武田薬品が米国臨床腫瘍学会(ASCO)と欧州血液学会(EHA)の年次総会でオンコロジーの広範なポートフォリオとパイプラインのデータを発表

– 発表データは患者の転帰とケアを改善するというコミットメントを明確に示す –

– Takeda Oncologyがスポンサーとなっている6件のアブストラクトがASCO 2018のプレゼンテーションで、8件のアブストラクトがEHA 2018のプレゼンテーションで受理 –

米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪--()--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE: 4502)は本日、近く開催される2件の医学学会で、Takeda Oncologyがスポンサーとなっている計14件のプレゼンテーションを行うと発表しました。それらの学会は、6月1~5日にシカゴで開催される第54回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会と、6月14~17日にストックホルムで開催される第23回欧州血液学会(EHA)総会です。今年のプレゼンテーションは、血液がんの治療法を前進させ、治療困難な固形がんの研究を今後も発展させるという、武田薬品のゆるぎない努力を明確に示すものとなります。

Takeda Oncologyのクリストフ・ビアンキ社長(M.D.)は、次のように述べています。「ASCOとEHAでは、当社のパイプライン資産および市販されている治療薬に関するデータや実臨床での発見、臨床試験の最新状況を発表します。ASCOでは、クリゾチニブ抵抗性でALK陽性の非小細胞肺がん患者でALUNBRIGの長期有効性と安全性を検討する第2相ALTA試験の最新結果を発表します。EHAでは特に、ホジキンリンパ腫患者のフロントライン治療としてアドセトリスとの併用療法を評価する第3相ECHELON-1試験で事前設定されたサブグループのデータを発表します。武田薬品の研究は、必要とされる治療法を前進させるオンコロジーの革新を継続的に推し進め、がん患者の生活を改善するという当社の理念を具現化するものです。」

今年のASCO総会では、クリゾチニブ抵抗性の未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)非小細胞肺がん(NSCLC)患者集団でALUNBRIG®(ブリガチニブ)の長期有効性と安全性を検討する第2相ALTA試験(ALK in Lung Cancer Trial of AP26113/肺がんでALK阻害剤AP26113を検討する試験)の最新結果を発表します。ポスターディスカッション式の各プレゼンテーションでは、エクソン20挿入変異を含め、上皮成長因子受容体(EGFR)およびヒト上皮成長因子受容体2(HER2)の変異を標的とする小分子チロシンキナーゼ阻害剤TAK-788につき、NSCLC患者における同分子の安全性、薬物動態、予備的な抗腫瘍活性の報告を行います。さらにCDC7キナーゼ活性を阻害する小分子TAK-931につき、進行期の固形がん患者でのヒト初回第1相試験の結果も口頭発表します。同試験は固形がんを持つ最大100人の被験者を対象にTAK-931の効果を探り、同経口薬の安全性、忍容性、薬物動態を検討して最大耐量を確認するものです。

当社はまた、血液がんに関する科学知識体系を深め続けています。ASCOでは、進行中のランダム化グローバル第3相試験PANTHER(investigational intravenous Pevonedistat plus Azacitidine versus single-agent azacitidine as first-line Treatment for patients with Higher-Risk myelodysplastic syndrome (MDS), chronic myelomonocytic leukemia or low-blast acute myelogenous leukemia (AML)/高リスク骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病、低芽球比率急性骨髄性白血病(AML)の患者に対する一次治療としてのPevonedistat+アザシチジン併用とアザシチジン単独の静脈内投与の比較試験)につき、進行中の臨床試験を紹介するセッションの中でポスター発表します。

また今年のEHA総会では、疾患の進行度が高い患者の事前設定サブグループでアドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)を使用した併用療法の有効性と安全性につき、ECHELON-1試験から得たデータを発表します。主要評価項目の修正無増悪生存期間に基づけば、PET2の状態に関係なく、治療企図解析の対象集団と比較してこれらサブグループのいずれにおいても利点が大きいことがデータで示されています。また未治療の進行期ホジキンリンパ腫に対するフロントライン併用化学療法レジメンの一部としてアドセトリスを評価する第3相ECHELON-1臨床試験のデータを再び発表します。このデータは2017年12月に第59回米国血液学会(ASH)年次総会のプレナリーセッションですでに発表されています。最後に、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)およびFMS様チロシンキナーゼ3(FLT3)の可逆的二重阻害剤であるTAK-659を標準療法と併用してびまん性大細胞型B細胞リンパ腫モデルで検討した試験から、予備的な安全性/有効性データを発表します。

Takeda Oncologyがスポンサーとなり、リンパ腫、多発性骨髄腫、MDSを含むさまざまな血液がんを検討する試験から、安全性、有効性、実臨床での使用に関する結果をASCOもしくはEHAまたは両方で発表します。

Takeda Oncologyがスポンサーとなり、ASCO 2018のプレゼンテーションが受理された6件のアブストラクトと、EHA 2018で発表される8件のアブストラクトは下記の通りです。

2018年ASCO年次総会

注記:記載された時間はすべて中部夏時間です。

アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)

ALUNBRIG(ブリガチニブ)

パイプライン

第23回EHA大会

注記:記載された時間はすべて中央ヨーロッパ時間です。

アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)

ニンラーロ(イキサゾミブ)

パイプライン

詳細情報については、ASCO(https://am.asco.org/program)およびEHA(http://eha-2018.org/)のオンラインプログラムをご覧ください。

アドセトリスについて

アドセトリスは、シアトル・ジェネティクスの専有技術を使用し、抗CD30モノクローナル抗体を、タンパク質分解酵素により開裂するリンカーで、微小管阻害剤モノメチルアウリスタチンE(MMAE)と結合させたADCです。本ADCが採用するリンカーシステムは、血中では安定し、CD30陽性の腫瘍細胞に取り込まれると、MMAEを放出するように設計されています。

