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IEEE、年齢適正デザイン規制をアジアで初めて導入するインドネシアに戦略的な専門知識を提供

IEEEがインターネットを使用する子どもを保護するための画期的な法的規制の制定を促進

米ニュージャージー州ピスカタウェイ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- IEEEスタンダード・アソシエーション(IEEE SA)は、世界最大の技術専門組織として人類のために技術を発展させることに尽力するIEEEのグローバルな合意形成型の標準化機関です。IEEE SAは、インドネシア政府がこのほど制定した児童保護における電子システムのガバナンス(Governance of Electronic Systems in Child Protection)に関する政府規則の政策立案者との協業の成果を発表しました。

IEEEの子ども向けデータガバナンスと年齢適正デザインに関するイニシアチブと標準に根差したインサイトと専門知識を通じて、IEEE SAはインドネシアの規制プロセスにおいて、インターネットプラットフォームおよびシステムの年齢適正デザインに関するフレームワークを提案しました。この規制はアジアおよびグローバルサウスにおいて初となる事例であり、デジタルプラットフォームが子どものプライバシー、安全、幸福を守るための法的強制力のある要件を確立し、子どもをオンライン依存症から守るための強固で包括的なアプローチを採用しています。インドネシアがこの画期的な規制を導入したことは、インターネットを使用する子どもを保護する世界的な取り組みにおいて、重要な一歩を意味します。

現在、世界中のインターネットユーザーの約3分の1を子どもが占めています。優れたコネクティビティは教育コンテンツ、コミュニケーションツール、エンターテインメントを活用する機会を若者に提供してきましたが、同時に有害なコンテンツ、搾取、データプライバシーのリスク、そして潜在的な依存症のリスクにもさらされることになりました。近年、政府や市民団体はこれらのリスクに対応するため、年齢適正デザイン(子ども向けに特定の保護措置や機能が施されたデジタル製品のデザイン)を呼びかけてきました。この重要な課題に対応するため、インドネシアの新たな規制はオンラインサービス提供者に対し、プラットフォームの設計と運用において子どもの利益を最優先するよう義務付けています。

この規制は、国連の子どもの権利条約およびその一般的 意見 第25号に基づき、子どもがアクセスする可能性のあるデジタル製品またはサービスが、デフォルトで高いレベルのプライバシーを保護することを義務付けています。特に、子どものプロフィールや正確な位置情報の取得が禁止され、プライバシー設定を弱めるよう促したり、個人データを必要以上に求めるなど、誘導的なデザイン実践が禁止されています。

「今回の取り組みは、IEEEが社会的ニーズや子どものニーズに応えるために、その使命を具体的な形で実践していることを示す一例といえます。インドネシア当局の成功に向けた取り組みにIEEEのグローバルな視点と技術的知識が加わり、今回実現するに至りました」と、IEEEのエグゼクティブディレクター兼最高執行責任者であるソフィア・ミュアヘッドは述べています。「私たちはともに協力し、インドネシアの次世代を担う子供たちのために、より安全なデジタル空間を実現する実践的かつ先見性のある法的枠組みと規制を確立しました。世界中で同様の取り組みを促すきっかけになることを願っています。」

インドネシアの新たな規制は、英国やカリフォルニアの年齢適正デザインコードなど、世界で最も先進的な法的枠組みや規制と密接に関係しています。また、IEEE2089™(子どものための5Rights原則に基づく年齢にふさわしいデジタルサービス枠組みに関するIEEE標準)およびIEEE2089.1™(オンラインでの年齢確認に関するIEEE標準)など、国際的に認められた基準を参考に規制を策定しています。これらの標準における主要な条項を本規制に組み込むことで、子どものデータと体験の保護に関する世界的に検証されたガイドラインに沿ってオンラインサービスが提供されるようにします。IEEE SAはこのほど、業界が年齢確認のベストプラクティスに準拠するための関連認証プログラムを立ち上げています。

「当社の中立的かつ世界最高水準の技術的専門知識によってインドネシアの政策策定を後押しすることで、子どもたちにとってインターネットの世界を安全なものにするという、複雑な社会技術的課題を、イノベーションと保護のバランスを保ちながら対処するサポートをしました」と、IEEE SAのマネージングディレクターであるアルペシュ・シャーは述べています。「今回の取り組みは技術、政府、市民社会の分野に跨るこれまでにない協力によって達成されたものであり、子供たちのために力を合わせれば成し遂げることができることを示しています。」

インドネシアにおける取り組みは、協働的な政策策定のモデルケースとなっています。この取り組みをはじめとする様々な成功をきっかけとして、IEEE SAはこのほど、Technology Policy Collaborativeを立ち上げました。これはIEEEの中立的で信頼できる専門知識をさらに活用し、デジタルガバナンスなどの戦略的分野において、政府が直面する複雑な技術的・社会的課題の解決を支援することを目的としています。このような取り組みを通じて、IEEE SAは、人類の利益のために技術を進歩させる価値あるパートナーになるというコミットメントを強化しています。

IEEEスタンダード・アソシエーションについて

IEEEスタンダード・アソシエーション(IEEE SA) は、イノベーターが世界の技術標準を高めるための連携組織です。IEEE SAは、世界的に開かれた合意形成の環境とプラットフォームを提供し、より良く安全で持続可能な世界を形作るうえで、市場に関連した最先端の技術標準や産業ソリューションを人々が協力して開発するためのサポートをしています。詳細はstandards.ieee.orgをご覧ください。

IEEEについて

IEEEは、世界最大の技術専門組織、そしてパブリック・チャリティとして、人類の利益のために技術を発展させることに尽力しています。IEEEは、引用頻度の高い出版物の発行、会議、技術標準、専門的・教育的活動を通じて、航空宇宙システム、コンピューター、通信から生物医学エンジニアリング、電力、家庭用エレクトロニクスまで、幅広い分野で信頼される声となっています。詳しくはwww.ieee.orgをご覧ください。

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