武田薬品、拡大したオンコロジーポートフォリオを近日開催の医学学会におけるデータ発表を通じて紹介

武田薬品は米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会、欧州血液学会(EHA)、国際悪性リンパ腫学会(ICML)でデータを発表 –

− データは、広範囲のがんで患者の未充足ニーズに対応するという武田薬品の使命を明確に示す –

米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪--()--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE: 4502)は本日、近日開催の3つの医学学会で新しい臨床分析と治療成績分析の結果を取り上げると発表しました。これらの学会は、6月2~6日にシカゴで開催される第53回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会、6月22~25日にマドリードで開催される第22回欧州血液学会(EHA)、6月14~17日にスイスのルガーノで開催される2017年国際悪性リンパ腫学会(ICML)です。今年の各学会での発表は、血液がん患者のために武田薬品が一貫して傾倒していることを浮き彫りにすると同時に、固形腫瘍を対象に新しい標的化治療薬とパイプライン資産を最近追加したことで拡大したポートフォリオを示すものとなります。

Takeda Oncologyのクリストフ・ビアンキ社長(M.D.)は、次のように述べています。「近日開催されるこれら医学学会への武田薬品の参加は、がん患者に革新成果を提供するための当社のたゆまない努力を証明するものです。当社が発表するデータは、転移性非小細胞肺がんを対象としたALUNBRIG™(ブリガチニブ)の最近の承認により、血液悪性腫瘍と固形腫瘍の両方を含む形に最近拡大した当社ポートフォリオの深みと幅広さを浮き彫りにするもので、がんを治すという当社の切なる願いの実現へさらに近づけてくれるものです。」

ASCOで武田薬品は、ALUNBRIG™のピボタル第2相ALTA(ALK in Lung Cancer Trial of AP26113/肺がんでALK阻害剤AP26113を検討する試験)試験から得た患者報告アウトカムと生活の質に関する知見を発表します。ALUNBRIG™は最近、クリゾチニブ投与中に進行したかクリゾチニブ抵抗性の未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療薬として、米食品医薬品局(FDA)の迅速承認を取得しました。転移性NSCLC患者の約2~8パーセントに ALK遺伝子の転座が見られます。クリゾチニブ抵抗性ALK陽性NSCLC患者における血漿のALK変異状態に応じたALUNBRIG™の活性についても、分析結果を取り上げます。

ASCOとEHAのいずれでも、リンパ腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病を含め、さまざまな血液がんに対する武田薬品の医薬品研究の結果が取り上げられます。CD30陽性皮膚T細胞リンパ腫でのアドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)の第3相ALCANZA試験から得たデータは、ASCOとEHAの両方で発表されます。初発の多発性骨髄腫患者でNINLARO(イキサゾミブ)を検討する数件の第1相試験および第2相試験についてEHAで発表が行われますが、その中にはイキサゾミブとレナリドミドおよびデキサメタゾンの併用療法に続くイキサゾミブ単剤による維持療法を評価する口頭発表が2件含まれます。またASCOとEHAでは、多種類の療法による前治療歴を持つ慢性期の慢性骨髄性白血病でアイクルシグ(ポナチニブ)を検討する第2相PACE試験から得た5年データが取り上げられます。

武田薬品がスポンサーとなった研究でASCO 2017における発表が認められた9件のアブストラクトと、EHA 2017で発表される15件のアブストラクトの中で、注目すべきは次の通りです。

2017年ASCO年次総会

アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン):

ALUNBRIG(ブリガチニブ):

アイクルシグ(ポナチニブ):

第22回EHA大会

アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン):

NINLARO (イキサゾミブ):

アイクルシグ(ポナチニブ):

詳細情報についてはASCO(https://am.asco.org/program)とEHA(http://www.eha-2017.org/)のオンラインプログラムをご覧ください。ICMLのアブストラクトは6月7日に公開されます。

アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)について

アドセトリスは進行中の臨床試験70件以上で広範な評価を受けています。これらの試験には3件の第3相試験、すなわち古典的ホジキンリンパ腫のフロントライン治療として進行中のECHELON-1試験、成熟型T細胞リンパ腫のフロントライン治療として進行中のECHELON-2試験に加え、皮膚T細胞リンパ腫を対象に完了し、2017年中頃に生物学的製剤の一部変更承認申請を計画しているALCANZA試験が含まれます。

アドセトリスは、シアトル・ジェネティクスの専有技術を使用し、抗CD30モノクローナル抗体を、タンパク質分解酵素により開裂するリンカーで、微小管阻害剤モノメチルアウリスタチンE(MMAE)と結合させたADCです。本ADCが採用するリンカーシステムは、血中では安定し、CD30陽性の腫瘍細胞に取り込まれると、MMAEを放出するように設計されています。

静脈内注射用アドセトリスはFDAより、3件の適応症で承認を取得しました。これらの適応症は、(1)古典的ホジキンリンパ腫患者で、自家造血幹細胞移植(自家HSCT)が失敗した患者か、自家HSCTの候補でなく、過去に少なくとも2回の多剤化学療法レジメンが失敗した患者の治療に対する通常の承認、(2)再発ないし進行のリスクが高い古典的ホジキンリンパ腫患者を対象とする自家HSCT地固め療法に対する通常の承認、(3)全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)患者で、過去に1回以上の多剤化学療法レジメンが失敗した患者の治療に対する迅速承認、となります。sALCLの適応症は、全奏効率に基づいて迅速承認を受けました。sALCLの適応に対する承認継続は、検証的試験で臨床的有用性が検証・説明されることが条件になる可能性があります。カナダ保健省はアドセトリスに対し、再発性ないし難治性のホジキンリンパ腫およびsALCLを適応症として条件付きで承認を与えました。

アドセトリスは2012年10月に欧州委員会より、2件の適応症で条件付きの市販承認を取得しました。これらの適応症は、(1)自家幹細胞移植(ASCT)後、またはASCTないし多剤化学療法が治療選択肢でない場合に少なくとも2種類の治療を受けた後の再発性ないし難治性のCD30陽性成人ホジキンリンパ腫患者の治療、(2)再発性または難治性の成人sALCL患者の治療、となります。欧州委員会は、アドセトリスに対する現在の条件付き市販承認を拡大し、ASCT後に再発・進行リスクの高いCD30陽性ホジキンリンパ腫の成人患者の治療薬としてアドセトリスを承認しました。

アドセトリスは再発性/難治性ホジキンリンパ腫とsALCLを適応に 66カ国以上で規制当局より市販承認を取得しています。下記の重要な安全性情報をご覧ください。

シアトル・ジェネティクスと武田薬品はアドセトリスを共同開発しています。提携契約の条件に従い、シアトル・ジェネティクスは米国とカナダでアドセトリスを商業化する権利を保有し、武田薬品は世界のその他の地域で商業化する権利を保有します。シアトル・ジェネティクスと武田薬品は、アドセトリスの開発費を50対50の割合で共同負担していますが、例外的に日本における開発費に関しては武田薬品が単独で責任を負っています。

アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)の重要な安全性情報(世界向け)

禁忌

ブレンツキシマブ・ベドチンおよびその賦形剤に対し過敏症を示す患者に対する同剤の使用は禁忌となっています。またブレオマイシンとアドセトリスの併用は肺毒性をもたらすので、禁忌となっています。

特別な警告および注意

進行性多巣性白質脳症(PML):アドセトリスによる治療を受けた患者で、PMLおよび死亡をもたらすジョン・カニンガム・ウイルス(JCV)の再活性化が起こることがあります。複数の化学療法レジメンを受けた後にアドセトリスを投与された患者でPMLが報告されています。

神経・認知・行動関連でPMLを示唆する兆候・症状の新規発症または悪化につき、患者を密にモニタリングする必要があります。PMLの評価法として提案されているものには、神経科医による診察、脳のガドリニウム増強核磁気共鳴画像法、ポリメラーゼ連鎖反応によるJCV DNAの脳脊髄液分析、JCVの所見がある場合の脳生検が含まれます。PMLが疑われる症例すべてでアドセトリス投与を保留し、PMLの診断が確定したらアドセトリスを永久的に中止する必要があります。

膵炎:アドセトリスによる治療を受けた患者で、急性膵炎が観察されています。致死的転帰が報告されています。急性膵炎を疑わせる腹痛の新規発症または悪化につき、患者を密にモニタリングする必要があります。患者の評価には身体診察、血清アミラーゼと血清リパーゼのラボ検査、超音波など腹部画像検査、その他の適切な診断法があり得ます。急性膵炎が疑われる症例すべてでアドセトリス投与を保留し、急性膵炎の診断が確定したらアドセトリスを永久的に中止する必要があります。

肺毒性:アドセトリスによる治療を受けた患者で、致死的転帰を伴う場合がある肺毒性の症例が報告されています。アドセトリスとの因果関係は確立していませんが、肺毒性のリスクは排除できません。肺症状の新規発症や悪化があれば、ただちに評価して適切な治療を施す必要があります。

重篤感染および日和見感染:アドセトリスによる治療を受けている患者で肺炎、ブドウ球菌血症、敗血症/敗血症性ショック(致死 的転帰を含む)、帯状疱疹などの重篤感染と、ニューモシスチス・イロベチ肺炎や口腔カンジダなどの日和見感染が報告されています。患者に対しては治療中、 重篤感染および日和見感染の発現可能性につき、注意深くモニタリングする必要があります。

注入に伴う反応(IRR):即時型および遅延型のIRRと、アナフィラキシーがアドセトリス投与で発現しています。患者を注入 時と注入後に注意深くモニタリングする必要があります。アナフィラキシーが発現した場合、アドセトリス投与を即時・永続的に中止し、適切な治療を施す必要 があります。IRRが発現した場合、注入を中断して適切な医療管理を行う必要があります。注入は症状が解消してから速度を落として再開することも可能で す。IRRを過去に経験している患者は、その後の注入に備えて準備投薬する必要があります。IRRはアドセトリスに対する抗体を持つ患者ほど頻度と重症度 が高くなっています。

腫瘍崩壊症候群(TLS):アドセトリス投与でTLSが報告されています。腫瘍が急速に増殖して腫瘍量が多い患者はTLSのリスクがあります。これら患者は密にモニタリングし、最適な医療に基づいて管理する必要があります。

末梢神経障害(PN):アドセトリスによる治療は感覚神経障害、運動神経障害の両神経障害をもたらす場合があります。アドセト リス誘発性PNは一般的にほとんどの症例において蓄積的で可逆的です。知覚鈍麻、知覚過敏、知覚障害、不快感、灼熱感、神経因性疼痛、虚弱などPNの症状 につき、患者をモニタリングする必要があります。PNの新規発症や悪化を経験した患者では、アドセトリス投与の延期、投与量削減、中止が必要となる場合が あります。

血液毒性:グレード3ないし4の貧血、血小板減少症、長期(1週間以上)のグレード3ないし4の好中球減少症がアドセトリスで発現する場合があります。各投与に先立ち全血球計算値をモニタリングする必要があります。

発熱性好中球減少症:発熱性好中球減少症が報告されています。発熱性好中球減少症が発症した場合、患者を発熱につき密にモニタリングし、最適な医療に基づき管理する必要があります。

スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS):アドセトリス投与でSJSおよび中毒性表皮壊死症(TEN)が報告されています。致死的転帰が報告されています。SJSまたはTENが発症した場合、アドセトリスによる治療を中止し、適切な治療を施す必要があります。

消化管合併症:腸閉塞、イレウス、腸炎、好中球減少性大腸炎、びらん、潰瘍、穿孔、出血を含め、致死的転帰を伴う場合がある消化管合併症が報告されています。消化管合併症の新規発症や悪化は、直ちに評価して適切な治療を施す必要があります。

血液毒性:アラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の上昇が報告されています。血液毒性の重篤な症例(致死的転帰を含む)も発現していま す。アドセトリス投与を受ける患者では、治療開始に先立って肝機能を検査し、定期的にモニタリングする必要があります。血液毒性を経験した患者では、アドセトリス投与の延期、投与量変更、中止が必要となる場合があります。

高血糖症:試験では糖尿病の病歴有無にかかわらず肥満指数(BMI)の高い患者で高血糖症が報告されています。高血糖イベントを経験した患者は全員、血清グルコースを密にモニタリングする必要があります。糖尿病治療を適宜開始する必要があります。

腎・肝障害:腎・肝障害を抱えた患者における経験は限られています。入手できるデータは、MMAEクリアランスが重度の腎障害および肝障害と、低い血清アルブミン濃度による影響を受ける可能性があることを示しています。肝障害または重度の腎障害の患者では、3週ごとに30分の静脈内注入による1.2 mg/kgの開始用量が推奨されます。腎障害または肝障害の患者は、有害事象につき密にモニタリングする必要があります。

賦形剤におけるナトリウム量:本医薬品は1回の投与量当たり最大2.1 mmol(47 mg)のナトリウムを含みます。ナトリウム制限食を取っている患者で考慮する必要があります。

薬物相互作用
強力なCYP3A4阻害剤やP-gp阻害剤をアドセトリスと併用している患者は、好中球減少症のリスクが高まる可能性があるため、密にモニタリングする必要があります。アドセトリスとCYP3A4誘導剤の同時投与はアドセトリスの血漿中濃度を変えませんでしたが、アッセイで検出され得るMMAE代謝産物の血漿中濃度の低減をもたらすと思われます。アドセトリスはCYP3A4酵素によって代謝される薬物への曝露に変化をもたらすとは考えられません。