静脈内注射用のアドセトリス注射剤はFDAより、成人患者を対象に5件の適応症で通常の承認を取得しました。これらの適応症は、(1)未治療のステージ3/4古典的ホジキンリンパ腫(化学療法との併用)、(2)自家造血幹細胞移植(自家HSCT)地固め療法後に再発ないし進行のリスクが高いcHL、(3)自家HSCTが失敗した患者か、自家HSCTの候補でない患者で過去に少なくとも2回の多剤化学療法レジメンが失敗した患者でのcHL、(4)過去の1回以上の多剤化学療法レジメンが失敗した後のsALCL、(5)過去に全身療法を受けている患者での原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)またはCD30発現菌状息肉症、となります。

sALCLの適応に対する承認継続は、検証的試験で臨床的有用性が検証・説明されることが条件になる可能性があります。

カナダ保健省はアドセトリスに対し、再発性ないし難治性のホジキンリンパ腫およびsALCLを適応症として条件付き承認を2013年に与え、また再発ないし進行のリスクを持つホジキンリンパ腫患者の自家幹細胞移植(ASCT)後の地固め療法として無条件承認を与えています。

アドセトリスは欧州委員会より、条件付きの市販承認を2012年10月に取得しました。これらの欧州で承認された適応症は、(1)ASCT後、またはASCTないし多剤化学療法が治療選択肢でない場合に少なくとも2種類の治療を受けた後の再発性ないし難治性のCD30陽性成人ホジキンリンパ腫患者の治療、(2)再発性または難治性の成人sALCL患者の治療、(3)ASCT後に再発・進行リスクの高いCD30陽性ホジキンリンパ腫の成人患者の治療、(4)過去に少なくとも1種類の全身療法を受けているCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)成人患者の治療、となります。

アドセトリスは再発性/難治性ホジキンリンパ腫とsALCLを適応に70カ国以上で規制当局より市販承認を取得しています。下記の重要な安全性情報をご覧ください。

アドセトリスは70件以上の臨床試験で広範な評価を受けています。これらの試験にはホジキンリンパ腫のフロントライン治療での第3相試験(ECHELON-1)とCD30陽性末梢T細胞リンパ腫のフロントライン治療での別の第3相試験(ECHELON-2)に加え、その他多種類のCD30陽性悪性腫瘍での試験が含まれます。

シアトル・ジェネティクスと武田薬品はアドセトリスを共同開発しています。提携契約の条件に従い、シアトル・ジェネティクスは米国とカナダでアドセトリスを商業化する権利を保有し、武田薬品は世界のその他の地域で商業化する権利を保有します。シアトル・ジェネティクスと武田薬品は、アドセトリスの開発費を50対50の割合で共同負担していますが、例外的に日本における開発費に関しては武田薬品が単独で責任を負っています。

アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)の重要な安全性情報(欧州連合向け)

処方に先立ち、製品概要(SmPC)をご参照ください。

禁忌

ブレンツキシマブ・ベドチンおよびその賦形剤に対し過敏症を示す患者に対するアドセトリスの使用は禁忌となっています。またブレオマイシンとアドセトリスの併用は肺毒性をもたらします。

特別な警告および注意

進行性多巣性白質脳症(PML):アドセトリスによる治療を受けた患者で、進行性多巣性白質脳症(PML)および死亡をもたらすジョン・カニンガム・ウイルス(JCV)の再活性化が起こることがあります。複数の化学療法レジメンを受けた後にアドセトリスを投与された患者でPMLが報告されています。PMLは潜伏JCVの再活性化がもたらす希少な中枢神経系の脱髄疾患で、多くの場合に致死性となります。

神経・認知・行動関連でPMLを示唆する兆候・症状の新規発症または悪化につき、患者を密にモニタリングします。PMLの評価法として提案されているものには、神経科医による診察、脳のガドリニウム増強核磁気共鳴画像法、ポリメラーゼ連鎖反応によるJCV DNAの脳脊髄液分析、JCVの所見がある場合の脳生検が含まれます。JCV PCR陰性はPMLの可能性を排除するものではありません。別の診断が確定しない場合、追加的な観察と評価が必要となる場合があります。PMLが疑われる症例すべてでアドセトリス投与を保留し、PMLの診断が確定したらアドセトリスを永久的に中止します。

患者が気づかない可能性があるPMLの症状(例:認知・神経・精神の症状)に注意します。

膵炎:アドセトリスによる治療を受けた患者で、急性膵炎が観察されています。致死的転帰が報告されています。急性膵炎を疑わせる腹痛の新規発症または悪化につき、患者を密にモニタリングします。患者の評価には身体診察、血清アミラーゼと血清リパーゼのラボ検査、超音波など腹部画像検査、その他の適切な診断法があり得ます。急性膵炎が疑われる症例すべてでアドセトリス投与を保留し、急性膵炎の診断が確定したらアドセトリスを永久的に中止する必要があります。

肺毒性:アドセトリスによる治療を受けた患者で、肺臓炎、間質性肺疾患、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を含め、致死的転帰を伴う場合がある肺毒性の症例が報告されています。アドセトリスとの因果関係は確立していませんが、肺毒性のリスクは排除できません。肺症状の新規発症や悪化があれば、直ちに適切な評価と治療を行います。評価中および症状が改善するまでは投与の保留を検討します。

