東芝:e・MMCTM Version 5.1に準拠した組込み式NAND型フラッシュメモリのラインアップ拡充について

― 「コマンドキューイング機能」と「セキュアライトプロテクション機能」に対応 ―

東芝:e・MMC(TM) Version 5.1に準拠した組込み式NAND型フラッシュメモリ(写真:ビジネスワイヤ)

東京--()--(ビジネスワイヤ) -- 株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社は、スマートフォンやタブレット、ウエアラブル端末向けに、JEDEC e・MMCTM Version 5.1[注1]に準拠した組込み式NAND型フラッシュメモリ(e・MMCTM[注2])の新製品として、「コマンドキューイング機能」と「セキュアライトプロテクション機能」を備えた製品を製品化しました。16GBと64GBの製品を本日からサンプル出荷し、32GB、128GBの製品も今後順次サンプル出荷していく予定です。

新製品は、15nmプロセスを用いたNAND型フラッシュメモリチップとコントローラチップを一体化した制御機能付の組み込み式NAND型フラッシュメモリです。2015年2月24日にJEDECから発表された e・MMCTM Version 5.1の規格に対して、当社は2014年10月に既にVersion 5.1の必須機能を全て備えたe・MMCTMを世界で初めて[注3]製品化しました。今回、JEDEC e・MMCTM Version 5.1でオプショナル機能として規定されている「コマンドキューイング機能」と「セキュアライトプロテクション機能」を備えた製品を新たにラインアップに加えました。

「コマンドキューイング機能」は、ユーザー(ホスト)が複数のコマンドを発行した場合、それらのコマンドにより生じたタスクをいったん待ち行列に入れておき、ユーザーがそれらのタスクを都合のいい順番で処理できるようにした機能で、ランダム読み出し性能の向上に寄与します。「コマンドキューイング機能」が付いていない当社従来製品に比べてランダム読み出し速度が最大約30%向上[注4]し、スマートフォンやタブレットなどで、複数のアプリケーションを同時に実行する際のユーザー使用体験を向上させる効果があります。

「セキュアライトプロテクション機能」は、従来のライトプロテクト機能を拡充したもので、ユーザーが指定したエリアに記録した情報が他人から上書き、または消去されるのを防ぐためのものです。この機能により、ユーザーは大切な情報の保護をより効果的に実施することができます。

当社は、スマートフォンやタブレットなどを中心にNAND型フラッシュメモリの需要が増加傾向にあり、中長期的にも市場拡大が見込まれると考えています。今後も高性能で大容量のメモリ製品のラインアップを強化し市場におけるリーダシップを堅持していきます。

 

新製品の概要

型 名   容量  

カテゴリ[注5]

  パッケージ   量産時期
THGBMHG7C2LBAIL 16GB Supreme 11.5x13x0.8mm 2015年4-6月期
THGBMHG8C4LBAIR 32GB 11.5x13x1.0mm 2015年4-6月期
THGBMHG9C8LBAIG 64GB 11.5x13x1.2mm 2015年4-6月期
THGBMHT0C8LBAIG   128GB     11.5x13x1.2mm   2015年4-6月期
 

新製品の主な特長

1.NAND型フラッシュメモリの制御機能を搭載

新製品は、NAND型フラッシュメモリの制御機能(書込みブロック管理、エラー訂正、ドライバーソフトウェアなど)を搭載しており、ユーザー側での開発負荷が軽減され、システム開発期間の短縮につながります。また、BKOPS制御、キャッシュバリア、キャッシュフラッシングレポート、ラージRPMBライトなどのJEDEC e・MMCTM Version 5.1で新たに規定された新規機能[注6]に対応し、ユーザーの使い勝手を良くするよう配慮しています。

2.「コマンドキューイング機能」の導入により高速化を実現

JEDEC e・MMCTM Version 5.1の新規機能(オプショナル)である「コマンドキューイング機能」を導入することにより、ランダム読み出し性能の向上を図っており、従来製品に比べてランダム読み出し速度が最大約30%高速化可能[注4]です。

3.大容量データの記録が可能

128GBモデルでは、HD画質動画で約16.3時間、SD画質動画で約39.7時間、ワンセグでは約668時間の映像データ[注7]の記録が可能です。

 

新製品の主な仕様

インターフェース   JEDEC e・MMCTM Version 5.1規格準拠

HS-MMCインターフェース

容 量 16GB, 32GB, 64GB, 128GB
電源電圧

2.7~3.6V (メモリコア)

1.7V~1.95V / 2.7V~3.6V(インターフェース)

バス幅 x1 / x4 / x8
動作温度

-25℃~+85℃

パッケージ   153Ball FBGA

11.5mmx13.0mm

 
[注1]   JEDECが規定する組込み式NAND型フラッシュメモリembedded MMC標準規格の一つで、2015年2月24日に正式発行されました。
[注2] embedded MultiMediaCard 。JEDECの規格に準拠した組込みメモリで、JEDEC Solid State Technology Associationの商標です。
[注3] 2014年10月2日時点。東芝調べ。
[注4] 東芝調べ。
[注5]

当社e・MMCTM 製品のカテゴリで、「Supreme」はハイエンドクラスに、「Premium」はミドル・ローエンドクラスのアプリケーションに適した製品群を表します。

[注6] BKOPS (Background operations) 制御はバックグラウンドオペレーションをデバイスの待機時間に実行する機能、キャッシュバリアはキャッシュに入っているデータをメモリチップに書き込むタイミングを制御する機能、キャッシュフラッシングレポートはデバイスのデータ書き込み順番がFIFO(First In First Out)であるかどうかを通知する機能、ラージRPMBライトはRPMB領域に書き込めるデータサイズを8KBに拡大する機能。
[注7]

各平均ビットレートは、HD画質 約17Mbps、SD画質 約7Mbps、ワンセグ(QVGA) 約416Kbpsで計算。

 

※本製品の表示は搭載されているフラッシュメモリに基づいており、実際にご使用いただけるメモリ容量ではありません。メモリ容量の一部を管理領域等として使用しているため、ご使用いただけるお客様の使用可能なメモリ容量(ユーザ領域)はそれぞれの製品仕様をご確認ください。(1GBを1,073,741,824バイトとして計算しています。)
※読み出し/書き込み速度は1MB/秒を1,000,000バイト/秒として計算しています。

お客様からの製品に関するお問い合わせ先:
メモリ営業推進統括部
Tel: 03-3457-3355

Contacts

報道関係の本資料に関するお問い合わせ先:
株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社
高畑浩二
Tel: 03-3457-4963
e-mail: semicon-NR-mailbox@ml.toshiba.co.jp

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