-

キオクシア:高密度・低消費電力3D DRAMの実用化に向けた基盤技術を発表

高積層可能な酸化物半導体チャネルトランジスタ技術を開発

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- キオクシア株式会社は、高密度・低消費電力3D DRAMの実用化に向けた基盤技術として高積層可能な酸化物半導体チャネルトランジスタ技術を開発しました。本成果は、米国サンフランシスコで開催されたIEEEの電子素子に関する国際会議IEDM(International Electron Devices Meeting)にて、12月10日(現地時間)に発表しました。本技術を用いることで、AIサーバーやIoT製品など幅広いアプリケーションにおいて低消費電力化を実現する可能性があります。

AI時代を迎え、大容量のデータを処理するために、より大容量かつ低消費電力のDRAMの実現が期待されています。従来のDRAMではメモリセルの微細化が物理限界に近づいており、さらなる大容量化に向けてメモリセルを3次元に積層する研究が進んでいます。メモリセルを積層する際に、従来のDRAMと同様の単結晶シリコンをトランジスタのチャネル材料に使用すると、製造コストが高くなり、かつ、メモリ容量に比例して、メモリセルをリフレッシュするための電力も増加する課題があります。

当社は、昨年のIEDMで酸化物半導体の縦型トランジスタを用いたOCTRAM(Oxide-Semiconductor Channel Transistor DRAM)技術を発表しました。今回の発表では、OCTRAMの3次元化に向けて、高積層可能な酸化物半導体チャネルトランジスタ技術を開発し、トランジスタを8層積層し動作することを確認しました。

今回、開発した技術は、一般的なシリコン酸化膜とシリコン窒化膜を積層膜として用い、シリコン窒化膜領域を酸化物半導体(InGaZnO)にリプレースすることで、縦方向に一括で横型トランジスタを形成するプロセスを採用するとともに、縦方向のピッチのスケーリングを可能とする3次元メモリセル構造も導入しました。これらの製造プロセスと構造により、メモリセルの積層化におけるコストの課題を克服することが期待されます。さらに、酸化物半導体の低いオフ電流という特徴により、リフレッシュ電力を抑制することが期待できます。今回、当社はリプレースで形成した酸化物半導体の横型トランジスタの高いオン電流(>30μA)と極低オフ電流(<1aA, 10-18A)を実証するとともに、横型トランジスタを8層一括で形成し、動作に成功しました。

 当社は今後も、本技術を用いた3D DRAMの実用化に向けて研究開発を進めていきます。

  • このお知らせは、情報提供のみを目的としたものであり、国内外を問わず、当社の発行する株式その他の有価証券への勧誘を構成するものではありません。
  • 本資料に掲載されている情報(製品の仕様、サービスの内容およびお問い合わせ先など)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

 

Contacts

本資料に関するお問い合わせ先:
キオクシア株式会社
コーポレートコミュニケーション部
山路 航太
Tel: 03-6478-2319
kioxia-hd-pr@kioxia.com

Kioxia Corporation


Release Versions

Contacts

本資料に関するお問い合わせ先:
キオクシア株式会社
コーポレートコミュニケーション部
山路 航太
Tel: 03-6478-2319
kioxia-hd-pr@kioxia.com

More News From Kioxia Corporation

キオクシア:PCIe® 5.0 SSD製品ラインアップを拡充する新製品の発売について

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- キオクシア株式会社は「キオクシア(KIOXIA)」ブランドのパーソナル向けSSDの新製品として、「EXCERIA PRO G2 SSDシリーズ」および「EXCERIA G3 SSDシリーズ」を2026年1月下旬より順次販売[注1]を開始します。これにより当社のPCIe 5.0のラインアップを拡充させ、あらゆるユースケースに次世代テクノロジーを提供します。 EXCERIA PRO G2 SSDシリーズは、生成AIの活用、ゲーミングやクリエイティブ制作に求められる高負荷のワークロードを可能にする高性能なシステム構成に向けて設計されており、キオクシアのパーソナル向けSSDラインアップの中で最速のモデルです。最大4TB[注2] [注3]の容量を備え、シーケンシャルリードで最大14,900MB/s、シーケンシャルライトで最大13,700MB/s[注4]を実現しています。これにより、パフォーマンスを重視するPC環境に適しています。さらに、ヒートスプレッダー入りラベルを採用したことで冷却性能の向上も図っています。 EXCERIA...

キオクシア: Googleとのクリーン電力の利用促進に向けた取り組みについて

四日市--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- キオクシア株式会社は、Google LLC(以下、Google)との、中部地方の水力発電所で発電されたクリーン電力の利用を促進する取り組みについて発表しました。この取り組みは、中部電力グループが所有する既存の発電所を活用しており、クリーン電力の発電量を増加させるとともに、脱炭素社会の実現に貢献し、当社及びGoogleの温室効果ガス排出量のネットゼロ化への取り組みに貢献することが見込まれています。 当社は、この取り組みの対象となる水力発電所(以下、本発電所)によって発電されるクリーン電力の購入を開始しています。その電力量は、年間160ギガワット時(GWh)程度を見込んでおり、これは日本の一般家庭約4万軒分に相当します。当社は、2040年度までに再生可能エネルギーの使用比率を100%にし、2050年度までに事業活動による温室効果ガスネットゼロを目標に掲げており、このクリーン電力の利用は、当社の目標達成に貢献する見込みです。また、24時間体制で稼働している本発電所から、当社がクリーン電力を購入し利用することは、Googl...

キオクシア:物流システムの効率化やコスト削減に貢献するAIソリューションを開発

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- キオクシア株式会社は、株式会社椿本チエインおよびEAGLYS株式会社と共同で、物流工程における商品を自動判別する画像認識システム(以下、システム)」を開発しました。このシステムに、キオクシア独自のAI回答精度向上技術「KIOXIA AiSAQ™(キオクシア アイザック)」注1を初めて提供し、これまで課題となっていた新商品追加時のAI再学習に掛かる作業を不要とし、多品種かつ大量の商品を効率的に仕分けできる仕組みを実現しました。 12月3日から6日まで東京ビッグサイトで開催される「2025国際ロボット展」の椿本チエインブース(E6-23)で共同開発技術の成果である物品判別機のデモ展示を行います。このシステムは、椿本チエインのハードウェア設計開発、EAGLYSのソフトウェアAIアルゴリズム、キオクシアの大容量ストレージを使ったAI技術とソフトウェアによって構築され、商品の種類が増加し多様化する中で求められる拡張性のあるAI導入を実現します。 eコマース拡大に伴い、流通する商品の種類や量は増加しています。また、労働力不足の影...
Back to Newsroom