-

オークリッジ国立研究所、量子コンピューティング・ユーザープログラムに「IQM Resonance量子クラウドサービス」を追加

  • オークリッジ国立研究所(ORNL)の量子コンピューティング・ユーザー・プログラム(QCUP)によって、エンドユーザーはIQMのCrystal構造やStar構造が利用可能に。
  • 「IQM Crystal」は正方格子構造を持つ高精度な量子プロセッシング・ユニット(QPU)で、「IQM Star」は最先端の研究を推進する中央共振器を備えており、星形構造を基にしたQPUとなっている。
  • 今回の発表によって、米国や世界中のQCUPユーザーにIQM Resonance量子クラウドサービスを長期的に提供するための基盤が築かれる。

フィンランド、エスポー&テネシー州、ローン郡--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 超伝導量子コンピューターの設計、構築、販売における世界的大手であるIQMクアンタム・コンピューターズ(IQM)は、研究の促進に向け、同社の量子クラウドサービス「IQM Resonance」を米国エネルギー省最大の科学・エネルギー研究所であるオークリッジ国立研究所(ORNL)へ提供することを発表しました。

ORNLの量子コンピューティング・ユーザー・プログラム(QCUP)を通じて、学術機関、研究者、科学者、開発者などのエンドユーザーは、正方格子構造を持つ高精度な量子プロセッシング・ユニット「IQM Crystal」と、中央共振器を備えた独自の星形トポロジー「IQM Star」にアクセスし、計算研究への応用を探求することができます。

世界中の400人以上のユーザーにアクセスを提供するQCUPは、量子情報科学のエコシステムの成長を支援するとともに、利用可能な最良の量子コンピューティングシステムへの幅広いユーザーアクセスを実現することを目指しています。

今回の発表は、計算能力の可能性を広げ、科学研究をさらに前進させるという両組織の意欲を明確に示すものであり、QCUPエンドユーザーに対して量子クラウドサービスの長期的な提供が始まることを意味しています。

IQMの量子コンピューターは、接続性を非常に高いレベルで実現することで、さらに高い精度で量子アルゴリズムを実行できるという利点を示しています。さらに、IQM Star QPUの長距離高接続性アーキテクチャは、従来の実装と比較して、より効率的な量子誤り訂正コードを実現することが期待されています。

IQMの共同最高経営責任者(CEO)であるミッコ・ヴァリマキは、次のように述べました。「私たちは、ORNLが当社システムへ直接アクセスできるようにすることで、重要な課題に取り組むための高性能な超伝導量子コンピューターを提供するという、彼らの使命を支援しています。また今回の発表により、私たちは米国の量子エコシステム内での地位を確立し、世界規模で量子技術を推進することに対する当社の取り組みを示すことができるのです。」

ORNL量子科学センターのディレクターであるトラヴィス・ハンブル氏は、次のように述べました。「私たちの量子コンピューティング・ユーザー・プログラムは、量子研究の新たな分野を探求することに専念しています。研究者に最先端の技術へのアクセスを提供することで、彼らは複雑な科学的課題に取り組む新しいアプローチを開拓することができます。」

IQMクアンタム・コンピューターズについて

IQMは、超伝導量子コンピュータの設計、構築、販売における世界的大手企業です。同社は、オンプレミス型のフルスタック量子コンピュータだけでなく、世界中のどこからでもIQMのコンピュータにアクセスできるクラウド プラットフォームも提供しています。同社の顧客には、主要な高性能コンピューティング センター、研究所、大学、企業などが含まれおり、IQMのソフトウェアとハードウェアにフルアクセスすることができます。IQMは、280人以上の従業員を擁し、エスポー、マドリード、ミュンヘン、パリ、パロアルト、シンガポール、ワルシャワにオフィスを構えています。

