IQM、耐障害性量子コンピューティングに向けた新たな量子誤り訂正手法を発表
IQM、耐障害性量子コンピューティングに向けた新たな量子誤り訂正手法を発表
新手法により最先端の性能を実現しつつ、ハードウェアの複雑性を大幅に低減
フィンランド、ミュンヘン・エスポー--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 超伝導量子コンピューター分野のグローバルリーダーであるIQMクオンタム・コンピューターズ(以下「IQM」)は、サーフェスコードと比較して最大3桁低い論理エラー率を達成しながら、必要な物理量子ビット数を最大8分の1まで削減できる新たな量子誤り訂正コードを開発したと発表しました。
多くの高性能な代替量子誤り訂正手法とは異なり、この新コードは比較的低いハードウェア複雑性も維持しており、スケーラブルな耐障害性量子コンピューティングの実現に向けた重要な前進となります。
量子誤り訂正は、実用的な量子コンピューティング実現競争における最大の課題の一つとされています。ノイズによって生じる誤りは、蓄積される速度を上回るペースで修正される必要がありますが、従来の手法では、複雑なハードウェア構成、あるいは性能面での大幅なトレードオフが求められていました。IQMの新コードは、これら両方の制約を同時に解決するものです。
IQMの画期的技術である「barbell codes(バーベルコード)」は、量子低密度パリティ検査(QLDPC)コード群の一種で、IQM独自の量子プロセッサ・トポロジー「Constellation」に最適化されています。Constellationは平面的な接続性を強化した構造を採用しており、各量子ビットは最大12個の他の量子ビットと直接相互作用できます。これは従来の正方格子トポロジーにおける4量子ビット接続と比較して大幅な向上である一方、計算用量子ビットでは3つ、中央要素では6つのカプラーのみで実現可能です。
量子ビット間の高い接続性を活用し、さらに1つおきの量子ビットに対して単一の長距離カプラーのみを必要とすることで、barbell codesはハードウェア複雑性を大幅に抑えながら、高性能な誤り訂正を実現します。
IQMチームが学術論文サイト「arXiv」で公開した開発詳細および数値性能解析では、本技術が量子コンピューティング分野における大きな進展であることが示されています。barbell codesは、標準的な平面型Constellation接続構造における2つの接続ノードを、1つおきの量子ビットに対する単一の長距離カプラーで接続する構成を採用しており、こうした量子ビット対間のエンタングルメント(量子もつれ)生成を可能にします。
この独自設計により、オープン境界条件下で追加の長距離交差カプラーが不要となり、性能を損なうことなく製造工程を簡素化できます。その結果、本技術は理想的な研究室環境ではなく、超伝導量子ビットの実際の製造条件を見据えて設計されたソリューションとなっています。
IQMクオンタム・コンピューターズの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)であるヤン・ゲッツ氏は、次のように述べています。「私たちは量子コンピューティングの次章を切り開いています。当社のアプローチは、超伝導量子ビットを用いたスケーラブルな量子誤り訂正において極めて競争力の高い道筋を示すものであり、大規模かつ耐障害性を備えた量子コンピューター実現への道を切り拓きます」
IQMは、これまでに他のどのメーカーよりも多くの量子システムを販売しており、今年後半には150量子ビットシステムを顧客向けに展開する予定です。また同社は、誤り訂正コード向けの先進的量子コンピューター「IQM Halocene」も発表しています。
barbell codesのアプローチは同社の開発ロードマップとも整合しており、高精度な論理量子ビットを数百規模で実装する耐障害性量子システムの実現、および複数業界における量子優位性の達成に向けた現実的な道筋を示しています。
IQMは最近、特別買収目的会社(SPAC)であるリアル・アセット・アクイジション(Real Asset Acquisition Corp.、Nasdaq:RAAQ)との合併を通じたNasdaq上場計画を前に、投資家需要の拡大を受けてPIPE(非公開投資)へのコミットメントを増額したことも発表しています。
IQMクオンタム・コンピューターズについて
IQMクオンタム・コンピューターズは、超伝導量子コンピューター分野におけるグローバルリーダーとして、研究機関、大学、高性能計算(HPC)センター、国立研究所、企業向けにフルスタック型量子コンピューターおよびクラウドプラットフォームへのアクセスを提供しています。IQMのオンプレミス導入モデルでは、顧客が量子インフラを直接所有・管理できる点を特徴としています。2018年に設立され、本社をフィンランドに置く同社は、ミュンヘンに主要拠点を構え、400人超の従業員を擁しています。欧州、アジア、北米で事業を展開しており、リアル・アセット・アクイジション(Nasdaq:RAAQ)との合併を通じて、米国の主要証券取引所に上場する初の欧州量子企業となることを目指し、米国証券取引委員会(SEC)にF-4登録届出書を提出しています。
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