米食品医薬品局がPOMALYST®(ポマリドマイド)を再発・難治性多発性骨髄腫の治療薬として承認

POMALYST(R) brand therapy (Photo: Business Wire)

米ニュージャージー州サミット--()--(ビジネスワイヤ) -- セルジーン・コーポレーション(NASDAQ: CELG)は本日、ブランド薬POMALYST®(ポマリドマイド)を米食品医薬品局(FDA)が承認したと発表しました。適応は、レナリドミドおよびボルテゾミブを含め、少なくとも2種類以上の前治療を受け、最後の治療から60日以前に疾患進行を示している多発性骨髄腫患者の治療です。

承認は奏功率に基づくものです。生存率または症状の改善など、臨床的有用性の検証は行われていません。

承認の裏付けとなっているのはMM-002試験の結果です。本試験は第2相ランダム化非盲検試験で、最後に受けた骨髄腫治療が無効でレナリドミドとボルテゾミブを投与された再発性多発性骨髄腫患者において、ポマリドマイド(28日サイクルのそれぞれの1~21日目に4 mgを1日1回)と低用量デキサメタゾン(75歳以下の患者の場合、28日サイクルのそれぞれの1、8、15、22日目のみに1日40 mg、75歳を超える患者の場合、28日サイクルのそれぞれの1、8、15、22日目のみに1日20 mg)の併用療法を、ポマリドマイド(28日サイクルのそれぞれの1~21日目に4 mgを1日1回)の単独療法と比較評価したものです。

奏功率の評価が可能な患者221人のうち、部分奏功または改善を経験した患者の割合は、ポマリドマイド単独療法の群が7.4%(95% CI 3.3, 14.1)であったのに対し、ポマリドマイド+低用量デキサメタゾンの群は29.2%(95% CI 21.0, 38.5)に達しました。全奏功率は、欧州血液骨髄移植グループ(EMBT)判定基準に基づいて独立審査判定委員会(IRAC)が下した奏功率に基づきました。ポマリドマイド+低用量デキサメタゾンの群の患者における奏功期間の中央値は7.4カ月(95% CI 5.1, 9.2)であったのに対し、ポマリドマイド単独療法の群ではその中央値にまだ達していません。

POMALYSTはサリドマイド誘導体で、妊婦への使用が禁忌とされ、POMALSYT REMSTMと名付けられた制限的流通プログラムを通じてのみ入手可能です。POMALYST治療を受けた多発性骨髄腫患者では、深部静脈血栓症(DVT)と肺塞栓症(PE)が発症しています。「枠組み警告」、「禁忌」、「警告と注意」、「有害反応」を含むすべての処方情報を確認してください。

試験では安全性評価が可能な患者は219人に上りました。ポマリドマイド+低用量デキサメタゾンの群で最も多かったグレード3ないし4の有害反応(≥15%)は、ポマリドマイド単独の群と比較して、好中球減少症(38%および47%)、貧血症(21%および22%)、血小板減少症(19%および22%)、肺炎(23%および16%)でした。

POMALYSTは米国では制限的流通プログラムのPOMALYST REMS™を通じてのみ入手可能となります。

POMALYST®はセルジーン・コーポレーションの登録商標です。

POMALYST®について

経口治療薬POMALYST®はIMiDs®化合物のポマリドマイドで構成されています。POMALYSTおよびその他のIMiDs化合物は、100件以上の臨床試験で継続的に評価が行われています。

POMALYST®(ポマリドマイド)は、レナリドミドおよびボルテゾミブを含め、少なくとも2種類以上の前治療を受け、最後の治療から60日以前に疾患進行を示している多発性骨髄腫患者への使用が適応となっています。承認は奏功率に基づくものです。生存率または症状の改善などの臨床的有用性の検証は行われていません。

