-

オムディア:ハイパースケーラー向けクラウドマーケットプレイスの売上高、2030年までに1630億ドルに達する見込み

ロンドン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- オムディアの新たな調査によると、AWS、マイクロソフト、Google Cloudが主導するハイパースケーラーのクラウドマーケットプレイスを通じたエンタープライズソフトウエアの売上高は、2024年の300億ドルから、2030年までに1630億ドルへと急増すると予測されています。

この成長は、企業におけるマーケットプレイス調達導入の増加と、エージェント型AI販売の急増を反映するものです。Omdiaは、2025年から2030年にかけて5年間の年平均成長率が29.1%に達すると予測しています。これは、グローバル大手ソフトウエアベンダーから独立系ソフトウエアベンダーのスタートアップまで、IT業界全体のベンダーが、主要な市場参入ルートとしてハイパースケーラーのマーケットプレイスをますます採用するようになっているためです。

戦略的クラウド支出が主要なマーケットプレイス推進要因に

この市場の主要な推進要因は、企業顧客による複数年にわたるクラウド契約の前払い型コミットメントの継続的な成長です。現在、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudを合わせたクラウド契約額は推定4700億ドル近くに達しており、顧客はその一部をサードパーティのマーケットプレイス購入に充てることができます。2025年第2四半期だけで約300億ドルの新規契約が追加された事実も、この支出のペースの加速を裏付けています。顧客は、未使用契約を消化するための場当たり的なマーケットプレイス購入から、より戦略的な調達へと移行しつつあります。具体的には、クラウド導入戦略に沿った幅広いベンダー製品群の予算を組み込むようクラウド契約を交渉しています。

特に注目すべきは、主要3ハイパースケーラー各社のパートナー向けプライベートオファーやディストリビューターモデルに支えられ、チャネルパートナーがこの新たな調達方法に置き換えられることなく適応を続けている点です。オムディアは2030年までに、パートナーが全マーケットプレイス取引の約60%を仲介し、顧客の契約管理、複数クラウドマーケットプレイスでの購入支援、顧客ライフサイクル全体にわたる専門知識とサポートを提供することを予測しています。さらに「エージェンティック時代」において、パートナーは独自のAIソリューションやプラットフォームを開発し、これらのマーケットプレイスで取引される数十億ドル規模の市場シェア拡大を図っています。

AIとセキュリティが加速する中での基盤ソフトウエアの席巻

マーケットプレイス経由の総支出の63%を占める3つの技術カテゴリーは、インフラストラクチャソフトウエア(105億ドル)、DevOps(91億ドル)、ビジネスアプリケーション(91億ドル)です。これらのカテゴリーは顧客環境の基盤を成す要素であり、複雑化するクラウド環境のフロントエンドとバックエンドの両方を支えています。

企業がクラウド成熟度を高めるにつれ、AIマーケットプレイスは特にエージェント型AIを通じて膨大な機会を提供します。マイクロトランザクションとマルチエージェントプロトコルの継続的成長により、年平均成長率37%を背景に総支出額は244億ドルに達する見込みです。統合セキュリティプラットフォームが不可欠となる中、サイバーセキュリティ分野も高成長領域として、年平均成長率31%で2030年までに310億ドル規模に拡大すると予測され、サイバーセキュリティベンダーとそのパートナーエコシステムにさらなる機会が創出されます。

「ハイパースケーラーのマーケットプレイスは、テクノロジー業界全体のベンダーにとって市場参入ルートとして急速な勢いを維持しています。独立系ソフトウエアベンダーのうち、AWS、Google Cloud Marketplace、Microsoft Azure Marketplaceを通じて年間売上高10億ドルを達成し、それを上回る企業は少数ながら増加しています。それらの企業はパートナーとディストリビューターの両方を活用し、より広範なクラウド顧客層にリーチするとともに、売上シェアの拡大を推進しています。今後5年間で、エージェント型AIはマーケットプレイス経由で最も急成長するカテゴリーの一つとなるでしょう。ハイパースケーラー各社は、エージェント型AIの流通チャネルとしての競争を激しく繰り広げています。なぜなら、エージェント型AIがクラウド消費に占める割合がますます大きくなっているからです」と、オムディアの主席アナリスト、アラステア・エドワーズは述べています。