重篤感染および日和見感染:アドセトリスによる治療を受けている患者で肺炎、ブドウ球菌血症、敗血症/敗血症性ショック(致死的転帰を含む)、帯状疱疹などの重篤感染と、ニューモシスチス・イロベチ肺炎や口腔カンジダなどの日和見感染が報告されています。重篤感染および日和見感染の発生可能性につき、治療中は患者を注意深くモニタリングします。

注入に伴う反応(IRR):即時型および遅延型のIRRと、アナフィラキシーがアドセトリス投与で発生しています。患者を注入時と注入後に注意深くモニタリングします。アナフィラキシーが発生した場合、アドセトリス投与を即時・永続的に中止し、適切な治療を施す必要があります。IRRが発生した場合、注入を中断して適切な医療管理を行います。注入は症状が解消してから速度を落として再開することも可能です。IRRを過去に経験している患者は、その後の注入に備えて準備投薬する必要があります。IRRはアドセトリスに対する抗体を持つ患者ほど頻度と重症度が高くなっています。

腫瘍崩壊症候群(TLS):アドセトリス投与でTLSが報告されています。腫瘍が急速に増殖して腫瘍量が多い患者はTLSのリスクがあります。これら患者は密にモニタリングし、最適な医療に基づいて管理します。

末梢神経障害(PN):アドセトリスによる治療は感覚神経障害、運動神経障害の両神経障害をもたらす場合があります。アドセトリス誘発性PNは一般的にほとんどの症例において蓄積的で可逆的です。知覚鈍麻、知覚過敏、知覚障害、不快感、灼熱感、神経因性疼痛、虚弱などPNの症状につき、患者をモニタリングします。PNの新規発症や悪化を経験した患者では、アドセトリス投与の延期、投与量削減、中止が必要となる場合があります。

血液毒性:グレード3ないし4の貧血、血小板減少症、長期(1週間以上)のグレード3ないし4の好中球減少症がアドセトリスで発生する場合があります。各投与に先立ち全血球計算値をモニタリングします。

発熱性好中球減少症:発熱性好中球減少症が報告されています。発熱性好中球減少症が発症した場合、患者を発熱につき密にモニタリングし、最適な医療に基づき管理します。

スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS):アドセトリス投与でSJSおよび中毒性表皮壊死症(TEN)が報告されています。致死的転帰が報告されています。SJSまたはTENが発症した場合、アドセトリスによる治療を中止し、適切な治療を施します。

消化管合併症:腸閉塞、イレウス、腸炎、好中球減少性大腸炎、びらん、潰瘍、穿孔、出血を含め、致死的転帰を伴う場合がある消化管合併症が報告されています。消化管症状の新規発症や悪化があれば、直ちに評価して適切な治療を施します。

肝毒性:アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の上昇が報告されています。肝毒性の重篤な症例(致死的転帰を含む)も発生しています。アドセトリス投与を受ける患者では、治療開始に先立って肝機能を検査し、検査値の上昇につき定期的にモニタリングします。肝毒性を経験した患者では、アドセトリス投与の延期、投与量変更、中止が必要となる場合があります。

高血糖症:試験では糖尿病の病歴有無にかかわらず肥満指数(BMI)の高い患者で高血糖症が報告されています。高血糖イベントを経験した患者は全員、血清グルコースを密にモニタリングします。糖尿病治療を適宜開始します。

腎・肝障害:腎・肝障害を抱えた患者における経験は限られています。入手できるデータは、MMAEクリアランスが重度の腎障害および肝障害と、低い血清アルブミン濃度による影響を受ける可能性があることを示しています。

CD30陽性CTCL:菌状息肉腫(MF)および原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)以外のCD30陽性CTCLサブタイプでの治療効果の程度は、高レベルの証拠が不足しているため明らかではありません。アドセトリスの2件の単群第2相試験では、セザリー症候群(SS)、リンパ腫様丘疹症(LyP)、混合組織型CTCLの各サブタイプで疾患活動性が示されました。これらのデータは、有効性と安全性が他のCD30陽性CTCLサブタイプに外挿できることを示しています。CD30陽性CTCLの他の患者タイプでは、患者ごとにベネフィットとリスクを慎重に検討して注意を払います。

賦形剤におけるナトリウム量:アドセトリスは1回の投与量当たり最大2.1 mmol(47 mg)のナトリウムを含むので、ナトリウム制限食を取っている患者で考慮します。

薬物相互作用

強力なCYP3A4阻害剤やP-gp阻害剤をアドセトリスと併用している患者は、好中球減少症のリスクが高まる可能性があるため、密にモニタリングする必要があります。アドセトリスとCYP3A4誘導剤の同時投与はアドセトリスの血漿中濃度を変えませんでしたが、アッセイで検出され得るMMAE代謝産物の血漿中濃度の低減をもたらすと思われます。アドセトリスはCYP3A4酵素によって代謝される薬物への曝露に変化をもたらすとは考えられません。

妊娠:妊娠の可能性がある女性は、アドセトリスによる治療を受けている期間と治療後6カ月目までは2種類の効果的な避妊法を取るよう助言します。アドセトリスの妊婦での使用に関するデータは存在しませんが、動物試験で生殖毒性が示されています。母体に対するベネフィットが胎児に対する潜在的リスクを上回る場合を除き、アドセトリスを妊娠中に使用してはなりません。

授乳(母乳育児):アドセトリスまたはその代謝産物が母乳中に排泄されるかどうかを示すデータは存在しませんので、新生児/乳児に対するリスクは排除できません。潜在的リスクがあるため、母乳育児を中止するかアドセトリスによる治療を中止/自制するかを決断する必要があります。