安全性に関する重要情報

警告: 胚・胎児毒性および静脈血栓塞栓症

胚・胎児毒性

  • POMALYSTは妊婦への使用が禁忌です。POMALYSTはサリドマイド誘導体です。サリドマイドは重度の先天的障害または胚・胎児死亡をもたらすヒト催奇形物質として知られています。妊娠可能な女性の場合、POMALYST治療の開始前に妊娠検査を2回実施して結果が陰性でなければなりません。
  • 妊娠可能な女性はPOMALYST治療の期間中と終了後4週間、2種類の避妊法を取るか、異性間性交渉を継続的に控える必要があります。

POMALYSTはPOMALYST REMSTMと名付けられた制限的流通プログラムを通じてのみ入手可能です。

静脈血栓塞栓症

  • POMALYST治療を受けた多発性骨髄腫患者では、深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)が発症しています。臨床試験では予防的な抗血栓処置が施されました。個々の患者の背景にある危険因子を評価した上で予防的処置を検討してください。

禁忌: 妊婦

  • POMALYSTは胎児に害をもたらす可能性があり、妊婦への使用は禁忌とされています。妊娠中に使用する場合、または患者が本薬を服用中に妊娠した場合、胎児に対する潜在的な危険性を患者に通告しなければなりません。
  • ポマリドマイドはサリドマイド誘導体で、器官形成期に投与された場合、ラットとウサギの両方で催奇形性を示します。

警告と注意

胚・胎児毒性

  • 妊娠可能な女性: POMALYST服用中および治療完了後最低4週間は、妊娠を避ける必要があります。POMALYST治療の開始4週間前から治療期間中、休薬期間中を通じ、さらにPOMALYST治療の終了後4週間は、異性間性交渉を継続的に控えるか、信頼できる2種類の避妊法を取る必要があります。治療開始に先立ち、妊娠検査を2回実施して結果が陰性でなければなりません。
  • 男性: ポマリドマイドは服用中の患者の精液中に存在します。男性は精管切除術を成功裏に完了している場合でも、POMALYST服用中およびPOMALYST服用中止から28日後までは、妊娠可能な女性とのいかなる性交渉に際してもラテックスまたは合成素材のコンドームを使用しなければなりません。男性は精子提供してはなりません。
  • 献血: 患者はPOMALYST治療の期間中および同薬の中止後1カ月は献血を行ってはなりません。POMALYSTに曝露してはならない胎児を持つ妊娠中の女性に血液が提供される可能性があるためです。

POMALYST REMSプログラム

胚・胎児へのリスクがあるため、POMALYSTはリスク評価・軽減戦略(REMS)に基づき、「POMALYST REMS」と名付けられた制限的流通プログラムを通じてのみ入手可能です。処方者および薬剤師は本プログラムの認定を受ける必要があります。患者は同意書に署名し、要求事項を順守しなければなりません。POMALYST REMSプログラムの詳細情報は[celgeneriskmanagement.com]から、または1-888-423-5436にお電話くだされば入手可能です。

静脈血栓塞栓症: POMALYST服用患者は、重篤な有害事象として報告された静脈血栓塞栓性事象を発症しています。試験では、患者全員に予防処置ないし抗血栓処置を受けることが要求されました。DVTおよびPEの発生率は3%でした。個々の患者の背景にある危険因子を評価した上で、予防的抗凝固療法を検討してください。

血液毒性:グレードに関係なく好中球減少症は患者の50%で報告され、グレード3ないし4の有害事象としては最も報告が多く、続いて多かったのは貧血症および血小板減少症でした。血液毒性、特に好中球減少症につき患者をモニタリングし、全血球計算値を最初の8週間は毎週、その後は毎月測定してください。グレード3ないし4の血液毒性が示された場合、臨床知見と測定数値に基づいて治療の継続ないし修正を判断してください。好中球減少症および血小板減少症に対処するため、投与中断もしくは投与量変更、または両者が推奨されます。