オムディアについて

Informa TechTarget, Inc.(NASDAQ:TTGT)傘下のオムディアは、テクノロジー調査・アドバイザリーグループです。業界リーダーとの実態に基づく対話と数十万のデータポイントに裏打ちされた当社の深い技術市場の知見は、クライアントの戦略的優位性となる市場インテリジェンスを生み出しています。研究開発から投資利益率(ROI)まで、最大の機会を特定し、業界を前進させています。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

Contacts

Fasiha Khan: fasiha.khan@omdia.com

Omdia

NASDAQ:TTGT


Contacts

Fasiha Khan: fasiha.khan@omdia.com

More News From Omdia

オムディア:ラテンアメリカのスマートフォン出荷台数が2025年第3四半期に1%増加し、2015年以来最高の四半期水準に到達

ロンドン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- オムディアの最新レポートによると、2025年第3・四半期におけるラテンアメリカのスマートフォン市場は前年同期比1%の成長を示し、出荷台数は3,520万台に達し、2015年第4・四半期以来最高の四半期水準となりました。経済的不確実性の中でも地域が示した回復力、慎重な在庫管理、適度な消費が、主要ベンダーの出荷台数に反映されました。サムスンは1,160万台(33%のシェア)で首位となり、その出荷台数の68%を占めた低価格帯のAシリーズモデルが成長を牽引しました。シャオミは630万台(18%のシェア)で続き、モトローラは3位となり、6四半期連続の減少となる11%減を記録しました。4位のオナーは、カリブ海地域、コロンビア、エクアドルでの成長に支えられ、3四半期連続で出荷台数の記録を更新し、290万台に到達しました。これらの地域は現在、同社出荷の40%以上を占めています。TRANSSIONは前年同期比19%減となったものの、トップ5入りを維持しました。 同地域の回復は、ブラジルや中米といった主要市場の成長に加え、チリ、コロン...

オムディア:中国のPC市場は、消費者補助金の影響が弱まり、2025年第3四半期に成長が鈍化

ロンドン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- オムディアの最新データによると、中国のPC市場は2025年第3四半期に前年同期比2%増の1130万台に達しました。デスクトップPC(デスクトップ・ワークステーションを含む)の出荷台数は330万台に達し、8%の増加となりました。これは、出荷台数が9%増加した法人向けセグメントにおける好調な需要によって牽引されました。ノートPC(モバイル・ワークステーションを含む)の出荷台数は、消費者補助金の影響が四半期中に弱まったことを受けて、800万台で横ばいとなりました。タブレット市場は引き続き好調な成長を維持し、出荷台数は前年比9%増の880万台となりました。 今後、中国のPC市場は2025年末までに前年比5%増の4150万台に達すると見込まれています。この成長は、今年上半期の堅調な消費者需要と、特に信創(Xinchuang)産業からの堅調な調達によって支えられると考えられます。この傾向は2026年も続くと予想されますが、消費者需要のさらなる弱まりにより、市場は2%の小幅な減少が見込まれています。タブレット市場は、国内ベンダ...

オムディア:世界のウェアラブルバンド出荷台数が3%増、ホリデーシーズンの好調が見込まれる

ロンドン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- オムディアの最新調査によると、第3四半期のウェアラブルバンド市場は3%増の5,460万台となりました。出荷台数の伸びは小幅ながら、市場価値は12%増の123億ドルに拡大し、プレミアムデバイスへの移行を反映しています。 平均販売価格(ASP)は前年比9%増の225ドルとなり、主に市場最大手企業によって押し上げられました。上位5社であるシャオミ、アップル、ファーウェイ、サムスン、ガーミンが、市場全体の価値の84%と数量シェアの63%を占めました。こうした価値面での優位性に加え、潤沢な資金力および研究開発リソースを有していることから、これら大手企業と価格面で競争し、新規ユーザーを獲得することは、中小ベンダーにとってますます困難になっています。 価格帯ごとの成長を後押しするデュアル戦略 主要ベンダーは、特定の価格帯に焦点を当てたデュアル戦略によって成功を収めています。手頃な価格帯のセグメントでは、シャオミ、ファーウェイ、サムスンが自社ポートフォリオを活用して数量シェアを拡大したことにより、ベーシックバンドカテゴリーが前年...
Back to Newsroom