生殖:非臨床試験でアドセトリスによる治療は精巣毒性をもたらしているため、男性の生殖能力を変化させる可能性があります。アドセトリスによる治療を受けている男性には、治療期間中と最後の投与から最長6カ月後までは子供をもうけないように助言します。

運転および機械操作の能力に対する影響:アドセトリスは、運転および機械操作の能力に対し小さな影響を及ぼす可能性があります。

副作用

最も発生頻度が高かった(10%以上)有害反応は、感染症、末梢感覚神経障害、悪心、疲労、下痢、発熱、上気道感染、好中球減少症、発疹、咳、嘔吐、関節痛、末梢運動神経障害、注入に伴う反応、そう痒、便秘、呼吸困難、体重減少、筋肉痛、腹部痛でした。

重篤な薬物有害反応には、肺炎、急性呼吸窮迫症候群、頭痛、好中球減少症、血小板減少症、便秘、下痢、嘔吐、悪心、発熱、末梢運動神経障害、末梢感覚神経障害、高血糖症、脱髄性多発性神経炎、腫瘍崩壊症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群が含まれます。重篤な薬物有害反応は患者の12%で発生しています。特異的な重篤薬物有害反応の発生頻度は1%以下でした。

アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)の重要な安全性情報(米国向け)

枠囲み警告:進行性多巣性白質脳症(PML)

アドセトリスによる治療を受けている患者で、PMLおよび死亡をもたらすJCウイルス感染が発生する場合があります。

禁忌

アドセトリスとブレオマイシンの併用は、肺毒性(例えば間質浸潤もしくは炎症またはその両方)を理由に禁忌となっています。

警告および注意

  • 末梢神経障害(PN):アドセトリスは、感覚優位の末梢神経障害を引き起こします。末梢運動神経障害の症例も報告されています。アドセトリス誘発性末梢神経障害は蓄積的です。知覚鈍麻、知覚過敏、知覚障害、不快感、灼熱感、神経因性疼痛、虚弱などの症状につき、モニタリングします。投与量を適宜修正します。
  • アナフィラキシーおよび注入反応:アナフィラキシーを含め、注入に伴う反応(IRR)がアドセトリスで発生しています。注入中は患者をモニタリングします。IRRが発生した場合は注入を中断し、適切な医療管理を行います。アナフィラキシーが発生した場合は注入を即時・永続的に中止し、適切な医療を施します。IRRを過去に経験している患者は、次の注入に先立って前投薬を行います。前投薬として可能なものには、アセトアミノフェン、抗ヒスタミン薬、副腎皮質ホルモンが含まれます。
  • 血液毒性:長期(1週間以上)の重度好中球減少症およびグレード3ないし4の血小板減少症または貧血がアドセトリスで発生する場合があります。発熱性好中球減少症がアドセトリスで報告されています。アドセトリスの投与に先立ち、全血球計算値をモニタリングします。グレード3ないし4の好中球減少症が発症している患者ではモニタリング頻度の増加を検討します。発熱に関し患者をモニタリングします。グレード3ないし4の好中球減少症が発生した場合、投与延期、投与量削減、投与中止、G-CSF予防投与後の投与を検討します。
  • 重篤感染と日和見感染:アドセトリスによる治療を受けた患者で、肺炎、菌血症、敗血症ないし敗血症性ショック(致死的転帰を含む)が報告されています。治療中は細菌・真菌・ウイルス感染につき、患者を密にモニタリングします。
  • 腫瘍崩壊症候群:腫瘍が急速に増殖して腫瘍量が多い患者は、密にモニタリングします。
  • 重度腎障害が存在する場合の毒性増加:グレード3以上の有害反応および死亡が発生する頻度は、正常な腎機能の患者と比較して重度の腎障害を持つ患者で高くなっていました。重度の腎障害を持つ患者では使用を避けます。
  • 中等度から重度の肝障害が存在する場合の毒性増加:グレード3以上の有害反応および死亡が発生する頻度は、正常な肝機能の患者と比較して中等度から重度の肝障害を持つ患者で高くなっていました。中等度から重度の肝障害を持つ患者では使用を避けます。
  • 肝毒性:致死的転帰を含む重篤例がアドセトリスによる治療を受けた患者で発生しています。それらの症例は肝細胞障害と一致するもので、トランスアミナーゼもしくはビリルビンまたはその両方の上昇を含み、アドセトリスの初回投与または再投与後に発生しています。既往症の肝臓疾患の存在、ベースラインにおける肝酵素の上昇、併用薬はリスクを高める可能性があります。肝酵素とビリルビンをモニタリングします。肝毒性が新規発症、悪化、再発した患者ではアドセトリス投与の延期、投与量変更、中止が必要となる場合があります。
  • PML:アドセトリスによる治療を受けた患者でPMLと死亡をもたらすJCウイルス感染が報告されています。最初の症状はアドセトリスによる治療開始後のさまざまな時期に発生し、初回曝露から3カ月以内に発生した場合もあります。アドセトリス以外では、免疫抑制をもたらす可能性がある前治療と基礎疾患が寄与因子となっている場合があります。中枢神経系の異常を示す兆候・症状が新規に現れた患者はPMLの診断を検討します。PMLが疑われる場合はアドセトリス投与を保留し、PMLが確定したらアドセトリス投与を中止します。
  • 肺毒性:肺臓炎、間質性肺疾患、急性呼吸ひっ迫症候群など非感染性肺毒性イベントが、致死的転帰を一部含め、報告されています。咳および呼吸困難を含む兆候・症状につき患者をモニタリングします。肺症状が新規に現れたり悪化したりした場合、評価中および症状改善までの期間はアドセトリス投与を保留します。
  • 重篤皮膚反応:スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(TEN)が、致死的転帰を含め、アドセトリス投与で報告されています。SJSまたはTENが発症した場合はアドセトリス投与を中止し、適切な医療を施します。
  • 消化管合併症:致死的転帰を含む急性膵炎が、アドセトリスによる治療を受けた患者で報告されています。穿孔、出血、びらん、潰瘍、腸閉塞、腸炎、好中球減少性大腸炎、イレウスを含め、その他の致死的/重篤な消化管合併症がアドセトリス治療を受けた患者で報告されています。既存の消化管病変を持つリンパ腫では、穿孔のリスクが高まる可能性があります。消化管症状の新規発症や悪化は、直ちに診断・評価して適切な治療を施す必要があります。
  • 胚・胎児毒性:作用機序と動物実験に基づけば、アドセトリスは胎児に害を及ぼす可能性があります。生殖能のある女性には、胎児への潜在的リスクにつき、またアドセトリス治療中とアドセトリスの最終投与から少なくとも6カ月は妊娠を避けるよう、助言します。