過敏性反応: サリドマイドまたはレナリドマイドに伴って重篤な過敏性反応を過去に経験している患者は、過敏性反応のリスクが高いと考えられ、試験から除外されました。

目まいと錯乱状態: 患者の18%が目まい、12%が錯乱状態を経験しています。患者の1%がグレード3ないし4の目まい、3%がグレード3ないし4の錯乱状態を経験しました。目まいまたは錯乱状態が問題となるような状況を避け、目まいや錯乱状態をもたらす可能性のある他の医薬品を医師からの適切な助言なしに服用しないよう、患者に指示する必要があります。

神経障害: 患者の18%が神経障害(約9%は末梢神経障害)を経験しています。グレード3以上の神経障害の有害反応は1例も報告されていません。

続発性原発腫瘍のリスク: 多発性骨髄腫以外の治験薬としてPOMALYSTを投与された患者において、急性骨髄性白血病が報告されています。

有害反応

POMALYST単独(n=107)またはPOMALYST+低用量デキサメタゾン(低用量dex)(n=112)の投与を受けた患者219人の臨床試験では、すべての患者が試験治療下で発現した有害反応を少なくとも1件経験しています。

  • 最も多かった有害反応(≥30%)はPOMALYST単独とPOMALYST+低用量デキサメタゾンのそれぞれの群で、疲労・無力症(55%、63%)、好中球減少症(52%、47%)、貧血症(38%、39%)、便秘(36%、35%)、悪心(36%、22%)、下痢(34%、33%)、呼吸困難(34%、45%)、上気道感染症(32%、25%)、背痛(32%、30%)、発熱(19%、30%)でした。
  • POMALYST単独療法を受けた患者の90%と、POMALYST+低用量dexの併用療法を受けた患者の88%は、治療下でNCI CTCグレード3ないし4の有害反応を少なくとも1件経験しました。
  • 最も多かったグレード3ないし4の有害反応(≥15%)はPOMALYST単独とPOMALYST+低用量デキサメタゾンのそれぞれの群で、好中球減少症(47%、38%)、貧血症(22%、21%)、血小板減少症(22%、19%)、肺炎(16%、23%)でした。好中球減少症と血小板減少症を除くグレード3ないし4の毒性の場合、治療を中断して毒性がグレード2と同等かそれ以下に低減した後に、医師の判断で前より1 mg少ない用量にて治療を再開してください。
  • POMALYSTによる治療を受けた患者の67%と、POMALYST+低用量dexによる治療を受けた患者の62%は、治療下で重篤有害反応を少なくとも1件経験しました。
  • 最も多かった重篤有害反応(≥5%)はPOMALYST単独とPOMALYST+低用量デキサメタゾンのそれぞれの群で、肺炎(14%、19%)、腎不全(8%、6%)、呼吸困難(5%、6%)、敗血症(6%、3%)、発熱(3%、5%)、脱水症(5%、3%)、高カルシウム血症(5%、2%)、尿路感染症(0%、5%)、発熱性好中球減少症(5%、1%)でした。

薬物相互作用

POMALYSTの薬物相互作用に関する正式な試験は実施されていません。ポマリドマイドは主としてCYP1A2およびCYP3Aによって代謝されます。またポマリドマイドはP糖タンパク質(P-gp)の基質となります。CYP1A2、CYP3A、P-gpの強力な阻害剤または誘導剤である薬物とPOMALYSTの併用は避けるべきです。喫煙はCYP1A2誘導によりポマリドマイド曝露を低減する可能性があります。喫煙がポマリドマイドの効果を低減する可能性があることを患者に知らせる必要があります。

特定集団における使用

妊婦: 治療期間中に妊娠した場合、本薬の投与を直ちに中止し、生殖毒性の分野で経験が豊富な産科医や婦人科医に紹介し、詳細な評価とカウンセリングを受けてもらうようにしてください。胎児のPOMALYSTへの曝露が疑われる場合は、必ずMedWatchプログラム(電話番号1-800-332-1088)を通じてFDAに報告し、セルジーン・コーポレーション(電話番号1-888-423-5436)にも報告願います。

