瘍と血液疾患の分野における線維芽細胞増殖因子受容体に関する試験)臨床試験プログラムでは、FGFRがドライバーとなる数種類の悪性腫瘍を対象に、ペミガチニブ療法の安全性と有効性を検討する第2相および第3相試験が進行中です。ペミガチニブ単剤療法を検討する第2相試験に含まれるのは、FIGHT-202の他に、活性化FGFR3変異またはFGFR3融合/再構成を有するものを含め、転移性または外科的に切除不能な膀胱がんを持つ患者でペミガチニブを検討するFIGHT-201試験、活性化FGFR1融合/再構成を有する骨髄増殖性腫瘍患者でのFIGHT-203試験、腫瘍のタイプに関係なく、治療歴があり、活性化FGFR変異またはFGFR融合/再構成を有する局所進行性/転移性または外科的に切除不能な固形悪性腫瘍を持つ患者でのFIGHT-207試験が含まれます。

FIGHT-302試験は、FGFR2融合/再構成を有する胆管がん患者に対するファーストライン治療としてペミガチニブを検討する第3相試験です。

ペマジール(ペミガチニブ)について

ペマジールは米国で、治療歴があり、FDA承認の検査法によって線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)遺伝子の融合またはその他の再構成が検出された切除不能の局所進行性/転移性胆管がんの成人患者の治療を適応とするキナーゼ阻害剤です9。本適応に対する承認は、全奏功率と奏功期間に基づき、迅速審査により付与されたものです。本適応の承認の継続には、確認試験での臨床的利点の検証と説明が条件となる可能性があります。

ペマジールは日本で、線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)融合遺伝子を有する切除不能な胆道がん(BTC)を持ち、がん化学療法後に病状が悪化している患者の治療薬として承認されています。

ペマジールは、FGFRのアイソフォーム1、2、3に対する強力で選択的な経口阻害剤で、前臨床試験ではFGFR変異を持つがん細胞に対する選択的な薬理活性を示しています。

ペマジールは米国でインサイトが販売しており、日本でもインサイトが販売します。インサイトはイノベント・バイオロジックスに対し、中国本土、香港、マカオ、台湾での血液がんを含む腫瘍領域でペミガチニブを開発・販売する権利をライセンスしました。米国外でペミガチニブを開発・販売するその他の権利はすべてインサイトが留保します。

また欧州医薬品庁(EMA)ヒト用医薬品委員会(CHMP)は、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR2)融合/再構成を有し、少なくとも1種類の全身療法による治療後に病勢進行した局所進行性/転移性胆管がんの成人患者の治療薬としてのペミガチニブの条件付き市販承認を勧告する肯定的意見を発出しています。

ペマジールはインサイト・コーポレーションの商標です。

インサイトについて

インサイトはデラウェア州ウィルミントンに拠点を置く世界的なバイオ医薬品企業として、専有的な治療薬の創薬・開発・商業化を通じ、未充足の極めて重要な医療ニーズに対するソリューションの発見に傾注しています。インサイトの詳細情報についてはIncyte.comをご覧いただき、@Incyteをフォローしてください。

インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンの詳細情報についてはIncyte.jpをご覧ください。

将来見通しに関する記述

本プレスリリースに記載された内容は、歴史的情報を除き、ペミガチニブがFGFR2融合/再構成を有する局所進行性/転移性胆管がんの患者に治療選択肢を提供するかどうかやその時期、ペミガチニブの今後の開発に関する記述を含め、予測や推定、その他将来見通しに関する記述を含んでいます。

これらの将来見通しに関する記述は、当社による現時点の予測に基づくものであり、リスクや不確実性の影響を受けます。それらのリスクや不確実性は、実際の結果が大きく異なる場合の原因となり得ます。それらのリスクや不確実性には、予期しない展開やリスクとして、予期しない遅延、今後の研究開発および臨床試験の結果が失敗となるか適用される規制基準を満たしたり開発継続を正当化するのに不十分であったりする可能性、臨床試験に十分な人数の患者を組み入れる能力およびおよび計画されたスケジュール通りに患者を組み入れる能力、COVID-19パンデミックの影響と当該パンデミックに対する対策(当社の臨床試験、サプライチェーン、その他サードパーティープロバイダーに加え、開発・創薬業務にかかる影響やそれらに対する対策)、諸決定(FDA、EMA、医薬品医療機器総合機構(PMDA)、厚生労働省、その他の規制当局によるもの)、協業相手との関係への当社の依存、当社製品および当社提携先製品の有効性と安全性、当社製品および当社提携先製品の市場での受容、市場競争、販売・マーケティング・製造・流通の要件、予想を上回る経費、訴訟または戦略的活動と関連した経費、2020年12月31日締め年度に対するフォーム10-Q報告書を含め、当社が証券取引員会に提出した報告書に随時詳述されたその他のリスクなどがあります。当社は、これら将来見通しに関する記述を更新する意図と義務を一切否認します。

免責事項

本プレスリリースに記載された医薬品の情報は、インサイトの企業情報開示を目的としたものであり、開発中の医薬品を含むいかなる製品についても、その広告や販売促進を意図するものではありません。


1 承認された日本の適応において、「融合遺伝子」は融合遺伝子と再構成の両方を含む。

2 Banales JM, et al. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2016;13:261‒280.

3 Uhlig J, et al. Ann Surg Oncol. 2019;26:1993–2000.

4 肝がん白書2015年版。日本肝臓学会。

5 Nakamura H, et al. Nat Genet. 2015;47:1003‒1010.

6 Jang H, et al. J Gastroenterol. 2020;26:6207–6223.

7 Japan Liver Cancer Study Group Follow-Up Survey Committee. The 20th National Primary Liver Cancer Follow-up Report (2008-2009). Liver. 2019;60: 258-293.

8 希少疾病用医薬品・医療機器の指定制度の概要。厚生労働省。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068484.html

9 ペマジール(ペミガチニブ)[添付文書]。デラウェア州ウィルミントン:インサイト、2020年。

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