Yubico、「YubiKey 5.8」を提供開始 パスキーを認証から検証可能な「認可」へ拡張
Yubico、「YubiKey 5.8」を提供開始 パスキーを認証から検証可能な「認可」へ拡張
YubiKey 5.8、ハードウェアによる確かな信頼性を、認証からデジタル署名・ウォレット・決済・AIエージェント承認の各ワークフローへと拡張
カリフォルニア州サンタクララ/スウェーデン・ストックホルムおよびシンガポール発--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- フィッシング耐性認証のパイオニアであり、オリジナルパスキー「YubiKey」の開発企業であるYubico ( Nasdaq Stockholm:YUBICO))は、YubiKey 5.8の一般提供(GA)を開始したと発表しました。今回の提供開始により、パスキーの役割は安全な認証にとどまらず、検証可能でハードウェアによる確かな「認可(オーソライゼーション)」にまで広がります。新しいファームウェアは、IDウォレット、文書への署名、AIによる承認といった企業の各種ワークフローを安全に実行するための基盤を提供するとともに、開発者がこうした次世代のセキュリティ機能をいち早くテスト・設計・導入するために不可欠な機能を提供します。
生成AIやエージェント型AIが成熟し、高速かつ自動化されたサイバー攻撃を後押しするなか、従来の多要素認証(MFA)はその変化に追随できなくなっています。セキュリティ責任者は今、世界規模で新たな課題に直面しています。すなわち、誰がシステムにログインするのかだけでなく、ユーザーや自律的なAIエージェントがどのような操作を実行できるのかまでを守らなければならない、という課題です。YubiKeyは長年にわたり業界をリードするフィッシング防御を提供してきましたが、YubiKey 5.8は、複雑で複数の環境が混在する企業のニーズに応えます。信頼されたログインの枠を越えて、AI時代における検証可能なデジタル操作のための、安全でハードウェアに裏打ちされた基盤を提供します。
Yubicoで最高製品・技術責任者(CPTO)を務めるAlbert Biketi氏は、次のように述べています。
「YubiKey 5.8は、フィッシング耐性をワークフローそのものにまで広げるものであり、現代の認証エコシステムにおける最も重要なアーキテクチャ更新の一つです。AIエージェントが重大な結果を伴う業務ワークフローを実行する時代には、企業は人間の意図を動的に検証できるようにしなければなりません。YubiKey 5.8はそのギャップを埋め、ハードウェアに裏打ちされたフィッシング耐性を、デジタル署名、企業のクレデンシャル管理、そして人間が関与して検証するワークフローに直接もたらします。しかも、コストのかかる独自の暗号方式を新たに展開する必要はありません」
オープンスタンダードによって、ハードウェアベースのパスキーの使いやすさと拡張性を向上
新しいファームウェアはCTAP 2.3標準へのサポートを導入するとともに、新たに登場したWebAuthn署名拡張(WebAuthn signing extension)のプレビューサポートを提供します。これにより開発者は、使い慣れた標準規格やAPIを用いて、高価なバックエンドの鍵管理システムや独自の暗号インフラに頼ることなく、安全かつプライバシーを保護するワークフローを構築できます。信頼できるデジタルワークフローを構築するためのハードルが大きく下がり、開発者はWebアプリケーション、デジタルウォレット、AIを活用したワークフロー承認システムに、高い信頼性を備えた署名をより迅速かつシンプルに組み込めるようになります。
YubiKey 5.8は、現代の企業のアイデンティティ制御基盤(control plane)を横断して開発を行う開発者のために設計された、大幅な技術面の強化を提供します。
- 最先端のユースケースへの対応: 標準化されたAPIを通じてハードウェアに裏打ちされたデジタル署名を実現し、文書への署名、IDウォレット、ワークフロー承認をはじめとする、高い信頼性が求められる取引への道を開きます。
- 優れたユーザー体験と企業規模での拡張性: Enterprise Attestation(エンタープライズアテステーション)のサポートを、1つのキーで最大16個のRelying Party(RP)IDまで拡大しました。これにより、1本のYubiKeyを、複数のIDプロバイダーにまたがる開発・テスト・ステージング・本番の各信頼環境において、個々のデバイス単位までそれぞれ判別できます。しかも、ユーザーのプライバシーを損なうことはありません。
- 開発者による統合の簡素化: CTAP 2.3のサポートと、新たに登場したWebAuthn署名拡張などのプレビューサポートを導入し、使い慣れた標準規格を用いて安全なデジタル署名をより容易に組み込めるようにします。
- 新たな取り組みの保護: デジタルIDウォレットや、プライバシー保護アルゴリズムを備えた検証可能なクレデンシャル(Verifiable Credentials)へのサポートを拡大しました。あわせて、Web上でハードウェアに裏打ちされた決済のユースケースを開発する事業者向けに、Secure Payment Confirmation(SPC)へのサポートを追加しました。
- 合理化されたユーザー体験: 永続的なPIN/UV認証トークン(Persistent PIN/UV auth tokens)により、アプリはクレデンシャルをスムーズに検出・選択できるようになります。自動入力(オートフィル)機能が拡充され、ユーザーがPINの入力を求められる頻度も減ります。
- 運用のシンプルさとコスト削減: ソフトウェアパスキーと並べて、自動入力に近いクレデンシャル検出を直接提供します。これによりユーザーの混乱が減り、フィッシング耐性を備えたパスキーの導入が加速し、社内ヘルプデスクでの登録にかかるコストを最小化します。
SIROS Foundationでエグゼクティブディレクターを務めるLeif Johansson氏は、次のように述べています。
「YubiKey 5.8の新しい署名機能は、デジタルIDとクレデンシャルにとって大きな転換点となります。この10年間で、FIDO認証はフィッシング耐性認証の業界標準、いわばゴールドスタンダードとしての地位を確立してきました。ここに署名機能が加わることで、特定のプラットフォームへの囲い込みを生むことなく、まったく新しい幅広いアプリケーションが実現可能になります。SIROSでは、この新しい署名機能を、フィッシングに強く安全なデジタルID認証情報のためのシームレスなフレームワークへと統合する取り組みを進めています」
YubiKey 5.8は2026年7月21日より、主要なYubiKey製品ラインアップ全体で出荷を開始します。ハードウェアに裏打ちされた署名、デジタルウォレット機能、AIを活用したワークフローに重点を置き、次世代のユースケースに積極的に取り組む組織にとって、YubiKey 5.8はこうしたシナリオでの強固なセキュリティの実現を加速します。YubiKey 5.8はYubiKey 5.7.4のすべての機能をサポートし、企業向けユースケースでのパスキー活用をさらに広げます。
現時点では、YubiKey FIPSシリーズは、規制への適合を維持するため、新たに認証を取得したFIPS 140-3対応ファームウェア5.7.4を継続して使用します。YubiKey CCNシリーズも、最終的な再認証の手続き中であるため、引き続き5.7.4を使用します。
YubiKey 5.8の詳細については、Yubicoのブログ記事をご覧ください。
Yubicoについて
Yubicoの詳細については、yubico.comをご覧ください。
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