授乳婦: ポマリドマイドがヒトの母乳に移行するかどうかは不明です。ポマリドマイドは授乳期ラットの母乳に移行したと報告されています。多くの医薬品はヒトの母乳に移行するため、またPOMALYSTが乳児に有害反応をもたらす可能性があるため、本薬の母体にとっての重要性を考慮しつつ、授乳を中止するか服用を中止するかの判断が必要となります。

小児における使用: 18歳未満の患者におけるPOMALYSTの安全性と有効性は確立していません。

高齢者における使用: POMALYSTは年齢に基づく用量調節が不要です。65歳以上の患者は、65歳以下の患者と比較して、肺炎発症の可能性が高くなっています。

腎不全と肝不全: ポマリドマイドは肝臓で代謝されます。ポマリドマイドとその代謝産物は主として腎臓から排泄されます。ポマリドマイドの安全性・有効性・薬物動態に対する腎不全と肝不全の影響はまだ評価されていません。血清クレアチニンが3.0 mg/dLを超える患者に対してはPOMALYSTの使用を避けてください。血清ビリルビンが2.0 mg/dLを超え、AST/ALTが3.0 x ULNを超える患者に対してはPOMALYSTの使用を避けてください。

「枠組み警告」、「禁忌」、「警告と注意」、「有害反応」を含むすべての処方情報を確認してください。

POMALYST(ポマリドマイド)は、レナリドミドおよびボルテゾミブを含め、少なくとも2種類以上の前治療を受け、最後の治療から60日以前に、あるいは60日時点で疾患進行を示している多発性骨髄腫患者への使用が適応となっています。承認は奏功率に基づくものです。生存率または症状の改善などの臨床的有用性の検証は行われていません。

多発性骨髄腫について

多発性骨髄腫(骨髄腫または形質細胞骨髄腫としても知られている)は血液のがんで、悪性形質細胞が骨髄で過剰増殖する疾患です。形質細胞は、感染および疾患と戦う抗体(免疫グロブリンと呼ばれる)の産生を助ける白血球です。ただし、多発性骨髄腫患者の大半は、人体に利益をもたらさないパラプロテイン(Mタンパク質)と呼ばれる免疫グロブリンの一形態を産生する細胞を持っています。さらに悪性形質細胞は正常な形質細胞や、免疫系にとって重要な他の白血球に取って代わります。また多発性骨髄腫細胞は骨など身体の他の組織に付着し、腫瘍を形成する場合があります1。この疾患の原因はまだ不明です2

セルジーンについて

米ニュージャージー州サミットに本社を置くセルジーン・コーポレーションは国際的な総合バイオ製薬企業で、主として遺伝子とタンパク質の調節によりがんと炎症性疾患を治療する新規治療薬の創薬・開発・商業化に努めています。詳細情報については当社ウェブサイトwww.celgene.comをご覧ください。

将来見通しに関する記述

本プレスリリースには、将来見通しに関する記述が含まれています。一般的にこれらは過去の事実に関する記述ではありません。将来見通しに関する記述は、「予想する」、「見込む」、「考える」、「意図する」、「見積もる」、「計画する」、「するだろう」、「見通し」といった用語で特定できます。将来見通しに関する記述は経営陣の現在の計画、見積もり、想定、予測に基づいており、発表時点での見解です。法で義務付けられた場合を除き、新たな情報や将来の出来事が発生した場合でも、当社は将来見通しに関する記述を更新する義務を負うものではありません。将来見通しに関する記述は固有のリスクと不確実性を伴います。これらのほとんどは予想が難しく、通常は当社の管理範囲を超えたものです。実際の結果や成果は、多くの要因の影響により、将来見通しに関する記述で示唆されたものと大きく異なる可能性があります。これらの要因の大部分については、フォーム10-Kによる当社年次報告書や、証券取引委員会への提出書類で詳しく議論されています。

1 http://www.cancer.org/cancer/multiplemyeloma/detailedguide/multiple-myeloma-what-is-multiple-myeloma

2 http://www.cancer.org/cancer/multiplemyeloma/detailedguide/multiple-myeloma-what-causes

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