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アブダビのTII、世界をリードするアラビア語AIモデルFalcon-H1 Arabicを発表

新たなハイブリッド・アーキテクチャに基づくモデルにより、より少ないパラメータ数で高精度を実現

高性能言語モデル分野で世界のAIリーダーと競争するUAEの取り組みを強調

アラブ首長国連邦・アブダビ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- アブダビ先端技術研究評議会(ATRC)の応用研究部門であるテクノロジー・イノベーション・インスティテュート(TII)は、新たに開発した大規模言語モデル「Falcon-H1 Arabic」を発表しました。本モデルは、ハイブリッド型のマンバ・トランスフォーマー(Mamba-Transformer)アーキテクチャを採用して構築されたもので、従来のトランスフォーマーベースのモデルから完全に脱却した設計となっています。この新モデルは、オープン・アラビア語LLMリーダーボード(OALL)において、最も高い性能を示すシステムとしての地位を確立しています。

この成果により、Falcon-H1 Arabicは現在利用可能なアラビア語AIモデルのなかで最先端のものとなり、数倍大きなモデルを凌駕する精度、コンテキスト処理能力、および言語表現力を実現しています。

UAE大統領顧問であり、アブダビ先端技術研究評議会(ATRC)の事務総長を務めるファイサル・アル・バンナイ閣下は、次のように述べています。「Falcon-H1 Arabicは、先進技術と責任あるAIの分野における世界的なハブとしてUAEの地位を強化していくという、当評議会の継続的な取り組みを体現するものです。地域の言語的・文化的ニーズを支えるモデルを提供することで、社会全体にとってアクセスしやすく、関連性が高く、実効性のあるイノベーションを可能にします。今回の成果は、TIIにおける人材の厚みと研究力の高さを示す証しです。」

今年初めに公開されたFalcon-Arabicモデルが、高品質なアラビア語大規模言語モデルに対するコミュニティの明確なニーズを示したことを受け、TIIは新たにFalcon-H1 Arabicファミリーを開発しました。Falcon-H1 Arabicは、3B、7B、34Bの各パラメータ数で提供されており、多様なインフラ環境やユースケースの要件に対応するよう設計されています。Falcon-H1 Arabicは、データ品質、方言カバレッジ、長文コンテキストの安定性、数理推論能力の面で改良が加えられており、実運用のアプリケーションにおいて、より正確で信頼性が高く、文脈を適切に理解するアラビア語処理を可能にします。

TIIのCEOを務めるナジワ・アアラジ博士は、次のように述べています。「Falcon-H1 Arabicの開発は、アラビア語AIに関する長年の基盤的な取り組みを土台とし、開発者や企業を含むコミュニティのニーズに直接応えるものです。アーキテクチャ、データ品質、長文コンテキスト推論を進化させることで、教育、医療、ガバナンス、エンタープライズなど、あらゆる分野で新たな可能性を切り開く基盤をアラビア語で提供しています。本モデルは、地域に貢献し、世界の進歩にも寄与するワールドクラスのAIを提供するという当社の使命における重要な一歩を示すものです。」

ベンチマーク結果

アラビア語の理解と推論に関する幅広いタスクでモデルを評価するOALLリーダーボードにおいて、Falcon-H1 Arabicは性能面で明確な優位性を示しています。

  • 3Bモデルは平均61.87%を記録し、マイクロソフトのPhi-4 Miniなど、主要な4Bモデルを10ポイント上回りました。
  • 7Bモデルは平均71.47%を記録し、カタールのFanar-1-9BやサウジアラビアのHUMAIN ALLaM 7Bモデルを含む、約10Bクラスのモデルをすべて上回りました。
  • 34Bモデルは75.36%を記録し、中国のQwen2.5 72BやMETAのLlama-3.3 70Bなど、70B超のパラメータを持つシステムをも上回る結果となりました。

OALLに加えて、Falcon-H1 Arabicは、より特化した複数のベンチマークにおいても優れた結果を示しています。具体的には、(i)STEM(科学・技術・工学・数学)分野の推論能力を評価する「3LM」、(ii)文化的および文脈理解を測る「ArabCulture」、(iii)方言理解を対象とする「AraDice」において、高い性能を記録しました。

これらの結果を総合すると、アラビア語AIにとって画期的な転換点を示すものとなります。Falcon-H1 Arabicは、一般的なベンチマークと特化型ベンチマークの両方において、数倍大きなモデルを上回る性能を発揮しているだけでなく、言語の深い理解力、推論能力、効率性の面でも新たな基準を打ち立てています。これにより、Falcon-H1 Arabicは、これまでに開発されたアラビア語言語モデルの中で、最も高い能力と汎用性を備えたモデルとして位置付けられています。

TIIの人工知能・デジタル研究センター(AIDRC)のチーフリサーチャーを務めるハキム・ハシッド博士 は、次のように述べています。「本モデルは、より高度であるだけでなく、実社会で本当に役立つアラビア語AIの構築に注力してきた当センターの姿勢を反映しています。効率性、理解の深さ、言語カバレッジを向上させることで、地域全体の機関、開発者、コミュニティをより的確に支援できるAIシステムを可能にしています。」

本モデルは、最大256Kトークンという大幅に拡張されたコンテキスト長にも対応しています。これにより、単一のインタラクション内で大量の情報を扱うことが可能となり、例えば、長大な法的文書、医療記録、学術論文、企業のナレッジベースなどを、文脈や一貫性を失うことなく分析できます。これは、これまでこの規模では実現できなかった能力です。

TIIのFalcon AIモデルは、2023年以降、地域およびグローバルの各種ベンチマークで首位評価を獲得してきました。Falcon-H1 Arabicは、モデル規模を問わずオープン・アラビア語LLMリーダーボード(OALL)で高い評価を受けており、アブダビおよびUAE全体におけるアラビア語AI研究とイノベーションの分野でのリーダーシップをさらに強化しています。これらの成果は、TIIが主権AI能力を構築し、世界最高水準で競争できる技術力を有していることを示すものです。

新たなモデルは、TIIの公開インターフェースを通じてプレイグラウンド内で利用可能となっています。以下のURLからアクセスできます。https://chat.falconllm.tii.ae

出典:AETOSWire

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jinan.warrayat@tii.ae

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