STVグループとポスト・クオンタム、世界初の量子耐性ドローンの運用試験に成功
STVグループとポスト・クオンタム、世界初の量子耐性ドローンの運用試験に成功
NATO同盟国向けに量子耐性ドローン・プラットフォームを提供
技術的ブレークスルー:Classic McElieceアルゴリズムの空中展開に世界で初めて成功
実戦で実証済みのUAVシステムとClassic McElieceによるポスト量子暗号(PQC)を統合し、将来の量子脅威に対する無人運用の安全性を確保
英・ロンドン&チェコ・プラハ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 欧州の防衛技術インテグレーターであり、ウクライナおよび同盟国の戦域にプラットフォームを展開しているSTVグループと、英国のサイバーセキュリティ企業ポスト・クオンタムは、同盟国の各戦域での実運用に向けた、世界初の量子耐性ドローンの運用試験に成功したと発表しました。
同盟各国が自律システムやドローンを中心とした戦闘形態へと適応する中、ドローンとそのオペレーター間の安全な通信を将来にわたり確保することは極めて重要です。
現在調達されるドローン・スウォームは、数年後の作戦で保管・展開される可能性があります。このため、今日製造されるドローンには、従来型コンピュータおよび量子コンピュータの双方による攻撃に耐性を持つ暗号化の実装が求められます。
今回の協業では、STVの実戦で実証済みの無人システムおよび指揮統制(C2)インフラと、ポスト・クオンタムの特許取得済みポスト量子暗号およびセキュア無線技術を統合しています。両社は、チェコ共和国にあるSTVの兵器試験施設において、この新たなアプローチの試験に成功しました。STVは、追加の認証を必要とせずに自社のドローン・ソリューションを直接戦域へ展開できる数少ない企業の一つです。
本パートナーシップにより、業界初となる以下の2点が実現しました。
- 敵対的環境下での運用を想定した量子耐性ドローン・アーキテクチャ
- これまでDDIL(通信が拒否・妨害・断続・制限される環境)では実用が困難とされてきた、最も長く研究されてきたポスト量子公開鍵暗号アルゴリズム「Classic McEliece」の空中展開の実現
量子時代に向けたドローン運用の安全確保
無人システムは現在、情報・監視・偵察(ISR)、電子戦、精密攻撃、国境警備、重要インフラ監視など、現代の防衛作戦において中核的な役割を担っています。ドローンの運用はスウォーム化やマルチドメイン化が進んでおり、通信セキュリティへの要求は一層高まっています。
ウクライナや中東などの戦域では、無人プラットフォームは以下のような環境下での運用が求められます。
- ジャミング、GPS妨害、信号の傍受
- 通信品質が低下した状態での視界外(BLOS)任務
- 大規模なフリートの指揮統制
- 機密性の高いISRデータの継続的な伝送
同時に各国政府は、量子コンピューティングが実用化された段階での復号を目的に、敵対勢力がすでに暗号通信を収集している可能性を認識しています。ドローン・プラットフォームが数十年にわたり運用されることを踏まえ、将来の量子脅威からこれらのシステムを保護することは、喫緊の課題となっています。
運用実装に向けたClassic McEliece
本プラットフォームの中核には、ポスト・クオンタムのチームが共同開発したコードベースのポスト量子暗号方式「Classic McEliece」が採用されています。
Classic McElieceは、公開鍵暗号の分野で最も長期にわたり安全性が維持されてきたMcEliece暗号方式に基づいています。保守的な設計思想のもと、約50年にわたる暗号解析にもかかわらず安全性の劣化が確認されておらず、長期的な機密性が求められる用途において最も堅牢な選択肢の一つと広く評価されています。
今回のアーキテクチャでは、ミッション期間中にフルモーション映像、画像、飛行メタデータを暗号化する形でClassic McElieceを適用しています。これにより、「Harvest Now, Decrypt Later(今収集し後で復号)」攻撃に対しても、長期的にISRデータの機密性を確保します。
アルゴリズムの共同開発者であるポスト・クオンタムは、セキュア無線システムや電磁環境下での過酷な運用環境におけるClassic McElieceの最適化に関する専門知識を有しています。
また、2009年以降「暗号アジリティ」の推進を先導し、IETFのハイブリッド量子耐性VPNプロトコルの策定にも関与してきた同社は、最も制約の厳しい環境においてもCNSA 2.0準拠のPQC要件を最適化・提供できる独自の立場にあります。
経営陣コメント
STV Groupのパベル・クドルハルトCEOは次のように述べています。
「STVの無人プラットフォームは、世界でも最も通信が干渉・妨害される環境の一つであるウクライナで日々運用されています。この環境では、通信セキュリティはもはや後付けの要素ではありません。敵対勢力によるドローン・スウォームの傍受や乗っ取りのリスクは、決して容認できないものです。Classic McElieceを当社の運用スタックに統合することで、戦場の現実に即し、即時展開が可能な、将来にわたり有効な最高水準の暗号技術を顧客に提供します」
ポスト・クオンタムのリッキー・ハサンCEOは次のように述べています。
「Classic McElieceの鍵サイズは大きく、特にDDIL環境で運用される航空プラットフォームへの実装は困難と長らく考えられてきました。しかし私たちは、その前提が誤りであることを証明しました。小さな暗号文サイズと超高速な暗号化性能、さらに政府レベルの無線通信や電子戦における当社の経験を組み合わせることで、従来型および量子の双方の攻撃からドローンのISRを保護する理想的な選択肢となります。本パートナーシップは単なる暗号技術にとどまらず、量子耐性セキュリティを標準搭載した、主権を確保した無人運用システムの提供を意味します」
導入計画
両社は今後、欧州および同盟国の防衛プログラムにおいて、量子耐性UAVプラットフォームの段階的な統合を開始します。また、すでに現在の戦域で運用されているシステムを対象に、追加の現地検証も実施する予定です。
本アーキテクチャは航空システムにとどまらず、地上、海上、さらには水中の無人プラットフォームにも適用可能であり、同一の量子耐性通信レイヤーを拡張利用できるよう設計されています。
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