フェリングとリバイオティクスが2021年米国消化器病週間(DDW)にて微生物叢ベースのライブバイオ医薬品の治験薬RBX2660を検討する非盲検試験の良好な第3相中間結果を発表

  • 第3相PUNCH™ CD3非盲検試験(OLS)の中間解析から、再発性クロストリディオイデス・ディフィシル(C. difficile)感染症の患者においてRBX2660の有効性と一貫した安全性が最大6カ月間にわたって示され、微生物叢ベースの治療薬として最大規模の臨床開発プログラムの充実した証拠が拡大
  • 選択基準の拡大により、炎症性腸疾患(IBD)および過敏性腸症候群(IBS)と同時に診断された患者を含め、診療の場で一般的に見られるC. difficile感染症の患者の登録が可能に
  • 50万件近くの米国メディケア保険請求の分析を通じて、C. difficile感染症の潜在的な合併症である敗血症の甚大な影響を実証したデータも、DDWで発表

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スイス・サンプレ & 米ミネソタ州ローズビル--()--(ビジネスワイヤ) -- フェリング・ファーマシューティカルズとフェリング子会社のリバイオティクスは本日、微生物叢ベースのライブバイオ医薬品としての治験薬RBX2660を検討する第3相非盲検試験の中間データを初めて発表しました。このデータは、再発性クロストリディオイデス・ディフィシル(C. difficile)感染症を6カ月間にわたり低減し、その有効性と安全性の強い傾向を示しており、RBX2660の包括的な臨床開発プログラムで得られたこれまでの知見と一致しています。本試験では、炎症性腸疾患(IBD)や過敏性腸症候群(IBS)などの併存疾患があると診断された患者も登録しました。登録患者は、医療提供者が日々治療を行っている再発性C. difficile感染症の患者を厳密に反映したものになっています。これらの結果は、5月21~23日に開催された2021年米国消化器病週間(DDW)で発表しました。

エモリー大学メディカルスクール(ジョージア州アトランタ)感染症科准教授で発表著者のコリーン・クラフト医師(MD)は、次のように述べています。「これらのデータは重要な意味があります。その理由は、こうした研究の適格基準は厳格であることが多く、交絡因子となる可能性のある併存疾患を持つ患者が除外されるからです。対照的にPUNCH CD3非盲検試験の適格基準は、実際の診療現場に近くなるよう、厳格性が低くなっています。今回の中間解析は、IBDもしくはIBSまたは両方を併発している患者を含め、標準的な診療でよく見られる患者集団において、CDIの再発を低減するRBX2660の安全性と有効性を支持するものです。観察された有効性と安全性は、RBX2660の他の臨床試験とも一致しており、6カ月に及ぶ有効性の持続は、長期的な有効性を持つ可能性を示しています。」

中間解析の時点で、治療成績の分析が可能であった被験者の75%(n=60)が8週間後にC. difficile感染を患っていませんでした。また、治療が成功した患者のうち、6カ月間の追跡調査を受けた患者(n=27)では、74%が無症状を維持していました。患者の約半数(49%)がTEAE(治療下で発現した有害事象)を報告しました。最も一般的な有害事象は消化器疾患で、症状は軽度から中等度でした。これらの中間解析による知見は、5月21日にDDWで発表したPUNCH™ CD3ランダム化プラセボ対照第3相試験のデータを発展させ、それを支持するものです。

RBX2660プログラムは、微生物叢ベース治療薬の分野で過去に実施された中で最大規模の最も充実したもので、1000人以上の患者を組み入れている6件の臨床試験で構成されています。PUNCH CD3非盲検試験の中間解析で見られた6カ月間に及ぶ有効性と安全性に加え、第2b相の二重盲検ランダム化プラセボ対照試験(PUNCH CD2)および第2相の非盲検試験(PUNCH Open Label)で治療後最大2年までの臨床反応が示されました。

リバイオティクスの最高科学責任者(CSO)で、フェリング・ファーマシューティカルズのマイクロバイオーム研究担当バイスプレジデントのケン・ブラウントは、次のように述べています。「当社の臨床プログラムは6件の臨床試験で一貫した証拠をつかんでいる唯一のプログラムであり、RBX2660の有効性と安全性を繰り返し証明しています。PUNCH CD3非盲検試験の中間結果は、臨床医が日常の診療で目にするrCDI患者を含む結果であり、本開発プログラムの期間中にRBX2660で確認された一貫した安全性を裏付けるものです。当社は、RBX2660が再発性C. difficile感染症を毎年経験する何万もの人々を救うことができると考えており、これらのデータはRBX2660の潜在力を示す極めて重要な証拠です。」