最も発生頻度の高い(20%以上)有害反応:末梢感覚神経障害、疲労、悪心、下痢、好中球減少症、上気道感染、発熱。

薬物相互作用

強力なCYP3A4阻害剤またはCYP3A4誘導剤、P-gp阻害剤との併用は、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)への曝露に影響を与える可能性があります。

特定集団での使用

中等度から重度の肝障害の患者または重度腎障害:MMAEへの曝露と有害反応が増加します。使用を避けます。

生殖能のある女性を性的パートナーに持つ男性には、アドセトリスの治療中とアドセトリスの最終投与から少なくとも6カ月は効果的な避妊を助言します。

アドセトリスの投与を受けている間は、妊娠すれば直ちに報告し、授乳を控えるよう、患者に助言します。

枠囲み警告を含め、重要な安全性情報の詳細については、アドセトリスの完全な処方情報をwww.seattlegenetics.comまたはwww.ADCETRIS.comでご覧ください。

ALUNBRIG™(ブリガチニブ)について

ALUNBRIGは、武田薬品が2017年2月に買収したアリアド・ファーマシューティカルズが創薬した分子標的がん治療薬です。ALUNBRIGは2017年4月、クリゾチニブ投与中に進行したかクリゾチニブ抵抗性のALK陽性転移性NSCLC患者の治療薬として米食品医薬品局(FDA)の迅速承認を取得しました。本適応は、腫瘍奏功率および奏功期間に基づき、迅速承認制度により承認されました。本適応の承認継続は、検証的試験における臨床的ベネフィットの検証と説明が条件となります。

ALUNBRIGは、腫瘍がクリゾチニブ抵抗性のALK陽性NSCLC患者の治療薬として、FDAより画期的治療薬の指定を受け、ALK陽性NSCLC、ROS1陽性/EGFR陽性NSCLC患者の治療薬としてFDAより希少疾病用医薬品の指定を受けています。2017年2月にALUNBRIGの市販承認申請(MAA)が欧州医薬品庁(EMA)に提出されました。

ALTA臨床開発プログラムは、世界中のALK陽性NSCLC患者とその治療に携わっている医療従事者のために、革新的な治療薬を開発するという武田薬品の現在のコミットメントを一層強化するものです。ALUNBRIGは第3相ALTA 1L試験に加え、進行中の第1/2相および第2相のALTA試験で研究が行われています。第1/2相試験は、ALUNBRIGの安全性、忍容性、薬物動態、予備的な抗腫瘍活性の評価を実施するようにデザインされています。ピボタル第2相ALTA試験は、2種類の投与レジメンにてALUNBRIGの有効性と安全性を検討するようにデザインされています。FDAによるALUNBRIGの承認は、主としてALTA試験の結果に基づいています。

ブリガチニブの臨床試験に関する詳細情報はwww.clinicaltrials.govをご覧ください。

ALUNBRIGの重要な安全性情報(米国向け)

警告および注意

間質性肺疾患(ILD)/肺炎:肺については、間質性肺疾患(ILD)/肺炎と一致する重度/生命を脅かす/致命的有害反応がALUNBRIG投与で発現しています。ALTA試験(ALTA)で、ILD/肺炎が90 mg(90 mg 1日1回)投与群患者の3.7%、90→180 mg(90 mg 1日1回のリードイン期間7日間の後、180 mg 1日1回)投与群患者の9.1%で発現しました。ILD/肺炎の可能性がある疾患と一致する有害反応が患者の6.4%で早期段階(ALUNBRIG投与開始から9日以内、発現までの期間の中央値2日)に発現し、患者の2.7%でグレード3~4の反応が発現しました。特にALUNBRIG投与開始後の最初の1週間は、呼吸器症状(例:呼吸困難、咳等)の発現または悪化についてモニタリングします。呼吸器症状が発現または悪化した患者はすべてALUNBRIG投与を保留し、ILD/肺炎または呼吸器症状の他の原因(例:肺塞栓症、腫瘍進行、感染性肺炎)について直ちに評価を実施します。グレード1~2のILD/肺炎の場合、ベースラインまで回復した後に減量してALUNBRIG投与を再開するか、ALUNBRIG投与を永久的に中止します。グレード3~4のILD/肺炎の場合、またはグレード1~2のILD/肺炎が再発した場合は、ALUNBRIG投与を永久的に中止します。