ORNLのQCUPについて

オークリッジ・リーダーシップ・コンピューティング・ファシリティ(DOE科学局のユーザーファシリティ)における量子コンピューティング・ユーザープログラム(QCUP)は、科学計算アプリケーションにおける発見と革新を目的として、多様な商業量子コンピューティング・リソースへのアクセスを提供しています。オークリッジ国立研究所は、エネルギー省科学局に代わりUT-バテルによって運営されています。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

Contacts

Media :
Email: press@meetiqm.com
Mobile: +358504790845
www.meetiqm.com

More News From IQM

IQM、フィンランドの生産施設拡張に4,000万ユーロ超を投資 イノベーションの加速と成長を促進

フィンランド、エスポー--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 超伝導量子コンピューター分野のグローバルリーダーであるIQMクアンタム・コンピューターズは、フィンランドにある最先端の生産施設を拡張するため、4,000万ユーロを超える投資を行うと発表しました。 この戦略的拡張により、先進的な量子プロセッシングユニットの開発、製造、試験、ならびに量子コンピューターの組立が加速され、次世代計算を担うスケーラブルで誤り訂正可能な量子システムの実現に向けた道を切り拓きます。 本拡張は、同社が最近実施した3億ドル超のシリーズB資金調達と整合しています。施設は延床面積8,000平方メートルに拡張され、クリーンルームおよび量子データセンターの規模を拡大します。また、組立ラインの能力を2倍に高め、フルスタックの量子コンピューターを年間30台超生産できる体制を整えることで、同社システムへの高まる需要に対応し、研究・イノベーション・開発活動を支援します。 追加のクリーンルーム設備への投資により、IQMの開発ロードマップに基づき、2030年までに耐故障性量子コンピューティング(フォール...

IQM、エラー訂正向けの新量子コンピューター製品ライン「Halocene」を発表

フィンランド、エスポー--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 超伝導量子コンピューターの世界的リーダーであるIQMクアンタム・コンピューターズは、新製品ライン「IQM Halocene」を発表しました。この新製品ラインは、量子エラー訂正の研究向けに設計された、オープンかつモジュール式のオンプレミス量子コンピューターに基づくもので、次世代量子コンピューターへの大きな飛躍となるものです。 IQM Haloceneの最初のリリースは、高度なエラー訂正機能を備えた150量子ビットの量子コンピューターとなります。このシステムにより、ユーザーはエラー訂正能力やエラー訂正研究をさらに発展させ、論理量子ビットを用いた知的財産の創出が可能になります。さらに、Halocene製品ラインでは、Noisy Intermediate Scale(NISQ)アルゴリズムの実行およびエラー緩和技術の開発も可能になります。 「Haloceneは、パートナーや顧客とともに活発な量子エコシステムを構築していくなかで、当社のテクノロジースタックを共同開発してきた成果です」と、IQMクアンタム・コン...

IQM、スケーラブルな量子誤り訂正を実現すべくNVQLink技術でNVIDIAと提携

フィンランド、エスポー--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 超伝導量子コンピュータの世界的リーダーであるIQMクアンタム・コンピューターズは、量子コンピュータの応用を実現するうえで鍵となる誤り訂正を測定するために、NVIDIAのNVQLinkを自社の量子コンピュータに統合すると発表しました。 NVQLinkは、量子ハードウェアとAIスーパーコンピューティングを接続するNVIDIA CUDA-Qと統合された、オープンかつ相互運用可能なプラットフォームです。量子コンピュータと画像処理装置(GPU)アクセラレーテッドコンピューティング間に低遅延・高スループット接続を提供することで、量子コンピュータと高性能な古典コンピュータが共存するハイブリッド型の有用なアプリケーションの実行や量子誤り訂正に必要な計算タスクのリアルタイムによるオーケストレーションを可能にします。 今日の量子コンピュータはシミュレーション、最適化、機械学習におけるアルゴリズムを解き放つ規模に達しつつある一方、物理量子ビッレベルでの誤りが依然として量子コンピューティングの商業的優位性を妨げています。...
Back to Newsroom