CDI患者において敗血症が健康と経済に甚大な影響を与えることを示す後ろ向き研究

PUNCH CD3非盲検試験の結果に加え、フェリングは2件目のポスターを発表しました。このポスターは、米国のメディケア受給者である原発性CDI(pCDI)患者およびrCDI患者を対象に、敗血症の有無に応じて、死亡率、医療資源利用率(HRU)、費用を比較したものです。敗血症は、感染症に対する身体の極端な反応によって引き起こされる致死的な医療緊急事態であり、C. difficile感染症の患者によく見られる合併症です。全体では、全患者の41%が敗血症を発症しており、pCDI患者よりもrCDI患者に多く見られました(rCDIで45.1%、pCDIで39.2%)。敗血症の患者は、そうでない患者よりも、死亡する確率が上回っていました(それぞれ57.7%、32.4%)。

死亡した患者のうち、敗血症を併発したC. difficile感染症患者、特にrCDIを発症した患者は、敗血症を併発していないC. difficile感染症患者と比較して、集中治療室(ICU)の使用率、入院期間、医療費が大幅に増加しました。具体的には下記の通りです。

  • ICUの使用率(pCDI:29%対15%、rCDI:65%対34%)
  • 入院期間(pCDI:12日対10日、rCDI:12日対9日)
  • 医療費(pCDI:3万4841ドル vs. 2万2753ドル、rCDI:4万2269ドル vs. 2万5047ドル)

生存した敗血症患者のコストは、敗血症を併発していない患者と比較して低いものの、同様のパターンでした(pCDI:1万93ドル対4930ドル、rCDI:1万2013ドル対5707ドル)。

フェリング・ファーマシューティカルズUSAの最高科学責任者(CSO)であるジェームズ・トゥルジは、次のように述べています。「これらのデータは、再発性C. difficile感染症とそれに伴う敗血症などの合併症が、患者さんに甚大で潜在的に致死的な影響を与え、医療システム全体に大きな負担をかけていることを示しています。この疾患で見られるしつこい再発サイクルを止めるために緊急の対策が必要です。私たちは、患者さんが生活を改善できるよう、C. difficile感染症の重大性についての理解を深めることに貢献すべく、さらなる研究をお約束します。」

RBX2660について

RBX2660は微生物叢をベースとするファーストインクラスのライブバイオ医薬品候補であり、さまざまな微生物から成る微生物コンソーシアムを腸管に届け、再発性クロストリディオイデス・ディフィシル感染症を低減するための研究が行われています。RBX2660は、米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック、希少疾病用医薬品、画期的治療薬の各指定を受けています。1000人以上が6件の管理下臨床試験に参加して10年近くにわたる研究が行われ、充実した臨床データおよび微生物叢関連データが収集されてきましたが、ピボタル第3相プログラムはこれらの臨床試験を基礎としています。

微生物叢とクロストリディオイデス・ディフィシル感染症について

微生物叢は非常に多様な微生物コミュニティーであり、ヒトの健康で必須の役割を果たしています。腸内微生物叢の構成もしくは多様性またはその両方が混乱した場合、クロストリディオイデス・ディフィシル感染症などの重篤疾患のリスクが伴う可能性があることを示す証拠が増えています。

クロストリディオイデス・ディフィシルは、重症の下痢、発熱、腹部の圧痛ないし疼痛、食欲減退、悪心、大腸炎(大腸の炎症)などの衰弱性の症状をもたらす細菌です1。米国だけで毎年推定50万人が罹患し、何千人という人々が死亡する原因となっているクロストリディオイデス・ディフィシル感染症は、CDCが緊急かつ即時の対応が必要な公衆衛生上の脅威とみなし、入院、外科手術、敗血症、死亡を含む重症の合併症をもたらす場合があります1,2。クロストリディオイデス・ディフィシル感染症は、再発の悪循環の開始点となる場合が多く、患者と医療システムに大きな負担をかけています3,4。抗生物質の使用は腸内微生物叢の生態系を混乱させることが示されており、クロストリディオイデス・ディフィシル感染症再発の主要なリスク因子です。再発はクロストリディオイデス・ディフィシル感染症との初回診断を受けた患者の35%で発生しています5,6,7。初回の再発後、最大60%の患者が再発を繰り返す可能性が推定されています8