妊娠:妊娠の可能性がある女性は、アドセトリスによる治療を受けている期間と治療後6カ月目までは2種類の効果的な避妊法を取る必要があります。アドセトリスの妊婦での使用に関するデータは存在しませんが、動物試験で生殖毒性が示されています。母体に対するベネフィットが胎児に対する潜在的リスクを上回る場合を除き、アドセトリスを妊娠中に使用してはなりません。妊婦が治療を受ける必要がある場合、胎児への潜在的リスクについて 明確な助言を受ける必要があります。

授乳(母乳育児):アドセトリスまたはその代謝産物が母乳中に排泄されるかどうかを示すデータは存在しませんので、新生児/乳児に対するリスクは排除できません。潜在的リスクがあるため、母乳育児を中止するかアドセトリスによる治療を中止/自制するかを決断する必要があります。

生殖:非臨床試験でアドセトリスによる治療は精巣毒性をもたらしているため、男性の生殖能力を変化させる可能性があります。本医薬品による治療を受けている男性には、治療期間中と最後の投与から最長6カ月後までは子供をもうけないように助言します。

有害反応
重篤な有害薬物反応には、肺炎、急性呼吸窮迫症候群、頭痛、好中球減少症、血小板減少症、便秘、下痢、嘔吐、悪心、発熱、末梢運動神経障害、末梢感覚神経障害、高血糖症、脱髄性多発性神経炎、腫瘍崩壊症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群が含まれます。

アドセトリスの臨床試験で、非常に頻度が高い(1/10以上)と判断された有害反応は、感染症、上気道感染、好中球減少症、PN(感覚神経障害・運動神経 障害)、咳、呼吸困難、下痢、悪心、嘔吐、便秘、腹痛、脱毛症、掻痒症、筋痛症、関節痛、疲労、発熱、悪寒、注入に伴う反応、体重減少でした。頻度が高い (1/100以上1/10未満)と判断された有害反応は、敗血症/敗血症性ショック、帯状疱疹、肺炎、単純ヘルペス、貧血、血小板減少症、高血糖症、めまい、脱髄性多発性神経炎、ALT/AST値の上昇、発疹、背部痛でした。

NINLAROTM(イキサゾミブ)カプセルについて

NINLAROTM(イキサゾミブ)は、経口プロテアソーム阻害薬として、多発性骨髄腫の連続的治療過程と全身性軽鎖(AL)アミロイドーシスを対象に研究されています。また経口プロテアソーム阻害薬として初めて第3相臨床試験に入り、承認を取得しました。NINLAROは優先審査の指定を受け、2015年11月に米食品医薬品局(FDA)の承認を取得しました。NINLAROは米国において、レナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用で、過去に少なくとも1種類の治療を受けている多発性骨髄腫患者の治療を適応としています。

イキサゾミブは2011年に米国および欧州の両方で多発性骨髄腫を対象とする希少薬指定を、2012年に米国および欧州の両方でALアミロイドーシスを対象とする希少薬指定を受けています。イキサゾミブは再発性もしくは難治性の全身性軽鎖(AL)アミロイドーシスに対する画期的新薬の指定を2014年に米FDAから受けました。

武田薬品は世界各国の多発性骨髄腫患者と、その治療に当たっている医療専門家のため、革新的な治療薬の開発に真剣な努力を傾けているところであり、イキサゾミブの包括的臨床開発プログラムであるTOURMALINEはこうした現行の取り組みをさらに強化するものです。TOURMALINEでは計5件のピボタル試験が進行中で、4件は全体として主要な多発性骨髄腫すべての患者集団を、1件は軽鎖アミロイドーシスを検討しています。

  • TOURMALINE-MM1では、再発性もしくは難治性または両方の多発性骨髄腫を対象にレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用でイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
  • TOURMALINE-MM2では、初発の多発性骨髄腫患者を対象にレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用でイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
  • TOURMALINE-MM3では、初発の多発性骨髄腫患者を対象に導入療法および自家幹細胞移植(ASCT)後の維持療法としてイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
  • TOURMALINE-MM4では、ASCTを受けていない初発多発性骨髄腫患者を対象に維持療法としてイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。本試験は現在、患者を組み入れ中です。
  • TOURMALINE-AL1では、再発性または難治性のALアミロイドーシス患者を対象に、イキサゾミブとデキサメタゾンの併用療法を医師が選択した特定のレジメンと比較検討しています。本試験は現在、患者を組み入れ中です。

TOURMALINEプログラムに加え、世界各国における研究者主導研究により、さまざまな患者集団を対象に、複数の治療薬との併用でイキサゾミブの評価が行われています。

NINLAROTM(イキサゾミブ):重要な安全性情報(世界向け)

特別な警告および注意

血小板減少症 がNINLAROで報告されています(NINLAROおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ28%および14%)。血小板のナディアは一般的に28日サイクルのそれぞれで14日~21日目に出現し、次のサイクルの開始までにベースラインまで回復しました。報告された症例は出血イベントの増加または血小板輸血に至っていません。NINLARO治療中は血小板数を少なくとも月1回モニタリングし、最初の3サイクルではさらにモニタリング頻度の増加を検討します。標準治療ガイドラインに従い、投与量の変更および血小板輸血により血小板減少症を管理します。必要に応じ投与量を変更します。

消化管毒性がNINLAROで報告されています(NINLAROおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ28%および21%)。最も多く報告されている反応は末梢感覚神経障害(NINLAROおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ19%および14%)です。末梢運動神経障害の報告はいずれのレジメンでもまれでした(1%未満)。末梢神経障害の症状につき、患者をモニタリングし、必要に応じ投与量を変更します。

末梢神経障害がNINLAROで報告されています(NINLAROおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ25%および18%)。根本原因につき患者を評価し、必要に応じ支持療法を実施します。症状が重い場合、処方情報に従ってデキサメタゾンの投与量を、またはNINLAROの投与量を変更します。

末梢性浮腫がNINLAROで報告されています(NINLAROおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ25%対18%)。根本原因につき患者を評価し、必要に応じ支持療法を実施します。症状が重い場合、処方情報に従ってデキサメタゾンの投与量を、またはNINLAROの投与量を変更します。

皮膚反応が発現した患者の割合はプラセボレジメンで11%であったのに対し、NINLAROレジメンで19%でした。いずれのレジメンでも最も多く報告された発疹の種類は斑点状丘疹と斑状発疹でした。支持療法、投与量変更、投与中止により発疹を管理します。

肝毒性、薬物性肝障害、肝細胞障害、肝脂肪変性、胆汁うっ滞性肝炎がNINLARO投与患者でまれに報告されています。肝酵素を定期的にモニタリングし、グレード3ないし4の症状の場合は投与量を変更します。