高血圧症:ALTAで、高血圧症がALUNBRIG 90 mg投与群の11%、90→180 mg投与群の21%で報告されています。グレード3の高血圧症が患者全体の5.9%で発現しました。ALUNBRIG治療に先立ち、血圧を管理します。ALUNBRIG治療を開始して2週間後、その後の治療期間中は少なくとも毎月血圧をモニタリングします。最適な降圧療法にもかかわらずグレード3の高血圧症が発現した場合はALUNBRIG投与を保留します。重症度がグレード1まで回復した後、減量してALUNBRIG治療を再開します。グレード4の高血圧症、またはグレード3の高血圧症が再発する場合は、ALUNBRIG治療の永久的な中止を考慮します。徐脈を引き起こす降圧剤と併用してALUNBRIGを投与する場合は注意します。

徐脈:ALUNBRIG投与で徐脈が発現する場合があります。ALTA試験で、毎分50拍(bpm)未満が90 mg投与群の患者の5.7%、90→180 mg投与群の患者の7.6%で発現しています。グレード2の徐脈が90 mg投与群の患者1人(0.9%)で発現しています。ALUNBRIG治療期間中は心拍数と血圧をモニタリングします。徐脈を引き起こすことが判明している医薬品の併用が避けられない場合、患者のモニタリング頻度を高めます。症候性徐脈の場合はALUNBRIG投与を保留し、徐脈を引き起こすことが判明している併用薬の使用の有無を確認します。徐脈を引き起こすことが判明している併用薬が見つかり、投与を中断または投与量を調整した場合、症候性徐脈の消失後にALUNBRIG投与を同じ用量にて再開します。徐脈を引き起こす併用薬が見つからなかった場合、症候性徐脈が消失してからALUNBRIGの用量を削減します。生命を脅かす徐脈の場合、その要因となっている併用薬が特定されなければ、ALUNBRIGの投与を中止します。

視覚障害:ALTAで、かすみ目、複視、視力低下を含む視覚障害をもたらす有害反応がALUNBRIG治療を受けた患者で報告されており、割合は90 mg投与群で7.3%、90→180 mg投与群で10%となっています。90→180 mg投与群でグレード3の黄斑浮腫と白内障がそれぞれ患者1人で発現しています。何らかの視覚症状が現れたら報告するよう患者に助言します。重症度がグレード2以上の視覚症状が新規発現または悪化した患者では、ALUNBRIG投与を保留して眼科的評価を行います。グレード2ないしグレード3の視覚障害がグレード1の重症度またはベースラインまで回復した後、削減した用量にてALUNBRIG投与を再開します。グレード4の視覚障害の場合はALUNBRIG治療を永久的に中止します。

クレアチンホスホキナーゼ(CPK)上昇:ALTAで、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)上昇がALUNBRIG投与を受けた患者で発現しており、割合は90 mg投与群で27%、90 mg→180 mg投与群で48%となっています。グレード3~4のCPK上昇の発現率は、90 mg投与群で2.8%、90→180 mg投与群で12%でした。CPK上昇による減量が90 mg投与群の1.8%、90→180 mg投与群の4.5%で行われました。原因不明の何らかの筋痛、圧痛、脱力を経験した場合は報告するよう患者に助言します。ALUNBRIG治療期間中はCPK値をモニタリングします。グレード3またはグレード4のCPK上昇の場合はALUNBRIG投与を保留します。CPK上昇が消失するかグレード1ないしベースラインまで回復した後、同じ用量または削減した用量にてALUNBRIG投与を再開します。

膵酵素の上昇:ALTAで、アミラーゼの上昇が90 mg投与群の患者の27%、90→180 mg投与群の患者の39%で発現しています。リパーゼの上昇が90 mg投与群の患者の21%、90→180 mg投与群の患者の45%で発現しています。グレード3ないし4のアミラーゼ上昇が90 mg投与群の患者の3.7%、90→180 mg投与群の患者の2.7%で発現しています。グレード3ないし4のリパーゼ上昇が90 mg投与群の患者の4.6%、90→180 mg投与群の患者の5.5%で発現しています。ALUNBRIG治療期間中はリパーゼとアミラーゼをモニタリングします。グレード3ないし4の膵酵素上昇の場合はALUNBRIG投与を保留します。膵酵素上昇が消失するかグレード1ないしベースラインまで回復した後、同じ用量または削減した用量にてALUNBRIG投与を再開します。

高血糖症:ALTAで、ALUNBRIGの投与を受けた患者の43%が高血糖症の新規発現または悪化を経験しました。ラボ検査による空腹時血清グルコース値の評価に基づくグレード3の高血糖症が患者の3.7%で発現しています。ベースラインで糖尿病または耐糖能異常を患っていた患者20人中2人(10%)がALUNBRIG投与期間中にインスリンの投与開始を必要としました。ALUNBRIGの投与開始に先立ち空腹時血清グルコース値の評価を行い、その後は定期的にモニタリングします。必要に応じ血糖降下薬の投与を開始するか投与量を最適化します。最適な医療管理によって高血糖の適切なコントロールが達成できない場合、高血糖の適切なコントロールが達成できるまでALUNBRIGの投与を保留し、ALUNBRIGの投与量削減か永久的中止を検討します。

胚・胎児毒性:動物における作用機序と知見に基づけば、ALUNBRIGは妊婦に投与した場合、胎児に害を及ぼす可能性があります。妊婦でのALUNBRIGの使用に関する臨床データはありません。妊婦に対しては胎児への潜在的リスクについて助言します。妊娠する可能性のある女性には、ALUNBRIG治療期間中および最後の投与後少なくとも4カ月間は有効な非ホルモン性避妊薬を使用するよう助言します。妊娠する可能性のある女性パートナーを持つ男性には、治療期間中およびALUNBRIGの最後の投与後少なくとも3カ月間は有効な避妊法を用いるよう助言します。

