-

ヘファスタス、ステルスモードから脱却して1,720万ドルを調達し、レアアース不使用の高温超伝導体の供給と低コスト核融合発電の確立を目指す

新しいHTS磁石の2027年の製造開始に向けてシリ・ベンチャーズが直近の資金調達ラウンドを主導、その後、負三角度炉の開発を進め2030年までの正味エネルギー利得の達成を目指す

ロンドン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- ヘファスタスは本日、核融合発電のコストを押し上げる二大要因に対処するソリューションを携えて、これまで非公開で活動してきたステルスモードから脱却し、事業内容の公表に踏み切りました。コストを押し上げる要因の一つは、プラズマを閉じ込めるための高温超伝導(HTS)磁石で、もう一つは従来型の核融合炉の設計コストと複雑さを増大させていた周辺局在モード(ELM:プラズマの主な不安定現象)です。同社はさらに、シリ・ベンチャーズが主導してきた直近の資金調達ラウンドの完了も発表しました。

ヘファスタスは、核融合エネルギーのコストを電力市場で競争できる水準まで引き下げる後押しをするというただ一つの使命を掲げて、2019年にロンドンで設立されました。同社のAIプラズマソルバーはまず、業界の多くがすでに採用している従来の設計や材料に制約されることなく、トカマク型核融合炉の設計パラメータのあらゆる組み合わせを網羅的に検証しました。その結果、低コストの核融合エネルギーを実現するうえで最も有望な構成として、ほとんどのトカマク型核融合炉で採用されているD字型のプラズマ断面形状を反転させた、負の三角度(NT)を特定しました。

その後、DIII-D、JET、SMARTをはじめとする世界各地の研究施設で得られた結果から、NTでは、ELMによる不安定現象を発生させることなく、高い性能を実現できることが実証されています。

2021年2月には、アントワーヌ・ポシュロン博士が共同創業者兼実験キャンペーン責任者として同社に加わりました。ポシュロン博士は、この分野においてNT物理学の権威であり、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)で数十年にわたり研究に従事し、負の三角度に関する基礎実験で数多くの成果を上げてきました。

ヘファスタスは、すでにハードウェアの開発段階に進んでいます。最初の装置である「Anvil 0」は、設計当初からNTを採用した世界初のトカマク型核融合装置で、2024年に完成しました。

同社は、核融合設備で最も大きな投資コストを占め、事業規模の拡大を妨げる最大のボトルネックとなっているHTS磁石(プラズマを閉じ込めるための磁石)にも、同じくAIを優先的に活用するアプローチを採用しています。同社独自のAI材料探索プラットフォーム「MaDi-AI」を活用し、複数の新しいHTS材を特定し、製造するとともに、実験室レベルでの特性評価を実施してきました。これらの材料は、イギリス国立物理学研究所(NPL)による検証を受けています。

現在、核融合分野で使用されているHTS磁石はすべて、REBCO(希土類バリウム銅酸化物)で作られています。この超伝導材は製造に時間を要し、生産規模の拡大にも多大なコストがかかるうえ、地政学的リスクのある地域に生産が集中しています。ヘファスタスは、REBCOに比べて低コストで量産しやすく、地政学的な要因による供給上の制約を受けるリスクも大幅に低い、レアアースを使用しないHTS材の開発を進めています。これにより同社は、自社で核融合エネルギーを供給する企業であるだけでなく、核融合産業全体を支える基盤的な材料サプライヤーとしての地位の確立も目指しています。

今回の資金調達で、ヘファスタスは2つの重要なマイルストーンの達成を加速させます。1つ目は、ニュージャージー州に新設した70,000平方フィート の施設で、2027年にHTS材の製造を開始します。2つ目は、正味エネルギー利得(Q>1)を実証する核融合炉を用いて、NTが商業面で優位性を持つことを2030年までに実証することです。現時点での投資家には、プリサイエンス・ベンチャーズ、ティームパクト・ベンチャーズ、クライメート・キャピタル、アンルーリー・キャピタル、シリ・ベンチャーズが名を連ねています。

「核融合は、年間数十GW規模のクリーンで安定した電力を電力網に供給できる可能性を秘めています。ただし、それを実現するには、コストを抑え、規模を拡大できなければなりません」とヘファスタスの創業者で最高経営責任者(CEO)のジャック・ザマッティオは述べています。「だからこそ、私たちは負の三角度を選び、独自の新しいHTS磁石を自社で製造しているのです。核融合が持つ産業的な潜在力を最大限に引き出すためです」

ヘファスタスはすでに、HTS材の供給を求める核融合開発企業と先行利用に向けた協議を開始しており、ニュージャージー、ロンドン、ローマの各拠点で積極的に人材の採用を進めています。

ヘファスタスについて

ヘファスタスは、高温超伝導(HTS)磁石の製造と負三角度プラズマの活用で、核融合エネルギーの商用化に取り組んでいます。2019年にロンドンで設立され、現在はロンドン、ローマ、ニューヨークに拠点を構えるほか、ニュージャージー州に大規模な生産施設を置いています。

ウェブサイト

www.hephaestus.energy

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

Contacts

Back to Newsroom