-

キオクシア:大容量ストレージを活用した記憶検索型AIによる画像分類技術をECCV 2022で発表

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- (ビジネスワイヤ) -- キオクシア株式会社は大容量ストレージを活用したAI技術(記憶検索型AI)による画像分類技術を開発しました。本技術は、大容量ストレージに蓄積した学習データを知識として参考にするニューラルネットワークを用いて画像を分類するものです。これにより、ニューラルネットワークの課題の一つである「破滅的忘却」を回避し、知識の追加・更新をしても、画像分類の精度を高く維持することが可能になります。本技術は、テルアビブ (イスラエル)で開催されるコンピュータビジョン分野のトップ学会の1つであるEuropean Conference on Computer Vision 2022(ECCV 2022)にて、10月25日(現地時間)に口頭発表しました※1

従来のAI技術では、ニューラルネットワークが重みと呼ばれるパラメータを学習の過程で調整することで、さまざまな知識と能力を獲得します。しかし、一度学習したニューラルネットワークが、さらに新たな知識を獲得するには、最初から学習し直すか、新たな知識を追加で学習することになります。そして、前者では時間や消費電力のコストが大きくなり、後者では知識を追加するためにパラメータを変更することとなり、習得済みの知識や能力を失う破滅的忘却の問題がありました。

今回提案する手法は、ニューラルネットワークを用いた画像分類におけるコストや精度の課題を解決するため、大容量ストレージに大量の画像データ、ラベル、画像の特徴量※2などの情報を知識として記憶し、ニューラルネットワークがストレージに記憶された知識を参考にして、画像を分類します(図1)。この方式では、新しく入手した画像のラベルや特徴量のデータをストレージに追加することにより知識が追加・更新できます。そのため、ニューラルネットワークの再学習や破滅的忘却に繋がるおそれのあるパラメータ変更が不要になり、画像分類の精度を従来方式よりも高く維持することができます。さらに、ニューラルネットワークが画像を分類する際にストレージの中で参考にしたデータを可視化することで、分類結果に対する根拠を示すことができ、AIの説明可能性※3の改善やブラックボックス問題※4の緩和が期待できます。また、参照したデータを解析することで、参照された頻度によって、知識の有効性を評価できる特長もあります。

キオクシアは「『記憶』で世界をおもしろくする」というミッションのもと、画像分類だけでなく他の領域にも応用範囲を広げ、大容量ストレージを活用したAI技術(記憶検索型AI)の研究開発を進めていき、AI技術・ストレージ技術の発展に貢献していきます。

記憶検索型AIについて

動画説明:https://youtu.be/emi22hcydcg
「記憶検索型AI」前編 キオクシアのトップエンジニアが開発に取り組む『記憶』を大切にするAIとは? https://brand.kioxia.com/ja-jp/articles/article26.html
「記憶検索型AI」後編 Internet of Memories:NFTアートから子守りAIまで、「記憶検索型AI」の実装アイデアを探る https://brand.kioxia.com/ja-jp/articles/article27.html

ECCVについて

European Conference on Computer Vision (ECCV)は、コンピュータによる画像・映像処理技術を扱うコンピュータビジョン分野のトップ学会の1つです。近年では深層学習を用いた画像分類や物体検出などのAI技術に関する研究成果の発表が注目を集めています。本年度の口頭発表枠の採択率は2.7%でした。

※1 発表論文: ”Revisiting a kNN-based Image Classification System with High-capacity Storage”
※2 画像の特徴量: ここでは、ニューラルネットワークの演算を通して得られる多次元(例: 1,024次元)の数値データ
※3 AIの説明可能性: AIが導き出した結果の根拠や理由を、人間が解釈できるように説明することの可能性
※4 ブラックボックス問題: AIがどのような過程を経て予測結果に至ったかは人間にはわからず、ブラックボックスと化している問題

記載されている社名・商品名・サービス名などは、それぞれ各社が商標として使用している場合があります。

Contacts

本資料に関するお問い合わせ先:
キオクシアホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部
山路 航太
Tel: 03-6478-2319
kioxia-hd-pr@kioxia.com

Kioxia Corporation



Contacts

本資料に関するお問い合わせ先:
キオクシアホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部
山路 航太
Tel: 03-6478-2319
kioxia-hd-pr@kioxia.com

More News From Kioxia Corporation

キオクシア:MicrochipのAdaptec® SmartRAID 4300シリーズ RAIDストレージアクセラレーターとキオクシアSSDの相互互換性と相互運用性を確認

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- キオクシア株式会社は、当社の2.5インチ エンタープライズおよびデータセンターPCIe® 5.0 NVMe™ SSD、およびPCIe 4.0 NVMe SSDが、Microchip Technology Inc.(マイクロチップ・テクノロジー社、以下Microchip)のRAIDストレージアクセラレーターであるAdaptec® SmartRAID 4300シリーズとの相互接続試験を行い、相互運用性を確認しました。 次世代エンタープライズおよびAIデータセンターには、現在から将来への技術をシームレスに統合するためのエコシステムの連携と相互運用性が重要です。この相互接続において、キオクシアのデータセンターおよびエンタープライズ向けSSDを活用し、セキュリティーを備えたスケーラブルなハードウェアアクセラレーテッドRAIDアーキテクチャーを実現します。今回Microchipが行った試験で相互運用性が確認されたのは、PCIe 5.0対応エンタープライズNVMe SSDの「KIOXIA CM7シリーズ」、データセンターNVMe...

キオクシア:KIOXIA AiSAQ™技術のMilvusベクトルデータベースへの採用について

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- キオクシア株式会社のApproximate Nearest Neighbor Search(ANNS)技術であるKIOXIA AiSAQ™(キオクシア アイザック)が、オープンソースのベクトルデータベース Milvus(バージョン 2.6.4以降)に正式に採用されました。MilvusユーザーはKIOXIA AiSAQ™で最適化されたベクトル検索により、実用的かつコスト効率の高い形でAIアプリケーションを活用することが可能になります。ベクトルデータベースを活用したい開発者は、従来の大規模ベクトル検索を行う際にボトルネックとなるDRAMの容量に左右されることなく、高性能ベクトル検索を活用できます。 現在、AI業界では巨大なモデルの構築から、スケーラブルでコスト効率に優れた推論ソリューションの整備へと重心を移しています。その過程で中心となるのが、外部データを用いてAIの回答精度を向上させるRAG(Retrieval Augmented Generation)技術であり、KIOXIA AiSAQ™はSSDベースのベクトルアー...

キオクシア:高密度・低消費電力3D DRAMの実用化に向けた基盤技術を発表

東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- キオクシア株式会社は、高密度・低消費電力3D DRAMの実用化に向けた基盤技術として高積層可能な酸化物半導体チャネルトランジスタ技術を開発しました。本成果は、米国サンフランシスコで開催されたIEEEの電子素子に関する国際会議IEDM(International Electron Devices Meeting)にて、12月10日(現地時間)に発表しました。本技術を用いることで、AIサーバーやIoT製品など幅広いアプリケーションにおいて低消費電力化を実現する可能性があります。 AI時代を迎え、大容量のデータを処理するために、より大容量かつ低消費電力のDRAMの実現が期待されています。従来のDRAMではメモリセルの微細化が物理限界に近づいており、さらなる大容量化に向けてメモリセルを3次元に積層する研究が進んでいます。メモリセルを積層する際に、従来のDRAMと同様の単結晶シリコンをトランジスタのチャネル材料に使用すると、製造コストが高くなり、かつ、メモリ容量に比例して、メモリセルをリフレッシュするための電力も増加する課題が...
Back to Newsroom