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プロジェクト・ファイナンスの利用が今後2年間で急増へ

  • 業界専門家の86%が、プロジェクト・ファイナンス取引が世界的に増加すると予測
  • CSCが委託した新たな世界的調査で、北米で最大の活発化が見込まれていることが明らかに
  • 最も盛んな業界は再生可能エネルギープロジェクトで、インフラ、石油・ガス、不動産開発が続く
  • 再生可能エネルギープロジェクトにおいては、太陽光発電で取引の最大増加が見込まれ、風力、燃料電池、グリーン水素が続く形に

デラウェア州、ウィルミントン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 大規模インフラ・プロジェクトの資金調達手法として、プロジェクト・ファイナンスの利用が今後2年間で増加するということが、圧倒的多数の業界専門家(86%)によって確信されています。この見解は、世界有数のグローバル経営管理およびコンプライアンス・ソリューション・プロバイダーであるCSCが委託した、新たな世界的大規模調査1によるものです。

北米は、インフレ抑制法(IRA)などの追い風を受けて、今後2年間でプロジェクト・ファイナンス活動が最も増加すると見込まれています(回答者の3分の1以上(39%)が選択)。

業界別では、風力や太陽光などの再生可能エネルギープロジェクトが最も活発であり、回答者の半数以上(55%)がこれらを主要な焦点分野として認識しています。次に活発なのは道路、橋、空港などのインフラ分野(29%)で、再生可能エネルギーの中では、今後24か月間で太陽光発電の取引が最も増加すると予想されています。

CSCの「プロジェクト・ファイナンス・レポート2024」は、世界の各地域や業界におけるプロジェクト・ファイナンス取引活動の見通しに焦点を当てています。調査結果は、北米、欧州、英国、中南米、アジア太平洋地域(APAC)でプロジェクト・ファイナンスに携わる、銀行・金融、開発・建設、電力・エネルギー等の業界専門家の意見に基づいています。

CSCは、これらの調査結果に合致する形で、プロジェクト・ファイナンス関連の取引フローが最近増加していることを経験的に観察しています。

CSCのマネージングディレクター、ブライアン・ガーテンバーグは、次のように述べています。「パンデミックによる障害が後退し、支援的な規制変更や法律が定着する中で、さまざまな市場でプロジェクト・ファイナンス取引が再び勢いを増しています。再生可能エネルギーインフラへの投資に対する緊急性が高まっており、世界的な人口統計の変化や繁栄の向上がプロジェクト・ファイナンスの需要を一斉に押し上げ、市場参加者にとって新たな機会と課題が生まれています。」

地域別に見た成長

すべての調査対象地域で取引の増加が予想される中、北米が最も活発になると予測されています。部分的にはIRAによるものですが、輸出信用機関(ECA)もプロジェクト・ファイナンス構造の後援を促進し、機関投資家を引き付ける上で重要な役割を果たしていると考えられています。

北米に続いて、中南米や欧州においても大きな増加が見込まれており、欧州では欧州長期投資ファンド(ELTIF 2.0)という支援的な規制が進んでいます。また、英国も同様で、調査対象者の29%がこれらの地域で活動の増加を予想しています。

報告書の調査結果と同様に、CSCは中南米市場において成長の条件が整っていることを認識しています。

「中南米はインフラやエネルギー分野への投資においては世界的にわずかな遅れをとっていますが、この分野への投資は多くの地域の行政にとって重要な目標であり、経済とGDPの成長を促進するでしょう」と、CSCの中南米担当マネージングディレクター、マイケル・モーコムは述べています。「ブラジルなどの国々では、外国投資をさらに引き込むことを目指しており、インフラ債券に関する新しい規制が導入され、電力購入契約(PPA)を米ドル建てにすることが認められるようになりました。また、数年間の投資不足を経て、コロンビア、アルゼンチン、ペルーなど他の市場でも動きが見られています。」

一方、アジア太平洋地域(APAC)は、調査対象者の4分の1以上(26%)から言及されています。

CSCのAPAC担当マネージングディレクター、コン・クレアントスは、次のように述べました。「APAC地域ではプロジェクト・ファイナンスがますます活発化しており、特にオーストラリアではネットゼロへの強い取り組みが見られ、日本では大手銀行を通じてAPAC地域のプロジェクトに資本を輸出しています。」

業界別に見た成長

回答者が現在焦点をおいている上位4つの業界は、再生可能エネルギープロジェクト(55%)、インフラ(29%)、石油・ガス(25%)、不動産開発(24%)です。

再生可能エネルギープロジェクト分野では、回答者は今後2年間で太陽光発電における取引の増加が最多であると考えており、風力(24%)、燃料電池(14%)、グリーン水素(12%)が続くと予測しています。

「風力と太陽光は、銀行融資の実績があるために最前線に立っていますが、資金調達の観点から新興技術での成功が証明されるにつれて、水素などの新しい資産クラスでもさらなる成長が期待できるでしょう。これに伴い今度は、このような状況に対応するために、ますます複雑なプロジェクト・ファイナンス構造が必要とされるようになっています」と、ガーテンバーグは述べています。

「これらの構造が複雑化するにつれて、関与するすべての当事者が適切なレベルの経験と知識を持っていることを確保することがより重要になります。プロジェクトが複数の国にまたがり、現地の金融や規制に関する専門知識が必要な場合はなおさらです」とガーテンバーグは続けています。「したがって、現地市場に対する深い理解を持ち、実績があり、担保代理人、口座銀行、管理代理人、債権者間代理人など、さまざまな役割を担える信託および代理サービス・プロバイダーを活用することが、リスクを最小限に抑え、取引を円滑に進行させ、関係者の利益を保護する上で重要な役割を果たします。」

CSCの「プロジェクト・ファイナンス・レポート2024」をご覧になりたい場合は、 cscteam@citigatedewerogerson.com にて、カミラ・ワイアットまたはルーシー・ギブスまでご連絡ください。

編集者への注記

1CSCはPure Profileと提携し、プロジェクト・ファイナンスに携わる200人の業界専門家を対象に調査を実施し、現在どの地域でプロジェクト・ファイナンス取引が最も活発であるか、また、今後どのように変化するかについての見解を探りました。回答者は、北米、欧州、英国、中南米、アジア太平洋地域に分かれており、銀行・金融、建設、エネルギーなどのさまざまな業界に従事しています。

CSCについて

CSCは、フォーチュン500®企業の90%以上、世界で最も価値のあるブランド100(インターブランド®)の90%以上、PEI 300の70%以上に信頼されているパートナーです。私たちCSCは、グローバル経営管理およびコンプライアンス・ソリューションの世界的リーダーであり、幅広いファンド戦略に対応するオルタナティブ資産運用会社向けの専門管理サービス、公開・非公開市場における資本市場参加者を対象とした取引サービス、ドメインネームシステム管理やデジタルブランディングおよび詐欺保護、法人税ソフトウェア・ソリューションを提供しています。CSCは1899年に設立され、米国デラウェア州ウィルミントンに本社を構え、125年以上にわたり非公開企業として専門的に運営されてきたことを誇りとしています。CSCは、欧州、南北アメリカ、アジア太平洋、中東の140以上の法域にオフィスとサービス能力を有しています。私たちは、クライアントがどこにいても事業を展開できるグローバル企業であり、当社がサービスを提供する各分野における専門家を採用することで、それを実現しています。私たちは、ビジネスを支えるビジネス®です。詳細は、cscglobal.comをご覧ください。

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