妊娠 - NINLAROは胎児に害を及ぼす場合があります。生殖能力を持つ男女の患者に対し、治療中およびNINLAROの最終投与からさらに90日間は避妊法を用いるように助言します。NINLAROは胎児に害を及ぼす可能性があるため、出産可能な女性は、同薬服用中は妊娠を避ける必要があります。ホルモン性避妊薬を使用している女性は、さらに別の避妊法を用いる必要があります。

授乳 - NINLAROないしその代謝産物がヒト母乳中に排泄されるかどうかは不明です。乳児に有害事象が発現する可能性があるため、授乳は中止する必要があります。

特定の患者集団
肝障害:中等度から重度の肝障害を持つ患者ではNINLAROの投与開始量を3 mgに減らします。
腎障害:透析を必要とする重度の腎障害または末期腎疾患(ESRD)を持つ患者ではNINLAROの投与開始量を3 mgに減らします。NINLAROは非透析性であるため、透析のタイミングとは無関係に投与可能です。

薬物相互作用
強力なCYP3A誘導薬とNINLAROの併用は推奨されません。

有害反応
NINLAROレジメンで最も発現頻度が高く(20%以上)、プラセボレジメンよりも多く報告された有害反応は下痢(42%対36%)、便秘(34%対25%)、血小板減少症(28%対14%)、末梢神経障害(28%対21%)、悪心(26%対21%)、末梢性浮腫(25%対18%)、嘔吐(22%対11%)、背部痛(21%対16%)でした。患者の2%以上で報告された重篤有害事象には血小板減少(2%)と下痢(2%)が含まれます。それぞれの有害反応につき、NINLAROレジメンの患者で3種類の医薬品のうち1種類以上を中止した割合は1%以下でした。

欧州連合向け製品特性概要: http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Product_Information/human/003844/WC500217620.pdf
米国向け処方情報: https://www.ninlarohcp.com/pdf/prescribing-information.pdf
カナダ向け製品モノグラフ: http://www.takedacanada.com/ninlaropm

ALUNBRIG™(ブリガチニブ)について

ALUNBRIGは、武田薬品が2017年2月に買収したアリアド・ファーマシューティカルズが創薬した分子標的がん治療薬です。ALUNBRIGは2017年4月28日に、クリゾチニブ投与中に進行したかクリゾチニブ抵抗性の未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療薬として米食品医薬品局(FDA)の迅速承認を取得しました。本適応は、腫瘍奏功率および奏功期間に基づき、迅速承認制度により承認されました。本適応の承認継続は、検証的試験における臨床的ベネフィットの検証と説明が条件となります。ALUNBRIGは、腫瘍がクリゾチニブ抵抗性のALK陽性NSCLC患者の治療薬として、FDAより画期的治療薬の指定も受け、ALK陽性NSCLC、ROS1陽性/EGFR陽性NSCLC患者の治療薬としてFDAより希少疾病用医薬品の指定を受けています。2017年2月にALUNBRIGの市販承認申請(MAA)が欧州医薬品庁(EMA)に提出されました。

ALTA臨床開発プログラムは、世界中のALK陽性NSCLC患者とその治療に携わっている医療従事者のために、革新的な治療薬を開発するという武田薬品の現在のコミットメントを一層強化するものです。進行中の第1/2相および第2相のALTA試験に加え、ALK阻害剤による前治療を受けていない局所進行性/転移性ALK陽性NSCLC患者を対象に、クリゾニチブと比較してブリガチニブの有効性と安全性を評価する第3相ALTA 1L試験も実施中です。

ALUNBRIGの詳細については、www.ALUNBRIG.comをご覧いただくか、ALUNBRIG 1POINTまで1-844-A1POINT (1-844-217-6468)にお電話ください。

ブリガチニブの臨床試験に関する詳細情報についてはwww.clinicaltrials.govをご覧ください。

重要な安全性情報(米国向け)

警告および注意

間質性肺疾患(ILD)/肺炎:間質性肺疾患(ILD)/肺炎と一致する重度/生命を脅かす/致命的有害反応がALUNBRIG投与で発現しています。ALTA試験(ALTA)で、ILD/肺炎が90 mg(90 mg 1日1回)投与群患者の3.7%、90→180 mg(90 mg 1日1回のリードイン期間7日間の後、180 mg 1日1回)投与群患者の9.1%で発現しました。ILD/肺炎の可能性がある疾患と一致する有害反応が患者の6.4%で早期段階(ALUNBRIG投与開始から9日以内、発現までの期間の中央値2日)に発現し、患者の2.7%でグレード3~4の反応が発現しました。特にALUNBRIG投与開始後の最初の1週間は、呼吸器症状(例:呼吸困難、咳等)の新規発現または悪化についてモニタリングします。呼吸器症状が発現または悪化した患者はすべてALUNBRIG投与を保留し、ILD/肺炎または呼吸器症状の他の原因(例:肺塞栓症、腫瘍進行、感染性肺炎)について直ちに評価を実施します。グレード1~2のILD/肺炎の場合、ベースラインまで回復した後に減量してALUNBRIG投与を再開するか、ALUNBRIG投与を永久的に中止します。グレード3~4のILD/肺炎の場合、またはグレード1~2のILD/肺炎が再発した場合は、ALUNBRIG投与を永久的に中止します。

高血圧症:ALTAで、高血圧症がALUNBRIG 90 mg投与群の11%、90→180 mg投与群の21%で報告されています。グレード3の高血圧症が患者全体の5.9%で発現しました。ALUNBRIG治療に先立ち、血圧を管理します。ALUNBRIG治療を開始して2週間後、その後の治療期間中は少なくとも毎月血圧をモニタリングします。最適な降圧療法にもかかわらずグレード3の高血圧症が発現した場合はALUNBRIG投与を保留します。重症度がグレード1まで回復した後、減量してALUNBRIG治療を再開します。グレード4の高血圧症、またはグレード3の高血圧症が再発する場合は、ALUNBRIG治療の永久的な中止を考慮します。徐脈を引き起こす降圧剤と併用してALUNBRIGを投与する場合は注意します。

徐脈:ALUNBRIG投与で徐脈が発現する場合があります。ALTA試験で、毎分50拍(bpm)未満が90 mg投与群の患者の5.7%、90→180 mg投与群の患者の7.6%で発現しています。グレード2の徐脈が90 mg投与群の患者1人(0.9%)で発現しています。ALUNBRIG治療期間中は心拍数と血圧をモニタリングします。徐脈を引き起こすことが判明している医薬品の併用が避けられない場合、患者のモニタリング頻度を高めます。症候性徐脈の場合はALUNBRIG投与を保留し、徐脈を引き起こすことが判明している併用薬の使用の有無を確認します。徐脈を引き起こすことが判明している併用薬が見つかり、投与を中断または投与量を調整した場合、症候性徐脈の消失後にALUNBRIG投与を同じ用量にて再開します。徐脈を引き起こす併用薬が見つからなかった場合、症候性徐脈が消失してからALUNBRIGの用量を削減します。生命を脅かす徐脈の場合、その要因となっている併用薬が特定されなければ、ALUNBRIGの投与を中止します。