フェリング・ファーマシューティカルズについて

フェリング・ファーマシューティカルズは、研究主導型の特殊バイオ医薬品企業グループとして、世界中の人々が健康な家庭を築き、より良い生活を送っていただけるよう貢献することに傾倒しています。スイスのサンプレに本社を置くフェリングは、不妊症と産婦人科、消化器科と泌尿器科の専門分野におけるリーダー企業です。フェリングは、50年以上にわたり母子向けの治療薬開発を手掛け、受胎から出産までに対応する治療薬ポートフォリオを有しています。1950年設立の非上場企業であるフェリングは現在、世界各国で約6,500人の従業員を擁しており、60カ国近くで事業子会社を所有し、110カ国で製品を販売しています。詳細についてはwww.ferring.comをご覧いただくか、ツイッターフェイスブックインスタグラムリンクトインユーチューブで当社の情報をご覧ください。

フェリングは、再発性クロストリディオイデス・ディフィシル感染症の脅威をはじめとして、微生物叢とヒトの健康との間の極めて重要なつながりの追究に傾倒しています。2018年の リバイオティクス買収と他の数件の提携により、フェリングは微生物叢研究の世界的リーダーとなっており、微生物叢をベースの新規治療薬を開発することで、未充足の重要ニーズに対応し、人々がより良い生活を送れるよう貢献しています。当社のツイッターおよびリンクトインにおける微生物叢治療薬開発専門チャンネルをご覧ください。

リバイオティクスについて

フェリング子会社のリバイオティクスは、臨床微生物叢を手掛ける後期段階企業として、ヒト微生物叢の能力を利用し、困難な疾患の治療に革命をもたらすことに傾倒しています。リバイオティクスは、微生物叢をベースとする当社の先駆的なMRT™創薬プラットフォームを基盤とする治験薬製品の多様なパイプラインを擁しています。本プラットフォームは、生きた微生物から成る広範な微生物コンソーシアムを患者の腸管に届けることでヒト微生物叢を回復させる潜在力を持つようにデザインした治験薬技術で構成されています。リバイオティクスと、さまざまな病態を治療するためにヒト微生物叢に働きかける治療薬の当社パイプラインの詳細については、www.rebiotix.comをご覧いただくか、ツイッターフェイスブックリンクトインユーチューブで当社の情報をご覧ください。

DDWについて

米国消化器病週間(DDW)は、消化器病学、肝臓学、内視鏡検査、胃腸手術の各分野の医師、研究者、学者の国際学会として最大規模となります。米国肝臓学会(AASLD)、米国消化器病学会(AGA)研究所、米国消化器内視鏡学会(ASGE)、米国消化器外科学会(SSAT)が共催するDDWは、2021年5月21~23日に完全仮想形式で開催されます。本カンファレンスでは消化器分野の研究、医療、技術における最新の成果をめぐるアブストラクト2000件以上と講演数百件で構成されます。詳細情報についてはwww.ddw.orgをご覧ください。

References:

  1. Centers for Disease Control and Prevention. What Is C. Diff? 17 Dec. 2018. Available at: https://www.cdc.gov/cdiff/what-is.html. (米国疾病対策予防センター、「クロストリディオイデス・ディフィシルとは何か」)
  2. Centers for Disease Control and Prevention. Biggest Threats and Data, 14 Nov. 2019. Available at: https://www.cdc.gov/drugresistance/biggest-threats.html. (米国疾病対策予防センター、「最大の脅威とデータ」)
  3. Centers for Disease Control and Prevention. 24 June 2020. Available at: https://www.cdc.gov/drugresistance/pdf/threats-report/clostridioides-difficile-508.pdf. (米国疾病対策予防センター)
  4. Feuerstadt P, et al. J Med Econ. 2020;23(6):603-609.
  5. Lessa FC, Mu Y, Bamberg WM, et al. Burden of Clostridium difficile infection in the United States. N Engl J Med. 2015;372(9):825-834.
  6. Cornely OA, et al. Treatment of First Recurrence of Clostridium difficile Infection: Fidaxomicin Versus Vancomycin. Clinical Infectious Diseases. 2012;55(S2):S154–61.
  7. Langdon A, Crook N, Dantas G. The effects of antibiotics on the microbiome throughout development and alternative approaches for therapeutic modulation. Genome Med. 2016;8(1):39.
  8. Leong C, Zelenitsky S. Treatment strategies for recurrent Clostridium difficile infection. Can J Hosp Pharm. 2013;66(6):361-368.

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