-

横河電機 バイオ研究分野向けに、Single Cellome Unit「SU10」開発・発売

~スマートセルインダストリーの実現に貢献~

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- (ビジネスワイヤ) -- 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、バイオ研究分野向けに、ナノピペット※1による特定の細胞の目標箇所への遺伝子や薬剤等外来物質の直接注入や細胞内物質の吸引を行うSingle CellomeTM Unit(シングル・セローム・ユニット)「SU10」を開発、3月18日から日本で発売し、今後、米国やその他の地域で順次発売しますのでお知らせします。
当社は、ライフイノベーション事業を通して来たるスマートセルインダストリー(高度に機能がデザイン・制御された生物細胞を用いた産業)の実現に貢献します。

※1 ナノピペット:
 ピペットは一定容量の物質を吸注入するための管のこと。ナノピペットは、先端の口径サイズが1nmから1,000nm未満のものを指す。(1nmは、10億分の1m。)吸注入の容量がナノサイズのものを指す場合もある。当社は、2019年11月、米国のベンチャー企業バイオスティンガー社から同技術を取得。

開発の背景

農業、工業、医療・健康等の幅広い産業において、急速に発展するバイオテクノロジーを応用して形成されるバイオエコノミー市場の成長が見込まれています。スマートセルインダストリーは、高度に機能がデザイン・制御された細胞生物(スマートセル)を用いて、生物にしか製造できないバイオ医薬品等の高機能品や石油由来品から置き換わる製品等を生産する産業です。農業、工業、医療・健康に加え、エネルギー・環境分野の産業構造に大きな変革をもたらし、人類が直面する課題を解決することが期待されています。
2018年4月、当社は、すべての人の豊かな生活(Well-being)の実現に貢献することを目指し、ライフイノベーション事業本部を発足させました。医薬品・食品産業向けに展開しているライフサイエンスや生産ソリューションの既存事業に加え、計測・制御・情報のコア技術の活用とお客様との共創により、新しい製品・サービスを開発し、医薬品・食品の基礎研究から生産、物流・サービスまでのバリューチェーン全体での生産性革命を実現するワン・ストップ・ソリューションを提供します。
個々の細胞を個別に解析する1細胞解析は、がん研究、免疫学研究等の分野において、病因や病態等の事象を解明する新たな解析方法として注目されており、創薬研究や個別化医療、再生医療の分野への貢献が期待されています。今回当社は、スマートセルインダストリーの実現に向け、1細胞解析を行う研究者を支援するSingle Cellome Unit「SU10」を開発しました。

新製品の概要

1.ナノピペットで低侵襲を実現 
Single Cellome Unit「SU10」は、1細胞単位で特定の箇所に、遺伝子や薬剤等の直接注入や 細胞内物質の吸引を行うことができます。従来は、先端の外径がμm(マイクロメートル)※2レベルのピペットを用いて注入・吸引が行われていましたが、本製品は先端の外径が数百nm(ナノメートル)※2レベルとバイオ研究分野では最小クラスのナノピペットを採用しています。ナノピペットの先端サイズが細胞に比べて非常に小さいことから低侵襲性※3を実現し、生きた状態での1細胞解析を可能にします。

2.作業の自動化により操作効率の向上に貢献 
ベテランの研究員が手動で行っていた、細胞表面の検知や細胞への穿刺、注入・吸引、抜去等の一連の動作の自動化を業界で初めて※4実現しました。生きた状態の細胞に対して簡便に注入・吸引操作を行うことが可能です。

※2 μm(マイクロメートル)とnm(ナノメートル):
 1μmは、100万分の1m。1nmは、10億分の1m。
※3 低侵襲性:
 医学やバイオの分野で身体への負担や影響が少ない性質を指す。
※4 2020年3月現在 当社調べ

横河電機執行役員ライフイノベーション事業本部長の中尾 寛は、発売にあたり次のように述べています。「当社は2050年に向けたサステナビリティ目標「Three goals」を掲げ、その一つとしてWell-beingの実現に取り組んでいます。ライフイノベーション事業はその中核となるビジネスです。このたび発売するSingle Cellome Unit「SU10」は、バイオや医薬品の最先端の研究・開発分野のお客様に新しい価値をご提供できるものと考えています。今後は、開発中のマイクロピペットを採用した1細胞解析装置などラインアップを拡充するとともに、これらの装置を活用したサブスクリプション型のソリューションサービスの提供も視野に入れ、ライフイノベーション事業の拡大を図ります」。