視覚障害:ALTAで、かすみ目、複視、視力低下を含む視覚障害をもたらす有害反応がALUNBRIG治療を受けた患者で報告されており、割合は90 mg投与群で7.3%、90→180 mg投与群で10%となっています。90→180 mg投与群でグレード3の黄斑浮腫と白内障がそれぞれ患者1人で発現しています。何らかの視覚症状が現れたら報告するよう患者に助言します。重症度がグレード2以上の視覚症状が新規発現または悪化した患者では、ALUNBRIG投与を保留して眼科的評価を行います。グレード2ないしグレード3の視覚障害がグレード1の重症度またはベースラインまで回復した後、削減した用量にてALUNBRIG投与を再開します。グレード4の視覚障害の場合はALUNBRIG治療を永久的に中止します。

クレアチンホスホキナーゼ(CPK)上昇:ALTAで、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)上昇がALUNBRIG投与を受けた患者で発現しており、その割合は90 mg投与群で27%、90 mg→180 mg投与群で48%となっています。グレード3~4のCPK上昇の発現率は、90 mg投与群で2.8%、90→180 mg投与群で12%でした。CPK上昇による減量が90 mg投与群の1.8%、90→180 mg投与群の4.5%で行われました。原因不明の何らかの筋痛、圧痛、脱力を経験した場合は報告するよう患者に助言します。ALUNBRIG治療期間中はCPK値をモニタリングします。グレード3またはグレード4のCPK上昇の場合はALUNBRIG投与を保留します。CPK上昇が消失するかグレード1ないしベースラインまで回復した後、同じ用量または削減した用量にてALUNBRIG投与を再開します。

膵酵素の上昇:ALTAで、アミラーゼの上昇が90 mg投与群の患者の27%、90→180 mg投与群の患者の39%で発現しています。リパーゼの上昇が90 mg投与群の患者の21%、90→180 mg投与群の患者の45%で発現しています。グレード3ないし4のアミラーゼ上昇が90 mg投与群の患者の3.7%、90→180 mg投与群の患者の2.7%で発現しています。グレード3ないし4のリパーゼ上昇が90 mg投与群の患者の4.6%、90→180 mg投与群の患者の5.5%で発現しています。ALUNBRIG治療期間中はリパーゼとアミラーゼをモニタリングします。グレード3ないし4の膵酵素上昇の場合はALUNBRIG投与を保留します。膵酵素上昇が消失するかグレード1ないしベースラインまで回復した後、同じ用量または削減した用量にてALUNBRIG投与を再開します。

高血糖症:ALTAで、ALUNBRIGの投与を受けた患者の43%が高血糖症の新規発現または悪化を経験しました。ラボ検査による空腹時血清グルコース値の評価に基づくグレード3の高血糖症が患者の3.7%で発現しています。ベースラインで糖尿病または耐糖能異常を患っていた患者20人中2人(10%)がALUNBRIG投与期間中にインスリンの投与開始を必要としました。ALUNBRIGの投与開始に先立ち空腹時血清グルコース値の評価を行い、その後は定期的にモニタリングします。必要に応じ血糖降下薬の投与を開始するか投与量を最適化します。最適な医療管理によって高血糖の適切なコントロールが達成できない場合、高血糖の適切なコントロールが達成できるまでALUNBRIGの投与を保留し、ALUNBRIGの投与量削減か永久的中止を検討します。

胚・胎児毒性:動物における作用機序と知見に基づけば、ALUNBRIGは妊婦に投与した場合、胎児に害を及ぼす可能性があります。妊婦でのALUNBRIGの使用に関する臨床データはありません。妊婦に対しては胎児への潜在的リスクについて助言します。妊娠する可能性のある女性には、ALUNBRIG治療期間中および最後の投与後少なくとも4カ月間は有効な非ホルモン性避妊薬を使用するよう助言します。妊娠する可能性のある女性パートナーを持つ男性には、治療期間中およびALUNBRIGの最後の投与後少なくとも3カ月間は有効な避妊法を用いるよう助言します。

有害反応
重篤有害反応が90 mg投与群の患者の38%、90→180 mg投与群の患者の40%で発現しています。最も多く発現した重篤有害反応は肺炎(全体で5.5%、90 mg投与群で3.7%、90→180 mg投与群で7.3%)とILD/肺臓炎(全体で4.6%、90 mg投与群で1.8%、90→180 mg投与群で7.3%)でした。致死性の有害反応が患者の3.7%で発現し、その内訳は肺炎(患者2人)、突然死、呼吸困難、呼吸不全、肺塞栓症、細菌性髄膜炎、尿路性敗血症(それぞれ患者1人)でした。

90 mg投与群で最も多く発現した有害反応(25%以上)は悪心(33%)、疲労(29%)、頭痛(28%)、呼吸困難(27%)で、90→180 mg投与群では悪心(40%)、下痢(38%)、疲労(36%)、咳(34%)、頭痛(27%)でした。

薬物相互作用
CYP3A阻害剤:強力なCYP3A阻害剤とALUNBRIGの併用は避けます。グレープフルーツおよびグレープフルーツジュースもブリガチニブの血漿濃度を上昇させる可能性があるため避けます。強力なCYP3A阻害剤の併用が避けられない場合は、ALUNBRIGの投与量を削減します。
CYP3A誘導剤:強力なCYP3A誘導剤とALUNBRIGの併用は避けます。
CYP3A基質:ホルモン性避妊薬を含むCYP3A基質とALUNBRIGの併用は、CYP3A基質の濃度低下と効果消失をもたらす場合があります。

特定集団における使用
妊婦:ALUNBRIGは胎児に害を与える可能性があります。妊娠する可能性がある女性には胎児への潜在的リスクについて助言します。

授乳婦:授乳中の女性にはALUNBRIG治療期間中と最後の投与後1週間は授乳を行わないよう助言します。

生殖能力を持つ男女:
避妊法:妊娠する可能性のある女性には、ALUNBRIG治療期間中および最後の投与後少なくとも4カ月間は有効な非ホルモン性避妊薬を使用するよう助言します。妊娠する可能性のある女性パートナーを持つ男性には、治療期間中およびALUNBRIGの最後の投与後少なくとも3カ月間は有効な避妊法を用いるよう助言します。

不妊:ALUNBRIGは男性の生殖能力を低減させる可能性があります。

小児への使用:小児患者でのALUNBRIGの安全性と有効性は確立していません。

高齢患者への使用:ALUNBRIGの臨床研究では、高齢患者における効果が若年患者の場合と異なるかどうかを判断するのに十分な人数の65歳以上の患者が対象となっていません。ALTAに参加した患者222人のうち、19.4%が65~74歳で、4.1%が75歳以上でした。65歳以上の患者と若年患者との間で、安全性または有効性について、臨床的に意義のある差異は観察されていません。