有害反応

重篤有害反応が90 mg投与群の患者の38%、90→180 mg投与群の患者の40%で発現しています。最も多く発現した重篤有害反応は肺炎(全体で5.5%、90 mg投与群で3.7%、90→180 mg投与群で7.3%)とILD/肺臓炎(全体で4.6%、90 mg投与群で1.8%、90→180 mg投与群で7.3%)でした。致死性の有害反応が患者の3.7%で発現し、その内訳は肺炎(患者2人)、突然死、呼吸困難、呼吸不全、肺塞栓症、細菌性髄膜炎、尿路性敗血症(それぞれ患者1人)でした。

90 mg投与群で最も多く発現した有害反応(25%以上)は悪心(33%)、疲労(29%)、頭痛(28%)、呼吸困難(27%)で、90→180 mg投与群では悪心(40%)、下痢(38%)、疲労(36%)、咳(34%)、頭痛(27%)でした。

薬物相互作用

CYP3A阻害剤:強力なCYP3A阻害剤とALUNBRIGの併用は避けます。グレープフルーツおよびグレープフルーツジュースもブリガチニブの血漿濃度を上昇させる可能性があるため避けます。強力なCYP3A阻害剤の併用が避けられない場合は、ALUNBRIGの投与量を削減します。

CYP3A誘導剤:強力なCYP3A誘導剤とALUNBRIGの併用は避けます。

CYP3A基質:ホルモン性避妊薬を含むCYP3A基質とALUNBRIGの併用は、CYP3A基質の濃度低下と効果消失をもたらす場合があります。

特定集団における使用

妊婦:ALUNBRIGは胎児に害を与える可能性があります。妊娠する可能性がある女性には胎児への潜在的リスクについて助言します。

授乳婦:ブリガチニブの母乳への排泄または母乳摂取乳児ないし母乳産生への影響に関するデータは存在しません。母乳摂取乳児における有害反応の可能性があるため、授乳中の女性にはALUNBRIGによる治療期間中は母乳を与えないよう助言します。

生殖能力を持つ男女:

避妊法妊娠する可能性のある女性には、ALUNBRIG治療期間中および最後の投与後少なくとも4カ月間は有効な非ホルモン性避妊薬を使用するよう助言します。妊娠する可能性のある女性パートナーを持つ男性には、治療期間中およびALUNBRIGの最後の投与後少なくとも3カ月間は有効な避妊法を用いるよう助言します。

不妊:ALUNBRIGは男性の生殖能力を低減させる可能性があります。

小児への使用:小児患者でのALUNBRIGの安全性と有効性は確立していません。

高齢患者への使用:ALUNBRIGの臨床研究では、高齢患者における効果が若年患者の場合と異なるかどうかを判断するのに十分な人数の65歳以上の患者が対象となっていません。ALTAに参加した患者222人のうち、19.4%が65~74歳で、4.1%が75歳以上でした。65歳以上の患者と若年患者との間で、安全性または有効性について、臨床的に意義のある差異は観察されていません。

肝障害・腎障害:軽度の肝障害または軽度から中等度の腎障害を持つ患者の場合、投与量の調整は推奨されていません。中等度から重度の肝障害または重度の腎障害を持つ患者に対するALUNBRIGの安全性については研究されていません。

ALUNBRIGの完全な米国向け処方情報はwww.ALUNBRIG.comでご覧ください。

ニンラーロ(イキサゾミブ)カプセルについて

ニンラーロ(イキサゾミブ)は経口プロテアソーム阻害薬として、多発性骨髄腫の連続的治療過程と全身性軽鎖(AL)アミロイドーシスを対象に研究されています。また経口プロテアソーム阻害薬として初めて第3相臨床試験に入り、承認を取得しました。ニンラーロは優先審査を経て2015年11月に米食品医薬品局(FDA)の承認を取得し、2016年11月には欧州委員会の承認を取得しました。ニンラーロは米国と欧州において、レナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用で、過去に少なくとも1種類の治療を受けている多発性骨髄腫患者の治療を適応としています。ニンラーロは50カ国以上で規制当局から市販承認を取得しています。

イキサゾミブは2011年に米国および欧州の両方で多発性骨髄腫を対象とする希少薬指定を、2012年に米国および欧州の両方でALアミロイドーシスを対象とする希少薬指定を受けています。イキサゾミブは、関連する超希少疾患である再発性もしくは難治性の全身性軽鎖(AL)アミロイドーシスに対する画期的新薬の指定を2014年に米FDAから受けました。日本の厚生労働省は2016年にイキサゾミブを希少疾病用医薬品に指定しました。

イキサゾミブの包括的臨床開発プログラムであるTOURMALINEでは、計6件のピボタル試験が進行中で、5件は全体として主要な多発性骨髄腫すべての患者集団を、1件は軽鎖アミロイドーシスを検討しています。

  • TOURMALINE-MM1では、再発性もしくは難治性または両方の多発性骨髄腫を対象にレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用でイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
  • TOURMALINE-MM2では、初発の多発性骨髄腫患者を対象にレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用でイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
  • TOURMALINE-MM3では、初発の多発性骨髄腫患者を対象に導入療法および自家幹細胞移植(ASCT)後の維持療法としてイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
  • TOURMALINE-MM4では、ASCTを受けていない初発多発性骨髄腫患者を対象に維持療法としてイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。本試験は現在、患者を組み入れ中です。
  • TOURMALINE-MM5では、レナリドミド抵抗性となった再発性もしくは難治性または両方の多発性骨髄腫患者を対象に、イキサゾミブおよびデキサメタゾンの併用療法をポマリドミドおよびデキサメタゾンの併用療法と比較検討しています。
  • TOURMALINE-AL1では、再発性または難治性のALアミロイドーシス患者を対象に、イキサゾミブとデキサメタゾンの併用療法を医師が選択した特定のレジメンと比較検討しています。本試験は現在、患者を組み入れ中です。

