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インサイト・ジャパン、進行肛門がんの一次治療としてジニイズ(Zynyz)®(レチファンリマブ)の承認を発表

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社は、進行性肛門管扁平上皮がん(SCAC)の一次治療として、カルボプラチン+パクリタキセル(プラチナ製剤を用いた化学療法)と併用するジニイズ®(レチファンリマブ)が厚生労働省(MHLW)の製造販売承認を取得したことを発表しました。

インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンのゼネラル・マネジャーを務める石田靖之は、「今回の承認は、日本の進行肛門がん患者にとって重要な出来事です。MHLWによるジニイズの承認は、SCACの一次治療としてジニイズが初めてかつ唯一の承認薬であることを意味します。そのような難しい疾患を抱えていた患者に対し、ジニイズは、化学療法との併用療法を提供することで、きわめて重要な新しい治療選択肢となり、SCAC患者とその家族にとって、がん医療の重大なアンメットニーズに応えることとなります」と述べています。

今回の承認は、全身化学療法による治療歴のない転移性または手術不能な局所再発性SCACの成人患者を対象に、プラチナ製剤を用いた化学療法(カルボプラチン-パクリタキセル)との併用下でのジニイズを評価した第3相POD1UM-303/InterAACT2試験の結果に基づいています。

医学誌「The Lancet」に掲載されたPOD1UM-303/InterAACT2試験(NCT04472429)の結果では、病勢進行または死亡のリスクが統計学的に有意に37%低下することが示されました(P=0.0006)1。ジニイズと化学療法を併用した患者群では、無増悪生存期間(PFS)の中央値が9.3か月であったのに対し、プラセボ併用群では7.4か月でした1。安全性上の新たな懸念は確認されませんでした。重篤な有害反応は、ジニイズと化学療法の併用療法を受けた患者の47%で認められました1。最も多くみられた重篤な有害反応(発現率2%以上)は、敗血症、肺塞栓症、下痢、および嘔吐でした1

。日本では、肛門管がんの約16~24%がSCACで、腺がんは約70%を占めています2。日本での肛門管がん全体の発生率は、人口10万人当たり約0.26~0.41です2

今回の承認により、ジニイズは日本で初めて規制当局の承認を取得し、進行性SCACに対しては2件目の規制当局承認となります。ジニイズは2025年5月、米国食品医薬品局(FDA)により、手術不能な局所再発性または転移性SCACの成人患者の一次治療として、カルボプラチン+パクリタキセル(プラチナ製剤を用いた化学療法)との併用が承認されました。

インサイトは、進行性SCACに対するレチファンリマブについて、欧州医薬品庁(EMA)にタイプII変更(Type II variation)に関する申請(MAA)を提出しています。

肛門管扁平上皮がん(SCAC)について

SCACは、世界的に肛門がんの中で最も多くみられる病型であり、全症例の85%を占めています3。これは希少な疾患ですが、発生率は年間約3%ずつ増加しています4,5,6,7。症例の約90%は、肛門がんの最大のリスク因子であるヒトパピローマウイルス(HPV)感染と関連しています7。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は肛門がんのリスクを高める重大な増幅因子であり、HIV感染者の場合、発症リスクは25~35倍高いとされています8,9。肛門がんは、痔などの非がん性疾患と似た症状(痛み、かゆみ、しこりまたは腫瘤、排便の変化など)が多いため、発見が遅れやすく、局所進行期で診断される患者が多いとされています10

POD1UMについて

レチファンリマブを対象とするPOD1UM(PD1 Clinical Program in Multiple Malignancies)臨床試験プログラムは、POD1UM-303およびPOD1UM-202のほか、非小細胞肺がん患者を対象にプラチナ製剤を用いた化学療法との併用下でレチファンリマブを評価する承認取得を目指す試験を含む、固形腫瘍患者を対象とした複数の第1~第3相試験で構成されています。

ジニイズ®(レチファンリマブ)について

ジニイズ®(レチファンリマブ)は、プログラム細胞死受容体1(PD-1)を標的とするヒト化モノクローナル抗体であり、手術不能な局所再発性または転移性肛門管扁平上皮がん(SCAC)の成人患者に対する一次治療として、カルボプラチン+パクリタキセル(プラチナ製剤を用いた化学療法)との併用療法が適応となります。

ジニイズは、米国では転移性または再発性の局所進行メルケル細胞がん(MCC)の成人患者の治療にも適応されています。本適応は、腫瘍奏効率と奏効期間を根拠とした迅速承認の下で承認されています。本適応の継続的な承認は、確認試験において臨床的有用性が確認され、その内容が示されることを条件とする場合があります。