肝障害・腎障害:軽度の肝障害または軽度から中等度の腎障害を持つ患者の場合、投与量の調整は推奨されていません。中等度から重度の肝障害または重度の腎障害を持つ患者に対するALUNBRIGの安全性については研究されていません。

米国向け処方情報:https://www.alunbrig.com/assets/pi.pdf

アイクルシグ(ICLUSIG®、ポナチニブ)錠について

アイクルシグはキナーゼ阻害剤で、その主要な標的はBCR-ABLです。BCR-ABLは慢性骨髄性白血病(CML)とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)で発現する異常なチロシンキナーゼです。アイクルシグはアリアドが、コンピューターと構造に基づくアリアドの医薬品設計プラットフォームで設計し、特別にBCR-ABLの活性を阻害するようにしました。アイクルシグの標的にはネイティブのBCR-ABLのみならず、T315I変異を含め、治療抵抗性をもたらすBCR-ABLのアイソフォームも含まれます。同変異は承認済みの他のTKIに対する抵抗性と関連しています。アイクルシグは米国、EU、オーストラリア、スイス、イスラエル、カナダ、日本で承認を取得しています。

米国でアイクルシグはキナーゼ阻害剤として下記を適応症としています。

  • 慢性期/移行期/急性転化期の慢性骨髄性白血病(CML)またはフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)を患い、他のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)療法が適応とならない成人患者の治療。
  • T315I陽性慢性骨髄性白血病(慢性期、移行期、急性転化期)またはT315I陽性Ph+ ALLの成人患者の治療。

使用の制限:

アイクルシグは、初発慢性期CML患者の治療を適応としておらず、同患者の治療薬として推奨されません。

重要な安全性情報

注記がある場合を除き、第2相試験の48カ月フォローアップ解析(N=449)に基づく。

警告:動脈閉塞、静脈血栓塞栓症、心不全、肝毒性

完全な枠組み警告については処方情報の全文をご覧ください。

  • アイクルシグ(ポナチニブ)による治療を受けている患者の35%以上で、致死的な心筋梗塞、脳卒中、脳大動脈の狭窄、重度の抹消血管疾患、緊急の血行再建術を必要とする事態を含め、動脈閉塞が発現しています。50歳未満の患者を含め、心血管リスクを持つ患者も持たない患者もこれらのイベントを経験しました。血管閉塞が発現した場合はアイクルシグを即座に中断ないし中止します。リスクとベネフィットの検討に基づき、アイクルシグ治療を再開するかどうか決定します。
  • 静脈血栓塞栓症がアイクルシグ治療を受けた患者の6%で発現しています。血栓塞栓症の証拠につきモニタリングします。重篤な静脈血栓塞栓症が発現した患者ではアイクルシグの用量調節または中止を検討します。
  • 死亡例を含む心不全がアイクルシグ治療を受けた患者の9%で発現しています。心機能をモニタリングします。心不全が新規発症ないし悪化した場合はアイクルシグを中断ないし中止します。
  • 肝毒性、肝不全、死亡がアイクルシグ治療を受けている患者で発現しています。肝機能をモニタリングします。肝毒性が疑われる場合はアイクルシグを中断します。

警告および注意

動脈閉塞:致死的な心筋梗塞、脳卒中、脳の主幹動脈狭窄、重度の末梢血管疾患を含む動脈閉塞が、第1相試験および第2相試験でアイクルシグ治療を受けた患者の35%以上で発現しています。第2相試験では、アイクルシグ治療を受けた患者の33%(150/449例)が心血管(21%)、末梢血管(12%)、脳血管(9%)の動脈閉塞イベントを経験し、一部の患者は複数種類のイベントを経験しました。致死的イベントと生命を脅かすイベントは治療開始から2週間以内に1日15 mgの低用量で発現しています。アイクルシグは再発性または多部位の血管閉塞をもたらす場合もあります。患者はこれまで血行再建術が必要でした。心血管、脳血管、末梢血管の動脈閉塞イベントが発現するまでの期間の中央値はそれぞれ193日、526日、478日でした。心血管リスク因子を持つ患者も持たない患者も、約50歳以下でも、これらのイベントを経験しています。これらのイベントで最も多く観察されたリスク因子は、高血圧、高脂血症、心疾患の病歴でした。動脈閉塞イベントは年齢が高いほど、虚血、高血圧、糖尿病、高脂血症の病歴を持つ患者ほど、多く発現しました。動脈閉塞イベントの発現が疑われる患者ではアイクルシグの投与を中断または中止します。

静脈血栓塞栓症:静脈血栓塞栓症がアイクルシグ治療を受けた患者の6%(25/449例)で発現し、発現率は5%(13/270例、CP-CML)、4%(3/85例、AP-CML)、10%(6/62例、BP-CML)、9%(3/32例、Ph+ ALL)でした。イベントには深部静脈血栓症、肺塞栓症、表在性血栓性静脈炎、視力喪失を伴う網膜静脈血栓症が含まれます。重篤な静脈血栓塞栓症が発現した患者では、アイクルシグの用量調節または投与中止を検討します。

心不全:致死的ないし重篤な心不全または左心室機能不全が、アイクルシグ治療を受けた患者の6%(29/449例)で発現しています。患者の9%(39/449例)が心不全または左心室機能不全(全グレード)を経験しています。最も多く報告された心不全イベントは、うっ血性心不全および駆出率低下でした(それぞれ患者の3%となる14人)。心不全と一致する兆候や症状につき患者をモニタリングし、臨床上の必要に応じて、アイクルシグの投与中断を含む処置を施します。重篤な心不全が発現した場合は投与中止を検討します。

肝毒性:アイクルシグは、肝不全および死亡を含む肝毒性をもたらす場合があります。死亡につながる劇症肝不全が1人の患者で、アイクルシグの投与開始から1週間以内に発現しています。その他にも急性肝不全による死亡例が2例発生しています。死亡例はBP-CMLまたはPh+ ALLの患者で発生しています。重度の肝毒性はあらゆる疾患コホートで発現し、11%(50/449例)がグレード3~4の肝毒性を経験しています。肝毒性で最も多かった種類はASTまたはALTの上昇(全グレードが54%、グレード3~4が8%、フォローアップの最終日までに回復しなかった症例が5%)、ビリルビン上昇、アルカリフォスファターゼ上昇でした。肝毒性イベントは患者の29%で観察されています。肝毒性イベントが発現するまでの期間の中央値は3カ月でした。肝機能検査値をベースライン時に、その後は少なくとも月1回、または臨床上の必要に応じて、モニタリングします。臨床上の必要に応じて、アイクルシグの投与を中断、減量、中止します。