TOURMALINEプログラムに加え、世界各国における研究者主導研究により、さまざまな患者集団を対象に、複数の治療薬との併用でイキサゾミブの評価が行われています。

ニンラーロ(イキサゾミブ):重要な安全性情報(世界向け)

特別な警告および注意

血小板減少症がNINLAROで報告されています(ニンラーロおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ28%および14%)。血小板のナディアは一般的に28日サイクルのそれぞれで14日~21日目に出現し、次のサイクルの開始までにベースラインまで回復しました。報告された症例は出血イベントの増加または血小板輸血に至っていません。ニンラーロ治療中は血小板数を少なくとも月1回モニタリングし、最初の3サイクルではさらにモニタリング頻度の増加を検討します。標準治療ガイドラインに従い、投与量の変更および血小板輸血により血小板減少症を管理します。

消化管毒性がニンラーロおよびプラセボの各レジメンで報告されています。毒性は下痢(42%および36%)、便秘(34%および25%)、悪心(26%および21%)、嘔吐(22%および11%)などで、制吐薬や下痢止め薬の使用、および支持療法が必要となる場合がありました。

末梢神経障害がニンラーロで報告されています(ニンラーロおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ28%および21%)。最も多く報告されている反応は末梢感覚神経障害(ニンラーロおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ19%および14%)です。末梢運動神経障害の報告はいずれのレジメンでもまれでした(1%未満)。末梢神経障害の症状につき、患者をモニタリングし、必要に応じ投与量を変更します。

末梢性浮腫がニンラーロで報告されています(ニンラーロおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ25%および18%)。根本原因につき患者を評価し、必要に応じ支持療法を実施します。症状が重い場合、処方情報に従ってデキサメタゾンの投与量を、またはニンラーロの投与量を変更します。

皮膚反応が発現した患者の割合はプラセボレジメンで11%であったのに対し、ニンラーロレジメンで19%でした。いずれのレジメンでも最も多く報告された発疹の種類は斑点状丘疹と斑状発疹でした。支持療法、投与量変更、投与中止により発疹を管理します。

肝毒性:薬物性肝障害、肝細胞障害、肝脂肪変性、胆汁うっ滞性肝炎がニンラーロ投与患者でまれに報告されています。肝酵素を定期的にモニタリングし、グレード3ないし4の症状の場合は投与量を変更します。

妊娠:ニンラーロは胎児に害を及ぼす場合があります。生殖能力を持つ男女の患者に対し、治療中およびニンラーロの最終投与からさらに90日間は避妊法を用いるように助言します。ニンラーロは胎児に害を及ぼす可能性があるため、出産可能な女性は、同薬服用中は妊娠を避ける必要があります。ホルモン性避妊薬を使用している女性は、さらに別の避妊法を用いる必要があります。

授乳:ニンラーロないしその代謝産物がヒト母乳中に排泄されるかどうかは不明です。乳児に有害事象が発現する可能性があるため、授乳は中止する必要があります。

特定の患者集団

肝障害:中等度から重度の肝障害を持つ患者ではニンラーロの投与開始量を3 mgに減らします。

腎障害:透析を必要とする重度の腎障害または末期腎疾患(ESRD)を持つ患者ではニンラーロの投与開始量を3 mgに減らします。ニンラーロは非透析性であるため、透析のタイミングとは無関係に投与可能です。

薬物相互作用

強力なCYP3A誘導薬とニンラーロの併用は推奨されません。

有害反応

ニンラーロレジメンで最も発現頻度が高く(20%以上)、プラセボレジメンよりも多く報告された有害反応は下痢(42%対36%)、便秘(34%対25%)、血小板減少症(28%対14%)、末梢神経障害(28%対21%)悪心(26%対21%)、末梢性浮腫(25%対18%)、嘔吐(22%対11%)、背部痛(21%対16%)でした。患者の2%以上で報告された重篤有害事象には血小板減少症(2%)と下痢(2%)が含まれます。それぞれの有害反応につき、ニンラーロレジメンの患者で3種類の医薬品のうち1種類以上を中止した割合は1%以下でした。

欧州連合向け製品特性概要:http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Product_Information/human/003844/WC500217620.pdf

米国向け処方情報:https://www.ninlarohcp.com/pdf/prescribing-information.pdf

カナダ向け製品モノグラフ:http://www.takedacanada.com/ninlaropm

武田薬品工業について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502)は研究開発を駆使する世界的製薬企業として、科学の成果を生活に変革をもたらす医薬品に橋渡しすることで、患者の健康を改善して患者に明るい未来をもたらすことに真剣な努力を傾けています。武田薬品はその研究開発活動をオンコロジー、消化器系疾患、神経精神疾患の各治療領域とワクチンに集中させています。武田薬品は革新の最前線に位置するため、研究開発を自社内および提携先との共同で実施しています。特にオンコロジーと消化器系疾患における革新的な製品と、新興市場におけるプレゼンスが、武田薬品の現在の成長を加速させています。武田薬品の約3万人の従業員は、70カ国以上でヘルスケア分野の提携先と協力しながら、患者の生活の質を向上させることに懸命の努力で取り組んでいます。

詳細情報についてはhttps://www.takeda.com/newsroom/をご覧ください。

武田薬品の詳細情報については当社ウェブサイト(www.takeda.com)を、武田薬品工業株式会社のグローバルオンコロジービジネスユニットのブランドであるTakeda Oncologyの詳細情報については本ブランドのウェブサイト(www.takedaoncology.com)をご覧ください。

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