【 主な対象ユーザ 】

  • ライフサイエンス分野の大学・研究機関
  • 製薬・食品

【 主な用途 】

  • 研究分野における細胞解析

【製品に関する詳細情報】
 Single Cellome Unit「SU10」
 https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-platforms/life-science/single-cellome/su10

本文中で使用されている会社名、団体名、商品名、サービス名およびロゴ等は、横河電機株式会社、各社および各団体の登録商標または商標です。

Contacts

●本プレスリリースに関するお問い合わせ先:
横河電機株式会社
コミュニケーション統括センター 広報室
Yokogawa-pr@cs.jp.yokogawa.com

Yokogawa Electric Corporation

TOKYO:6841


Contacts

●本プレスリリースに関するお問い合わせ先:
横河電機株式会社
コミュニケーション統括センター 広報室
Yokogawa-pr@cs.jp.yokogawa.com

More News From Yokogawa Electric Corporation

横河電機 サウジアラビアの首都緑化プロジェクト「グリーン・リヤド」に首都インフラを統合管理するシステムを提供

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 取締役 代表執行役社長:重野 邦正)は、子会社のヨコガワ・サウジアラビアが、グリーン・リヤド※のメイン指揮制御センターと関連するシステムとソリューション、サービスをリヤド市王立委員会から受注したことをお知らせします。グリーン・リヤドは、サウジアラビア政府が推進する国家プロジェクトであり、国家改革計画「Vision 2030」の重要な柱の一つです。都市緑化を通じて、首都リヤドを世界有数の住みやすい都市へと変革し、住民がより健康的で持続可能な生活を送れるようにすることを目的としています。 グリーン・リヤドでは、2030年までに、750万本の木を公園、公共施設、医療センター、道路に植え、住民一人当たりの緑地を1.7平方メートルから28平方メートルに増やす予定です。木は処理済みの廃水を活用した水供給システムで育てられる予定です。緑化により、大気の質を改善し、都市の気温を下げ、電力消費を削減するとともに、住民のより健康的で活気のあるライフスタイルを促進することで、環境、経済、社会の持続可...

横河電機:サウジアラムコと横河電機が大規模ガス製造プラントに相互に連携する複数の自律制御AIを導入

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 取締役代表執行役社長:重野 邦正)は、世界有数の総合エネルギー・化学会社であるサウジアラムコのファディリ・ガスプラント(Fadhili Gas Plant)に、産業用のAIソリューションとして相互に連携する複数の自律制御AI※1を導入するという歴史的なマイルストーンを達成し、業務効率を向上したことをお知らせします。 横河電機が開発したAIソリューションは、AIエージェント※2として複数の自律制御AI(強化学習AI アルゴリズム FKDPP:Factorial Kernel Dynamic Policy Programming)が相互に連携し、ファディリ・ガスプラントの酸性ガス除去(AGR:Acid Gas Removal)ユニットの運転を直接、最適に制御します。 このソリューションは、酸性ガス除去ユニットのコアプロセスの自律化が達成されるまでに、セクションを3つに分けて段階的に導入、最適化しました。横河電機は、安全性を確保するために、まず自律制御AIが学習するためのプラントのシ...

横河電機:トヨタ自動車と有人与圧ローバー向け制御プラットフォームなどの研究開発契約を締結

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表執行役社長:重野 邦正)は、トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市 社長:佐藤 恒治 以下トヨタ自動車)と、同社がJAXAと研究開発を進める有人与圧ローバー(トヨタ自動車の愛称「ルナクルーザー」)向けの計測・制御機器の試作を含む研究開発に関する契約を締結しましたので、お知らせします。 近年、月面活動は宇宙機関による探査に加え、民間企業も月面着陸に挑むなど、活発な動きを見せています。有人与圧ローバーは日本初となる独立型の有人宇宙システムとなり、月面において有人の月面探査範囲を飛躍的に拡大し、無人の時でも遠隔操作による継続的な探査を可能とすることから、月面での活動を持続するうえで中核的な役割を果たすことが期待されています。 当社はさまざまな産業のお客様に高信頼の制御システムおよび計測機器を長年提供してきました。その実績と、宇宙産業開発に対する積極的な取り組みがトヨタ自動車に評価され、同社における有人与圧ローバーの開発プロジェクトに参画することになりました。 今回の契約では、ト...
Back to Newsroom