高血圧症:治療下における収縮期/拡張期血圧の上昇が、アイクルシグ治療を受けた患者の68%(306/449例)で発現しています。53人(12%)の患者が治療下で高血圧性クリーゼを含む症候性高血圧症を重篤有害反応として経験しています。患者は錯乱、頭痛、胸痛、息切れを伴う高血圧症の場合、緊急の臨床的介入を必要とする場合があります。ベースラインにおける収縮期血圧が140 mm Hg未満でベースラインにおける拡張期血圧が90 mm Hg未満の患者では、80%(229/285例)が治療下で高血圧症を経験し、44%(124/285例)がステージ1の高血圧症を発現、37%がステージ2の高血圧症を発現しました。ベースラインでステージ1の高血圧症を有していた患者132人では、67%(88/132例)がステージ2の高血圧症を発現しました。アイクルシグの投与期間中は血圧上昇につきモニタリングと管理を行い、高血圧症を治療して血圧を正常化します。薬物療法によって高血圧症を管理できない場合はアイクルシグの投与を中断、減量、中止します。高血圧の著しい悪化、動揺性または治療抵抗性の高血圧症が認められる場合、治療を中断し、腎動脈狭窄症の評価を検討します。

膵炎:膵炎が、アイクルシグ治療を受けた患者の7%(31/449例、6%が重篤またはグレード3/4)で発現しています。治療下で発現したリパーゼ上昇の発現率は42%でした(16%がグレード3以上)。膵炎が原因で患者の6%(26/449例)にて治療の中止または中断に至りました。膵炎発現までの期間の中央値は14日でした。膵炎を発現した31例中23例が投与の中断または減量から2週間以内に回復しています。血清リパーゼ値を、最初の2カ月間は2週間ごと、その後は月1回、または臨床上の必要に応じてチェックします。膵炎またはアルコール乱用の病歴を持つ患者では、これ以外にもリパーゼのモニタリングを検討します。投与の中断または減量が必要になることがあります。リパーゼ上昇が腹部症状を伴う場合、アイクルシグの投与を中断して、膵炎につき患者の評価を行います。患者の症状が完全に回復し、リパーゼ値が1.5 x ULN未満になるまでは、アイクルシグの投与再開を検討してはなりません。

初発慢性期CMLにおける毒性増大:初発慢性期(CP)CML患者に対するファーストライン治療としての前向きランダム化臨床試験で、アイクルシグ45 mgの1日1回単独投与はイマチニブ400 mgの1日1回単独投与と比較して重篤有害反応のリスクが2倍に増大しました。治療期間における曝露期間の中央値は6カ月未満でした。試験は安全を理由に2013年10月に中止されました。動脈および静脈の血栓症および閉塞は、イマチニブ群と比較してアイクルシグ群で少なくとも2倍の頻度で発現しました。イマチニブ治療を受けた患者と比較して、アイクルシグ治療を受けた患者は、骨髄抑制、膵炎、肝毒性、心不全、高血圧症、皮膚/皮下組織障害の高い発現率を示しました。アイクルシグは、初発CP-CML患者の治療を適応としておらず、推奨もされません。

神経障害:末梢神経障害と脳神経障害がアイクルシグ治療を受けた患者で発現しています。全体として、アイクルシグ治療を受けた患者の20%(90/449例)が末梢神経障害(全グレード)を発現しました(グレード3/4は2%)。最も多く報告された末梢神経障害は、錯感覚(5%、23/449例)、末梢神経障害(4%、19/449例)、感覚鈍麻(3%、15/449例)、味覚障害(2%、10/449例)、筋脱力(2%、10/449例)、知覚過敏(1%、5/449例)でした。脳神経障害がアイクルシグ治療を受けた患者の2%(10/449例)で発現しました(グレード3/4は1%未満、3/449例)。神経障害を発現した患者のうち、26%(23/90例)は治療開始から 1 カ月以内に神経症を発現しました。感覚鈍麻、知覚過敏、錯感覚、不快感、灼熱感、神経障害性疼痛、脱力などの神経障害の症状につき、患者をモニタリングします。神経障害が疑われる場合はアイクルシグの投与中断を検討し、評価します。

眼毒性:失明または霧視に至った重篤な眼毒性が、アイクルシグ治療を受けた患者で発現しています。黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、網膜出血を含む網膜毒性が、アイクルシグ治療を受けた患者の2%で発現しています。結膜刺激、角膜びらんまたは角膜剥離、眼乾燥ドライアイ、結膜炎、結膜出血、充血および浮腫、眼痛が患者の14%で発現しています。霧視が患者の6%で発現しています。その他の眼毒性には、白内障、眼窩周囲浮腫、眼瞼炎、緑内障、眼瞼浮腫、眼球充血、虹彩炎、虹彩毛様体炎、潰瘍性角膜炎が含まれます。ベースラインにて、また治療中は定期的に総合的な眼検査を実施します。

出血:死亡例を含む重篤出血イベントが、アイクルシグ治療を受けた患者の6%(28/449例)で発現しています。出血は患者の28%(124/449例)に発現しました。重篤出血イベントは、AP-CML、BP-CML、Ph+ ALL患者の方が高い発現率を示しました。消化管出血と硬膜下血腫が最も多く報告された重篤出血イベントで、それぞれ患者の1%(4/449例)で発現しています。全部ではないものの大半の出血イベントは、グレード4の血小板減少症を持つ患者で発現しています。重篤または重度の出血が生じた場合、アイクルシグの投与を中断して評価を実施します。

体液貯留:重篤と判断された体液貯留イベントが、アイクルシグ治療を受けた患者の4%(18/449例)で発現しています。1例の脳浮腫は致死的でした。2%より多くの患者において治療下で発現した重篤な体液貯留イベントには、胸水(7/449例、2%)、心嚢液貯留(4/449例、1%)、末梢性浮腫(2/449例、1%未満)が含まれます。

全体として、体液貯留が患者の31%で発現しています。最も多かった体液貯留イベントは、末梢性浮腫(17%)、胸水(8%)、心嚢液貯留(4%)、末梢腫脹(3%)でした。

体液貯留につき患者をモニタリングし、臨床上の必要に応じて患者を管理します。臨床上の必要に応じて、アイクルシグの投与を中断、減量、中止します。

不整脈:不整脈がアイクルシグ治療を受けた患者の19%(86/449例)で発現し、うち7%(33/449例)がグレード3以上でした。心室性の不整脈が全不整脈の3%(3/86例)で報告され、1例がグレード3以上でした。ペースメーカー植え込みに至った症候性徐脈性不整脈が、アイクルシグ治療を受けた患者の1%(3/449例)で発現しています。