ジニイズは、米国ではインサイトが販売しています。インサイトは2017年に、レチファンリマブのグローバルな権利についてMacroGenics, Inc.と独占的な提携・ライセンス契約を締結しました。

ジニイズはインサイトの登録商標です。

重要な安全性情報

適応、用法・用量、および安全性情報については、日本の独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA) のジニイズの添付文書をご参照ください。

インサイトについて

インサイトは、「Solve On.」をミッションとして掲げ、アンメットメディカルニーズを有する患者のために、科学に基づきソリューションを追求するグローバルなバイオ医薬品企業です。独自の治療薬の創出から開発、商業化まで手がけるインサイトには、腫瘍学および炎症・自己免疫領域において、患者のためのファースト・イン・クラス医薬品のポートフォリオと強固な製品パイプラインがあります。

インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社は、インサイトが全額出資する子会社です。日本におけるインサイトの詳細については、www.incyte.jp をご覧ください。

インサイトは米国デラウェア州ウィルミントンに本社を構え、北米、欧州、アジアで事業を展開しています。インサイトの詳細については、Incyte.com をご覧いただくか、ソーシャルメディアのLinkedInXInstagramFacebookYouTubeをフォローしてください。

インサイトの将来予想に関する記述について

本プレスリリースに記載されている事項のうち、過去の事実に関する記述を除き、SCAC患者に対してジニイズが有効な治療選択肢となるかどうか、またその時期に関する記述を含む内容には、予測、見積り、その他の将来予想に関する記述が含まれています。

これらの将来予想に関する記述は、インサイトの現時点での見通しに基づくものであり、実際の結果が大きく異なる可能性のあるさまざまなリスクおよび不確実性を伴います。これには、予期しない遅延、研究開発の進展および臨床試験の結果が不成功に終わる、または規制基準を満たさず開発継続に至らない可能性、臨床試験における被験者登録の可否、厚生労働省(MHLW)、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)などの規制当局による判断、インサイトおよびその提携先の製品の有効性または安全性、市場での受容性、市場競争、販売、マーケティング、製造および流通に関する要件、ならびに米国証券取引委員会に提出しているForm 10-K年次報告書および2025年9月30日終了四半期のForm 10-Q四半期報告書を含む各種報告書に随時記載されるその他のリスクが含まれます。インサイトは、これらの将来予想に関する記述を更新する意図または義務を負いません。

_________________________

1 Rao S、Samalin-Scalzi E、Evesque L ほか。肛門管局所再発性または転移性扁平上皮がんに対するレチファンリマブとカルボプラチンおよびパクリタキセルの併用(POD1UM-303/InterAACT-2):国際第3相無作為化対照試験。Lancet 2025年;405巻(10495号):2144-2152頁。

2 Yamada K、Saiki Y、Komori K ほか。日本における肛門管がんの特徴。Cancer Med 2022年;11巻:2735-2743頁。

3 Symer MM、Yeo HL。肛門がん治療の最新の進展状況。F1000Research 2018年;7巻:F1000 Faculty Rev-1572。

4 Islami F、Ferlay J、Lortet-Tieulent J ほか。肛門がん発生率の国際的動向。Int J Epidemiol 2017年;46巻:924-938頁。

5 Giuliano AR、Nyitray AG、Kreimer AR ほか。EUROGIN 2014ロードマップ:性別および感染部位別にみるヒトパピローマウイルス感染の自然史、伝播、およびヒトパピローマウイルス関連のがん発生率の差異。Int J Cancer 2015年;136巻:2752-2760頁。

6 Morris V、Eng C。肛門がんにおける免疫療法のパラダイムの強化。J Gastrointest Oncol 2016年;7巻:721-726頁。

7 米国疾病予防管理センター(CDC)。各年のHPV関連がん症例。閲覧:https://www.cdc.gov/cancer/hpv/cases.html(2025年11月アクセス)。

8 Wang CJ、Sparano J、Palefsky JM。ヒト免疫不全ウイルス/AIDS、ヒトパピローマウイルスおよび肛門がん。Surg Oncol Clin N Am 2017年;26巻:17-31頁。

9 腫瘍学のNCCN臨床診療ガイドライン:HIV感染者におけるがん。バージョン1.2021、2021年。

10 Anal Cancer Foundation(肛門がん財団)。肛門がん:徴候、症状、原因および治療。閲覧:https://www.analcancerfoundation.org/what-is-anal-cancer/(2025年11月アクセス)。

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