AWSとアーム、クラウドでの量産規模の電子設計自動化を実証

アームが半導体の設計・検証をGraviton2ベースのインスタンス上で動作するAWSに移行し、新規プロジェクトのコストおよびスケジューリング・リスクが削減され、スループットは最大10倍改善し、エンジニアはイノベーションに注力可能に

Arm is migrating electronic design automation workloads to AWS, leveraging a range of Amazon EC2 instance types, including AWS Graviton2-based instances powered by Arm Neoverse cores. (Photo: Arm)

シアトル--()--(ビジネスワイヤ) -- アマゾン・ドット・コム(NASDAQ:AMZN)グループ企業のアマゾン ウェブ サービス(AWS)は本日、半導体設計とシリコン知的財産の開発およびライセンシングで世界をリードするアームが、同社の電子設計自動化(EDA)ワークロードの大半を含むクラウド利用に、AWSを活用すると発表しました。アームは、AWS Graviton2ベースのインスタンス(Arm Neoverseコアを使用)を活用してEDAのワークロードをAWSに移すことで、従来、半導体設計の検証という演算負荷の高い作業に、オンプレミスのデータセンターを利用していた半導体業界の変革を先導していきます。アームは検証をより効率的に行うために、クラウドを利用して実世界の計算シナリオのシミュレーションを実行し、AWSの仮想的に無制限のストレージと高性能の計算インフラを活用して、並列で実行する計算シミュレーションの数を拡張します。AWSクラウドへの移行を開始して以来、アームはAWS上のEDAワークフローでパフォーマンス時間を6倍向上させることができました。さらに、テレメトリーの実行(リモートソースからのデータの収集・統合)と解析をAWS上で実行することで、アームはより充実したエンジニアリング、ビジネス、運用に関する知見を生成し、ワークフローの効率を高め、コストとリソースの最適化を全社的に行う上で役立てています。アームは最終的に、AWSへの移行が完了するまでに、世界のデータセンターの設置面積を少なくとも45%、オンプレミスの計算を80%削減する計画です。

高度に特殊化された半導体デバイスは、スマートフォンからデータセンター・インフラや医療機器、自動運転車まで、あらゆるものの機能を向上させるために活用されています。各チップは最小のスペースで最大の性能を発揮できるように、一桁のナノメートル・レベル(人間の髪の毛の幅の約10万分の1以下)に設計された数十億個のトランジスタが搭載されています。EDAは、こうした極度のエンジニアリングを実現可能にする主要技術の1つです。EDAのワークフローは複雑で、フロントエンド設計、シミュレーション、検証のほか、タイミングや電力解析、設計ルールのチェック、そしてチップ生産準備のためのその他のアプリケーションなど、ますます大規模になるバックエンドのワークロードが含まれます。これらの高度に反復的なワークフローは、システムオンチップなどの新しいデバイスを生産する場合には、数カ月もしくは数年かかり、膨大な計算能力が必要です。こうしたワークロードをオンプレミスで実行する半導体企業は、コスト、スケジュール、データセンター・リソースのバランスを常に取りながら、複数プロジェクトを進めなければなりません。その結果、計算能力が不足して進行が遅れたり、アイドル状態の計算容量を維持するためのコストを負担したりする場合があります。

アームはEDAワークロードをAWSに移行することで、従来の方法で管理されていたEDAワークフローの制約を克服し、大規模に拡張可能な計算能力によって柔軟性を得て、シミュレーションの並列実行、テレメトリーおよび解析の簡素化、半導体設計における反復時間の短縮、そして納期に影響を与えないテストサイクルの追加が可能になります。アームはAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)を活用し、さまざまな専用のAmazon EC2インスタンスでEDAワークフローを最適化することで、コストとスケジュールを合理化しています。例えば、同社はAWS Graviton2ベースのインスタンスを使って高性能と拡張性を実現し、何十万台ものオンプレミス・サーバーを稼働させるよりも優れたコスト効率で運用しています。アームは、機械学習によって特定のワークロードに最適なAmazon EC2インスタンス・タイプを推奨するAWS Compute Optimizerサービスを使い、ワークフローの合理化に役立てています。

コスト面のメリット以外にも、アームはAWS Graviton2インスタンスの高性能を活用して、エンジニアリング・ワークロードのスループットを高め、前世代のx86プロセッサー・ベースのM5インスタンスと比較して、1ドルあたりのスループットを40%以上改善しています。さらにアームは、AWSのパートナーであるデータブリックのサービスを使い、クラウドで機械学習アプリケーションの開発と実行を行っています。Amazon EC2上で動作するデータブリックのプラットフォームを通じて、アームは自社のエンジニアリング・ワークフローのあらゆる段階のデータを処理し、同社のハードウエアおよびソフトウエア・グループのために実用的な知見を生成し、エンジニアリング効率において測定可能な改善を達成できます。

アームのIPGプレジデントのRene Haasは、次のように述べています。「AWSと協業して、効率性の向上とスループットの最大化に注力することで、エンジニアの貴重な時間を取り戻して、革新に集中できるようにしました。AWS Graviton2インスタンスをArm Neoverseベースのプロセッサーと共に、Amazon EC2上で実行できるようになったため、エンジニアリングのワークフローの最適化とコスト削減を行い、プロジェクト・スケジュールを加速させ、かつてないほど迅速にコスト効率よく、お客さまに強力な成果を提供できるようになりました。」

AWSの世界インフラストラクチャー・顧客サポート担当シニアバイスプレジデントのPeter DeSantisは、次のように語っています。「AWSは、次世代のEDAワークロードが必要とする真に融通性のある高性能コンピューティング、比類のないネットワーク性能、拡張性のあるストレージを提供できます。そのためアームと協業し、当社の高性能なArmベースのGraviton2プロセッサーで動作する、同社の要求が厳しいEDAワークロードを支えることに、大きな期待を感じています。Graviton2プロセッサーは、現行世代のx86ベースのインスタンスと比べて、価格性能で最大40%の優位性を提供できます。」

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14年にわたり、アマゾン ウェブ サービスは世界で最も包括的で広く導入されているクラウド・プラットフォームとなってきました。AWSは、演算、保存、データベース、ネットワーキング、アナリティクス、ロボット工学、機械学習、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、モバイル、セキュリティー、ハイブリッド、仮想現実と拡張現実(VR、AR)、メディア、アプリケーション開発、導入、管理のための175個を超えるフル機能のサービスを24個の地域にある77個のアベイラビリティーゾーン(AZ)から提供しています。また、オーストラリア、インド、インドネシア、日本、スペイン、スイスでさらに18個のアベイラビリティーゾーンと6個のAWSリージョンの計画が発表されています。最も急成長している新興企業、大企業、主要政府機関を含む数百万のお客さまが、AWSを信頼してインフラストラクチャーを強化し、即応性を高め、コストを引き下げています。AWSの詳細については、aws.amazon.comをご覧ください。

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