心房細動が最も多く発現した不整脈で、患者の7%(31/449例)で発現し、うち約半数はグレード3ないし4でした。その他のグレード3~4の不整脈イベントには、失神(患者9人、2.0%)、頻脈および徐脈(それぞれ患者2人、0.4%)、QT延長、心房粗動、上室性頻拍、心室頻拍、心房頻拍、完全房室ブロック、心肺停止、意識消失、洞結節機能不全(それぞれ患者1人、0.2%)が含まれています。患者27人で、イベントが入院につながっています。

遅い心拍(失神、めまい)または速い心拍(胸痛、動悸、めまい)を示唆する兆候や症状を示す患者では、アイクルシグの投与を中断して評価を実施します。

骨髄抑制:骨髄抑制がアイクルシグ治療を受けた患者の59%(266/449例)で有害反応として報告され、グレード3/4の骨髄抑制が患者の50%(226/449例)で発現しています。これらのイベントは、CP-CMLの患者よりもAP-CML、BP-CML、Ph+ ALLの患者の方が高い発現率を示しました。重度の骨髄抑制(グレード3ないし4)が治療早期に観察され、発現までの期間の中央値は1カ月(範囲1~40カ月未満)でした。最初の3カ月は2週間ごと、その後は毎月または臨床上の必要に応じて全血算を入手し、推奨事項に従って用量調節を行います。

腫瘍崩壊症候群:アイクルシグ治療を受けた患者2人(1%未満、1人はAP-CML患者、1人はBP-CML患者)が、重篤な腫瘍崩壊症候群を発現しています。高尿酸血症が患者の7%(31/449例)で発現しています。疾患が進行した患者では腫瘍崩壊症候群が発現する可能性があるため、十分な水分補給を必ず行い、アイクルシグ治療開始に先立ち尿酸値上昇の治療を行います。

可逆性後白質脳症症候群(RPLS):市販後調査で可逆性後白質脳症症候群(Reversible Posterior Leukoencephalopathy Syndrome/RPLS、Posterior Reversible Encephalopathy Syndrome/PRES)としても知られている)が、アイクルシグ治療を受けた患者で報告されています。RPLSという神経障害は、発作、頭痛、注意力低下、精神機能異常、失明、その他の視力/神経障害などの兆候や症状を示す場合があります。高血圧症を呈している場合が多く、脳の磁気共鳴イメージング(MRI)における支持的所見により診断を下します。RPLSの診断が下されたら、アイクルシグ治療を中断し、症状が回復して、治療継続によるベネフィットがRPLSのリスクを上回る場合にのみ、治療を再開します。

創傷治癒障害および消化管穿孔:アイクルシグは創傷治癒を妨げる場合があるため、大手術の前は少なくとも1週間にわたってアイクルシグの投与を中断します。重篤な消化管穿孔(瘻孔)が患者1人で胆嚢摘出術から38日後に発現しています。

胚・胎児毒性:アイクルシグは、その作用機序と動物実験での所見に基づけば、妊婦への投与時に胎児に害を及ぼす可能性があります。動物を使った生殖試験では、器官形成期の妊娠したラットに対するポナチニブの経口投与は、推奨用量でのヒト曝露量を下回る曝露量で、発達への悪影響をもたらしています。妊婦に対しては胎児への潜在的リスクにつき助言します。妊娠する可能性がある女性に対しては、アイクルシグ治療期間中と最後の投与後3週間は有効な避妊法を用いるよう助言します。

有害反応
最も多い有害反応:全体として、最も多かった非血液学的有害反応(20%以上)は、腹痛、発疹、便秘、頭痛、乾燥皮膚、疲労、高血圧症、発熱、関節痛、悪心、下痢、リパーゼ上昇、嘔吐、筋痛、四肢疼痛でした。血液学的有害反応には、血小板減少症、貧血、好中球減少症、リンパ球減少症、白血球減少症が含まれます。

薬物相互作用
強力なCYP3A阻害剤:併用を避けるか、併用が避けられない場合はアイクルシグを減量します。

強力なCYP3A誘導剤:併用を避けます。

特定集団における使用
生殖能力を持つ男女:アイクルシグは、妊婦への投与時に胎児に害を及ぼす可能性があります。妊娠する可能性のある女性には、アイクルシグ治療期間中および最後の投与後3週間は有効な避妊薬を使用するよう助言します。ポナチニブは女性で生殖能力を損なう可能性があり、その影響が可逆的であるかどうかは不明です。アイクルシグの投与開始に先立ち、生殖能力を持つ女性では妊娠の有無を確認します。

授乳婦:女性にはアイクルシグ治療期間中および最後の投与後6日間は授乳しないよう助言します。

米国向け処方情報:http://www.iclusig.com/pi

武田薬品について

武田薬品工業株式会社は研究開発を駆使する世界的製薬企業として、科学の成果を生活に変革をもたらす医薬品に橋渡しすることで、患者の健康を改善して患者に明るい未来をもたらすことに真剣な努力を傾けています。武田薬品はその研究開発活動をオンコロジー、消化器系疾患、中枢神経系の各治療領域とワクチンに集中させています。武田薬品は革新の最前線に位置するため、研究開発を自社内および提携先との共同で実施しています。特にオンコロジー、消化器系の疾患における革新的な新製品と、新興市場におけるプレゼンスが、武田薬品の成長を加速させています。武田薬品の3万人以上の従業員は、70カ国以上でヘルスケア分野の提携先と協力しながら、患者の生活の質を向上させることに懸命の努力で取り組んでいます。詳細情報についてはhttp://www.takeda.com/newsをご覧ください。

武田薬品の詳細情報については当社ウェブサイト(www.takeda.com)を、武田薬品工業株式会社のグローバルオンコロジービジネスユニットのブランドであるTakeda Oncologyの詳細情報については本ブランドのウェブサイト(www.takedaoncology.com)をご覧ください。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

Contacts

Takeda Pharmaceutical Company Limited
Japanese Media
Tsuyoshi Tada, +81 (0) 3-3278-2417
tsuyoshi.tada@takeda.com
または
European Media
Kate Burd, +44 7974 151510
kate.burd@takeda.com
または
Media outside Japan/EU
Amy Atwood, +1-617-551-3683
amy.atwood@takeda.com
または
Liza Heapes, +1-617-621-2315
liza.heapes@ariad.com
または
Sara Noonan, +1-617-551-3683
sara.noonan@takeda.com

Contacts

Takeda Pharmaceutical Company Limited
Japanese Media
Tsuyoshi Tada, +81 (0) 3-3278-2417
tsuyoshi.tada@takeda.com
または
European Media
Kate Burd, +44 7974 151510
kate.burd@takeda.com
または
Media outside Japan/EU
Amy Atwood, +1-617-551-3683
amy.atwood@takeda.com
または
Liza Heapes, +1-617-621-2315
liza.heapes@ariad.com
または
Sara Noonan, +1-617-551-3683
sara.noonan@takeda.com