SGIがオープンソースの数値流体力学ソフトでリードするOpenCFD Ltd.を買収

技術コンピューティング大手がオープンな包括的CFDソリューションの提供で、製品設計の新境地を開拓へ

米カリフォルニア州フリーモント--()--(ビジネスワイヤ)-- 信頼される技術コンピューティング大手のSGI(NASDAQ:SGI)は本日、オープンソースの数値流体力学ソフトでリードするOpenCFD Ltd.の買収を完了したと発表しました。

SGIのMark J. Barrenechea最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。「数値流体力学(CFD)は技術コンピューティングの最も重要な応用分野の1つです。SGIはOpenCFD Ltd.を買収することで、すべてのソフトウエアとハードウエアが連携する完全統合型のCFDソリューションを市場で初めて提供できるようになります。」

オープンソースのCFDソフトウエアでリードするOpenCFDは、商用エンジニアリング、科学、公共部門といった分野において活発で大規模なユーザー基盤を持っています。OpenCFDはソルバー80以上とユーティリティーアプリケーション170以上から成るOpenFOAM®の開発企業です。このソフトウエアは化学反応、乱流、熱伝達が関与する複雑な流体の流動から固体力学や電磁気学まで、あらゆる問題を解くことができます。OpenFOAMはオープンプラットフォームのため、顧客はすぐに入手し、自由にカスタマイズしたり既存の機能を拡張したりできるというメリットがあります。

OpenCFDの創立者であるヘンリー・ウェラー氏は、次のように述べています。「SGIの一部となり、OpenFOAMを次のレベルに引き上げられることに期待を寄せています。OpenFOAMはCFD用のコードとして最高の質を誇っています。オープンソースモデルによって、顧客にコードの透明性を提供し、ソフトウエア内部構造をすべて把握できるようにしていますが、これはとりわけ原子炉や航空機の設計といったプロジェクトで安全に関する計算を行う場合、信頼できる結果を得るために必要なことです。」

CFDは高価な物理的試作品を製作する必要がないため、さまざまな業界において製品の設計・開発を加速できます。企業はCFDを利用して、液体や気体が固体表面とどのように相互作用するのかについて、モデル化とシミュレーションが可能です。このため自転車から飛行機、プロペラからタービン、ポテトチップからシリコンチップまで、ほぼあらゆる製品の製造時に重要となる課題の1つに対処できます。世界中の企業はSGIのシステムで未来を築いていますが、SGIはCFDのためのオープンプラットフォームを提供することで、世界中のあらゆる設計技術者がCFDを利用できるようにします。

OpenCFDの顧客企業トータルスリムでマネジングディレクターを務めるロブ・ルイス氏は、次のように語っています。「SGIによるOpenCFDの買収とOpenFOAM基金の設立によって、OpenFOAMの継続的な成功に向け、長期的な安定性・リソース・体制が得られると確信しています。当社はSGIを通じてOpenCFDとの関係を継続し、OpenFOAMの利用と恩恵をエンジニアリングコミュニティー内で拡張すべく協力していきます。」

独立ソフトウエアベンダー、リバモア・ソフトウエア・テクノロジー・コーポレーションのジョン・O・ホールクウィスト社長は、次のように述べています。「コストという点で、世界レベルのCFDソフトウエア市場に参入するためのハードルがOpenFOAMによって大幅に下がっています。SGIはOpenFOAMに投資することで、既存ユーザーのほかに新規ユーザーを開拓し、CFD市場を飛躍的に拡大する可能性を手に入れることになります。これは本当にエキサイティングな展開です。」

ヘンリー・ウェラー氏が率いるOpenCFD社員すべてが正社員としてSGIに加わり、英国にあるSGIのEMEA本社に勤務します。SGIはまた、非営利基金を設立し、誰もがOpenFOAMを利用してコミュニティーに貢献できるようにしました。SGIはOpenFOAMの継続的な発展のために全力で取り組み、今後もGNU一般公有使用許諾(GPL)の下、オープン性を維持します。当社はCFD分野に取り組む科学者、開発者、エンジニア、学生すべてに対して、OpenFOAMコミュニティーに参加して、ソフトウエアをダウンロードして試用し、各自がコミュニティーに貢献をするよう呼び掛けています。

IDCのHPCリサーチ担当バイスプレジデントであるスティーブ・コンウェイ氏は、次のように述べています。「OpenFOAMはオープンソースのCFDソリューションとして、確固としたユーザー層を築いています。SGIは無償のオープンソース版が今後も発展するための恒久的な場を確保しつつ、充実した機能やSGIサービスとの緊密な統合を実現した有償版を追加していきたいと考えています。これは双方に利益をもたらすでしょう。」

SGIが出資するOpenFOAM基金のウェブサイト、openfoam.orgからOpenFOAMのソースコードを無償でダウンロードできます。その他、SGIは以下のサービスを提供する予定です。

  • OpenFOAMの有償サポートサブスクリプション。社内環境へのOpenFOAMの導入および運用を支援します。
  • 有償版の完全サポート付きSGI OpenFOAMディストリビューション。SGIメッセージ・パッシング・インターフェース(MPI)が付属します。SGI® OpenFOAM®とSGI®MPIを同時使用することで性能を最大限に引き出します。
  • 研修およびプロフェッショナルサービス。SGIシステムやその他の環境に対する複雑なCFD導入を支援します。

SGIのOpenFOAMは本日より、クラウドサービスのSGI® Cycloneを通じて、全機能をご利用いただけます。

2011年8月8日に完了した本買収の財務に関する詳細は公開されていません。

SGIについて

SGIは技術コンピューティング分野の信頼されるリーダー企業として、顧客が事業・技術上の最も困難な課題を解決できるよう支援することに注力しています。詳しい情報については、sgi.comをご覧ください。

SGIとのコンタクトは、ツイッター(@sgi_corp)、ユーチューブ(youtube.com/sgicorp)、リンクトインで可能です。

©2011 Silicon Graphics International Corp. All rights reserved. SGI、SGIのロゴ、OpenFOAMは、米国および/またはその他の国々におけるSilicon Graphics International Corp.またはその子会社の登録商標ないし商標です。その他の商標名やマークはすべて、各所有者の財産です。

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Analisa Schelle, 415-677-2721
SGImedia@ogilvypr.com

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