-

村田製作所:業界トップクラス、長期使用時のセンサ出力変動値を0.5mg以下に抑えた産業機器向けデジタル3軸MEMS加速度センサSCA3400シリーズを開発

  • 業界トップクラスであるオフセットライフタイムドリフトが0.5mg以下。
  • 低ノイズで微細な動きも正確に検知。
  • 振動や温度変化に強く、過酷な環境でも安定して動作可能。
  • センサ状態を常時監視する自己診断機能搭載。
  • 当社従来品と同じサイズ・出力方式であるため、お客様での追加設計工数を削減可能。

京都--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 株式会社村田製作所‐(東京:6981)(以下、「当社」)は、長期使用時のセンサ出力変動値(オフセットライフタイムドリフト※1)が0.5mg(ミリ重力加速度)以下と業界トップクラス※2の性能を持つ産業機器向けデジタル3軸MEMS※3加速度センサ「SCA3400シリーズ(以下、当製品)」を開発しました。当製品は高い耐久性を備えており、橋梁や建物といった構造物の劣化をセンシングする構造物ヘルスモニタリングなどの用途において装置の信頼性向上に貢献します。量産開始は2025年10月を予定しています。

※1 オフセットライフタイムドリフト:センサの使用期間にともなって出力値にずれ(ドリフト)が生じること。値が高いとずれが大きいことを表す。
※2 当社調べ。2025年6月23日時点。
※3 MEMS(Micro Electro Mechanical Systems): 微小電子機械システム。シリコンウェハーなどを微細加工することで、センサ構造や電子回路などを作製する技術。

産業機器のデジタル化により、自動で構造物や機械設備などの異常や損傷を早期に検知し、予知保全を行うニーズが高まっています。これらを自動化する方法の一つとして、センサによる動作検知が挙げられます。特に、橋梁や建物などの劣化をセンシングする構造物ヘルスモニタリングでは、長期間の監視が不可欠となっています。そのため、構造物の形状の微細なひずみや変化を正確に捉える加速度センサの性能が、構造物ヘルスモニタリングのシステム全体の信頼性に大きく影響します。しかし、従来の微小な傾斜を検知する高精度な加速度センサは、オフセットライフタイムドリフトの値が高く、使用期間が長くなると基準位置のずれが大きくなってしまい、構造物の劣化を正確にセンシングできない課題がありました。

そこで当社は、独自のMEMSプロセスと最新の回路設計により、微小な傾斜検知が可能かつオフセットライフタイムドリフトの値が0.5mg以下の当製品を開発しました。これにより、構造物ヘルスモニタリングなどで使用されるシステムの長期的な高精度測定に貢献します。当製品は、振動や温度変化に強いため、過酷な環境で使用される産業機器においても、長期間使用できます。

当社は今後も高精度な加速度センサの開発に取り組み、多様な市場ニーズに貢献していきます。

主な特長

  • 業界トップクラスであるオフセットライフタイムドリフトが0.5mg以下。
  • 低ノイズで微細な動きも正確に検知。
  • 振動や温度変化に強く、過酷な環境でも安定して動作可能。
  • センサ状態を常時監視する自己診断機能搭載。
  • 当社従来品と同じサイズ・出力方式であるため、お客様での追加設計工数を削減可能。

主な仕様

サイズ (l × w × h)

8.6 x 7.6 x 3.3 mm

動作保証温度範囲

-40℃ ~ +85°C

加速度測定範囲

±1.2g, ±2.4g (選択可能)

感度

15,000 LSB/g

ノイズ密度

20 µg/√Hz

オフセットライフタイムドリフト (Typ)

≤ 0.5mg (X,Y), ≤ 2mg (Z)

感度ライフタイムドリフト (Typ)

±0.02 % (X,Y), ±0.2% (Z)

製品サイト

当製品の詳細はこちらをご覧ください。

お問い合わせ

当製品に関するお問い合わせはこちら

村田製作所について

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。

Contacts

株式会社村田製作所
広報部 坪井 啓祐
prsec_mmc@murata.com

Murata Manufacturing Co., Ltd.

TOKYO:6981


Contacts

株式会社村田製作所
広報部 坪井 啓祐
prsec_mmc@murata.com

Social Media Profiles
More News From Murata Manufacturing Co., Ltd.

村田製作所:世界初、3225Mサイズで定格電圧1.25kV、C0G特性を備えた静電容量15nFの積層セラミックコンデンサを商品化

京都--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 株式会社村田製作所(東京:6981)(以下、「当社」)は、世界で初めて※13225Mサイズ(3.2mm×2.5mm)で定格電圧1.25kV、C0G特性を備えた静電容量15nFの積層セラミックコンデンサ(以下、「当製品」)を開発し、量産を開始しました。車載オンボードチャージャー※2や高性能民生機器の電源回路において、高効率な電力変換と高電圧でも安定した動作に貢献します。 ※1 当社調べ。2025年12月1日時点 ※2 車載オンボードチャージャー:電気自動車(EV)を外部電源から充電する車載機器 電気自動車に搭載される車載オンボードチャージャーや民生機器の電源回路では、一般的に高効率な電力変換を行う共振回路や、電流・電圧のピークを抑えるスナバ回路が利用されます。どちらの回路でも高電圧・大電流が繰り返されるため、わずかな部品性能の変化が効率低下や発熱を引き起こし、動作不良や故障につながる可能性があります。そのため、部品性能が温度変化によらず安定し、電力損失が少なく、かつ高電圧に対応できるコンデンサが求められています。 また...

村田製作所:エッジAIカメラを活用した、工場の作業を可視化するモニタリングシステムをRUTILEA社と共同開発

京都--(BUSINESS WIRE)--村田製作所はエッジAIカメラを活用した、工場の作業を可視化するモニタリングシステムをRUTILEA社と共同開発しました。...

ケイデンス社の電子設計シミュレーションツールに村田製作所の製品データを標準搭載

京都--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 株式会社村田製作所(東京:6981)(以下、「当社」)は、Cadence Design Systems, Inc.(本社:アメリカ合衆国・カリフォルニア州、以下、「ケイデンス社」)が提供するEDAツール※1「OrCAD X CaptureTM」および「AWR Design EnvironmentTM」に一部製品データを標準搭載しました。 これにより、EDAツール上で当社製品を選択してシミュレーションを行うことが可能になるため、ユーザーの多様な設計ニーズや仕様に対応できる選択肢が従来以上に広がり、回路設計の高度化に貢献します。 ※1 EDAツール…電子設計自動化(Electronic Design Automation)ツールのこと。電子回路設計をコンピュータ上で行う際に、設計した回路の評価・検証を行うシミュレーションツールの総称。 近年、AIやIoTの発展による電子機器の多機能化や高性能化にともない、基板に搭載される回路がますます複雑になっています。設計ミスの削減や開発期間の短縮、試作コストの低減を目的として、電子回...
Back to Newsroom